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ファーバーカステル 伯爵コレクション クラシック アネロ エボニー ボールペン 【比較レビューと木軸メンテナンス】

2024年10月17日

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皆さんこんにちは。
 
皆さんは木軸の筆記具はお使いでしょうか。
しばしば当ブログでも取り上げる木軸筆記具ですが、その中でも特にお勧めな木軸筆記具がファーバーカステルの伯爵コレクション。
 
私は仕事上ボールペンをメインに使っていて、普段使いのボールペンとして伯爵コレクションのクラシックエボニーを愛用しています。
伯爵コレクションのクラシックシリーズはその木軸の上質な質感はさることながら、胴軸にしっかりと真鍮パーツが使われていて適度な重みと堅牢性が確保され、そして口金の長さからくる筆記のし易さ(ペンポイントの見やすさ)など、非常に満足度の高いペンなのです。
 
そんなお気に入りのボールペンを長く使い続けたい。
そのためにはスーツや革靴と一緒で、少しでもくたびれさせないように何本かをローテーションさせる必要があります。(と勝手に考えています)
 
やはりボールペンと言えど、毎日使うものですので「使ったら休ませる」を繰り返さないと長期の使用には耐えられないと考えます。
そのような理由からも、同じようなボールペンをもう一本求めてしまうのです。
(モンブランが増えるのもそういう理由からだろうと自己分析しています)
 

 
ということで、今回はもう一本のファーバーカステル伯爵コレクション。
「クラシックコレクション アネロ エボニー ボールペン」をレビューしていきます。
 
また、お気に入りの木軸を長持ちさせるために蜜蝋ワックスがいいよ!とTwitterでフォローしている方に教えて頂いたので、蜜蝋ワックスの説明書に基づいてエボニーのメンテナンスも試してみます。
 
それでは見ていきましょう!
 

 

 

 

クラシックコレクションアネロのデザイン

クラシックコレクションアネロは軸にリング(イタリア語でアネロ=輪)がデザインされているのが特徴。
アネロは201911月現在、グラナディラとアイボリー(プレシャスレジン)の2種のみラインナップされています。
 
今回取り扱うのはマテリアルがエボニーのモデル。今や廃番となっていますが、たまに某オークションやフリマサイトに現れます。
 

 
プラチナプレートのリングに天然木のマテリアル。他にはないデザインをしています。
胴軸は5つのアネロ(リング)によって仕切られていて、木軸部分はそれぞれが独立しているため表情の違いを楽しむことができます。
 
エボニーは基本的に漆黒ですのでパッと見木軸の表情の違いが分かりにくいのですが、現行のグラナディラだと表情の違いが明確に出てより楽しめるかと思います。
 
よく、遠目だとグラナディラとエボニーの違いが分かりにくいと言われていますが、並べてみると違いをはっきり感じることができます。
 

 
左がエボニー(伯爵コレクションクラシックアネロ)、右がグラナディラ(LAMY2000 ブラックウッド)
やはりグラナディラの方が深い焦げ茶で、エボニーが漆黒だということが分かります。
 

 
木軸部分を拡大してみました。
エボニーには艶がなく、光を吸収するようなマットな質感。
一方、グラナディラには艶があり、縦に走る繊維が見て取れます。どちらの木材もかなり硬質なため長きにわたり使用する筆記具の素材としても最適。
 

 
クラシックアネロの筆記具として優れている点としてグリップ感が挙げられます。
口金部分を持つ方は別として、胴軸の末端を持って筆記する場合リングが滑り止めの役割も果たします。
 
密度がありなめらかなエボニーの質感にプラスしてアネロ(リング)がグリップを助けるため、個人的にはリブパターンのクラシックより握りやすいと感じました。
 

 
伯爵コレクションのクラシックはこれで3本目になります。
左から、ペルナンブコのペンシル、アネロエボニー、クラシックエボニー。
 
次はクラシックエボニーとアネロエボニーを比較していきます。
 

 

クラシックとアネロの違いと口金パーツのナンバーの謎

続いて同じエボニーの素材を持つクラシックエボニーとクラシックアネロエボニーの違いについて。
 

 
軸の外観ですが、差があるのは胴軸部分のみ。
この2本は木軸の素材も同じですが、丸く削られたエボニーのアネロとリブパターンのクラシックエボニーでは印象が大きく異なっています。
 
エボニー軸はマットで本当に渋いです。
 

 
2本の天冠を並べてみます。
どちらも旧タイプエンブレムのモデルなのですが、刻印の仕様に若干の差異があるように思います。
(新タイプはクラウンに盾の紋章)
 

 
左がアネロエボニー、右がクラシックエボニー。
拡大してみるとアネロエボニーは社名ロゴの堀りが深く、エンブレムはシングル刻印。
 
右のクラシックエボニーはエンブレムの堀りが太くなっています。
これは仕様変更か個体差の可能性もありますが、並べてみることで気付くことができました。
 

 
また、2本の口金パーツのモデルナンバーにも違いがありました。
口金パーツのネジ切り部に刻印されている数字はそれぞれ、
 
アネロエボニーが「020311 PT
クラシックエボニーが「040408 PT
 
となっています。
共通している“PT”はおそらくプラチナコーティングを表しているものと思われます。
 
以前のギロシェ比較の時とは違い口金の形やデザインは同じなため、モデルごとにそれぞれパーツを作り変えているか、年代によって仕様(バージョン)を変えているということになります。
 
ついでにおさらいして、手元にあるペルナンブコペンシルとギロシェのボールペン・ペンシルも載せておくと、
 
ペルナンブコペンシルが「020704 PT
ギロシェコニャックペンシルが「021014
ギロシェブラックボールペンが「014013
 
となります。
数字に一貫性がないため製造時期によるナンバーか、もしくは、シリアルナンバーである可能性も無きにしもあらず。
まあこれがシリアルナンバーだとしたらかなり面白いのですが、皆さんの手元にある伯爵コレクションの数字はいかがでしょうか。
 

 

ファーバーカステルで使うリフィルについて

さて、話を変えてファーバーカステルで使っているリフィルについてです。
冒頭でも書いたとおりこの2本は仕事で使っているのですが、先細りペン先の見やすさと適度な重量感からくる筆記のし易さは他の追随を許しません。
 
仕事では印刷物に書き込んだり 回覧する書類に加筆することがほとんどですので、仲間に分かりやすく伝えるという意味でもボールペンのリフィルは意図的に青を使うようにしています。
(もちろん黒を使わないといけないときは黒を使うのですが)
 
いままで色々な青いリフィルを使ってきて、やっぱり一番書きやすくて見やすいと思うのがパーカーの青リフィルなのです。ファーバーカステルの軸ですが使うのはパーカーのリフィル!
 

 
現在使っているのが、大量に買い込んだヴィンテージのリフィル()とクインクフロー()
※クインクフローは青のストックが無いので写真は黒のパッケージです
 

 
パッケージの裏はこんな感じです。
左は特に古めかしさを感じますね()。クインクフローが開発される前の純油性のボールペンリフィルです。
 

 
ファーバーカステルはパーカータイプのリフィルが適合しますので、様々なメーカーのリフィルを装填することができます。海外メーカーのリフィルで言うと、モンブラン・ラミー・ウォーターマン・シェーファー・クロス以外のリフィルは使えると思って良いでしょう。
 

 
書き比べるとこのようになります。
上のヴィンテージリフィルはXFで、書き味は硬めです。
年代物なのでインクが特に粘っこくなっているのかもしれません。しかしこの枯れた色合いがなんとも好きで多少硬かろうが構わず使ってしまいます。
 
一方、下のクインクフローは字幅Mの滑らかな書き心地。まさに近年のインクといった書き味で、ジェットストリームほどサラサラではなく、しっかりと油性っぽさも残しつつ適度に柔らかい書き味が気に入っています。青色も濃く見やすいのも◎。
 

 
このリフィルを搭載した先細のペン先がなんとも書きやすいのです。
やはりお気に入りの軸にはお気に入りのリフィルを入れて使うのが一番!パーカータイプリフィルが適合するボールペンだとこの辺の自由度が高くて良いですね。
 

 

エボニーのメンテナンスに挑戦

最後は乾燥の季節を迎えるにあたり、やっておきたい木軸のメンテナンスについて。
 

 
以前から気になっていた木軸のカサカサ感。
エボニーやペルナンブコが非常に硬い材質とはいえ、天然素材ですので乾燥は禁物。
たまに、オークションなどでも軸割れした木軸ボールペンを見かけることがあります。
 

 
そうならないためにも定期的な木軸のメンテナンスは必要。
早速、Twitterで得た情報をもとに木軸メンテナンス用に「蜜蝋ワックス」と「セーム革」なるものを入手して使ってみることにしました。
 

 
メンテナンスするのは当記事のエボニー2本に、久しぶりに登場するカスタムカエデ、そして潤いを全く感じないパーフェクトペンシルのスペア鉛筆。
 

 
ボールペンのような小物のメンテナンスがメインですので、蜜蝋ワックスは10gのお試しサイズで。
説明書に従い少量を布に取り、木軸の表面に薄くのばしていきます。
 

 
エボニーのリブパターンにワックスが溜まらないように慎重にのばします。
アネロはリングがありますが同様にまんべんなく塗っていきます。
 
塗れたら30分間、ワックスを定着させる時間をおきます。暖かいコーヒーでも飲んで待ちましょう。
 

 
30分経ったら、同じく布でから拭きして完成!
 
塗ってから拭きした直後は艶がありますが、時間と共に落ち着いてきます。
目的は艶を出すことではなく保湿のためなのでこれで良し。木軸は自分の指紋でゆっくり育てていけばいいのです。
 

 
4本ともしっとりしているのがお分かり頂けるでしょうか。
茶色の木軸は色に深みが増したようにも感じます。
 

 
アネロもしっとり。
カサついた小傷が目立たなくなったようにも思います。
 

 
カスタムカエデとスペアペンシルもしっとりとした艶感が生まれています。違いがお分かりになるでしょうか。
 
セーム革は使い始めは粉が出るため今回は木軸のメンテナンスには使っていませんが、筆記具の金属部分の磨き作業にはもってこいでした。きめ細かな革質で傷つけることなく指紋や汚れを拭き取ることができました。
 

 
蜜蝋ワックスのメンテナンスについて頻繁にやる必要は無いと思いますが、春までにもう一度くらいはやってみようかと思います。
 
ちなみに蜜蝋ワックスの匂いですが、大きく分けて甘い香りがするものと渋い樹の香りがするものとがあるようです。
今回使ったワックスは後者なのですが、塗った直後はかなり匂いがきつく木軸の保湿効果に加えて、私自身の食欲減退の効果もありました。
 
しかし、から拭きしてしばらくすると匂いは収まっていきますのでご安心を。
 

 
今回はファーバーカステル伯爵コレクションのクラシックアネロエボニーボールペンをレビューしてきました。
やはり木軸は良い!そして口金の謎ナンバーも良い!メンテナンスも楽しい!
ということで、満足度の高い伯爵コレクションを改めて感じることができました。
 
自分の中でモンブランがボールペンのゴールだと思っていましたが、最後に行き着くところはファーバーカステルかもしれません。
密度の高い質感・書きやすさ・リフィルの自由度・木軸の楽しさ、すべてが一本に凝縮された伯爵コレクション、一度使ってみられることをお勧めします。
 
それでは今回もお付きあい頂きありがとうございました。

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