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使いやすい「モンブラン マイスターシュテュック ボールペン」をさらに使いやすくする方法

2024年9月24日

モンブラン沼の入り口に立つ皆さん、こんにちは。
万年筆やボールペンがお好きな方なら、一度は使って頂きたいモンブランのマイスターシュテュック。そして、普段使うボールペンなんて何でもいい、と思っている方にもお勧めさせて頂きたいマイスターシュテュックシリーズ。
 
既にモンブランの筆記具沼に足を踏み入れている場合、「マイスターシュテュックのボールペン」と聞いて通常の#164を思い浮かべる方は少ないのかも知れませんが…。
知らない方のために簡単におさらいすると、モンブランのマイスターシュテュックは まずサイズについて下記のようなバリエーションがあります。
 
【ボールペン】
#161:Le Grand(ル・グラン)
#164:MID SIZE(ミッドサイズ)
#164:Classic(クラシック)
#116:Mozart(モーツァルト)
※ミッドサイズとクラシックは同じ#164のくくり(多分)
 
【万年筆】
#149:Masterpiece(マスターピース)
#147:Traveler(トラベラー)※146と同サイズでカートリッジ式
#146:Le Grand(ル・グラン)
#145:Chopin(ショパン)※144と同スペックのネジ式キャップ
#144:Classic(クラシック)※145と同スペックの嵌合式キャップ
#114:Mozart(モーツァルト)※カートリッジ専用
※マスターピースは昔の呼び名でした(多分)
※149と146のみピストン吸入式
※ドネーションペンにもショパンがありますが、あちらは限定モデルです
 
【メカニカルペンシル】
#167:Le Grand(ル・グラン)
#165:Classic(クラシック)
#117:Mozart(モーツァルト)
※167は無段階回転繰り出し式
 
【ローラーボール】
#162:Le Grand(ル・グラン)
#163:Classic(クラシック)
 
と、並べると結構ありますが、ル・グラン以上が大型サイズ(140mm以上)、基本サイズはクラシック(約137mm)で、モーツァルトはシリーズ最上サイズ(110mm強)となります。
 

 
油性ボールペンについては4種類で、今回の記事で見ていくのが#164クラシックサイズ。マイスターシュテュックを選ぶ上で一番無難なサイズで、老若男女誰にでもお勧めできる傑作です。
 
当記事はここ半年以内に入手したマイスターシュテュックシリーズの上位派生モデル「ソリテール」と「ソリテール ドゥエ」の2モデルをレポートしつつ、通常モデルの#164をカスタマイズしてソリテール ドゥエの使用感に近づけていこう、という内容。
 

 
まずは、「マイスターシュテュックソリテールドゥエ ジオメトリックディメンション」から。
左が通常モデルのマイスターシュテュックP164、右がジオメトリックディメンション ドゥエ。
キャップが金属素材、胴軸が#164と同じ樹脂素材という仕様はソリテールドゥエで共通となります。
 
ソリテール ドゥエはもう何度も当ブログで取り上げているモデルですが、ジオメトリックディメンションは私にとってずっと前からの憧れの一本。
 

 
幾何学的に美しくカットされたキャップが特長。
ちなみに「ジオメトリックディメンション」の後継モデルで「ジオメトリー」というデザインのモデルもあり。
ジオメトリックディメンションが三角形を規則正しく並べたデザインに対して、ジオメトリーの方は六角形を上下に潰したようなデザインの羅列となります。
 
どちらも非常に美しく、実際に目の前にすると まるで超アナログ的なモザイクを見ているような、キャップの輪郭を直視できないような視覚効果を体験できます。
 

 
模様を拡大すると横向きのヘアラインが見え、加工精度の高さが覗えます。
マイスターシュテュックをベースとしたモデルに多い「偽物」では真似できないデザイン。ジオメトリックディメンションの偽物を見かけないのも頷けます。
 

 
ソリテールドゥエの筆記感ですが、キャップが金属で胴軸が樹脂メインという仕様上、重心がキャップリングの上あたりになります。
リアヘビーと感じる方もいらっしゃるかも知れません。
重量バランスについては記事後半の方法で調整アレンジも可能となります。
 
スペックは、
全長:137mm
重量:32g
 

 


 
ソリテールの二本目は「ソリテール プラチナプレートファセット」。
ソリテールはキャップ、胴軸共に金属素材のマイスターシュテュックとなります。
総金属軸となるため、重心はキャップと胴軸の境となり、金属の重量感も相まって書き心地も滑らか。
 
モンブランの筆記具というとデザインに目が行きがちですが、筆記具としても非常に完成度が高いモデルとなります。
マイスターシュテュックの書き心地が好きであれば、ほぼ間違いなくソリテールも気に入るのではないかと。
 
スペックは、
全長:137mm
重量:39g
 

 
プラチナプレートファセットのファセットとは「切子」のこと。
格子の切子グラスの様な直線的にカットされたデザインは、光源により陰影が映え、美しく立体的なテクスチャーを形成しています。
 
表面にはプラチナプレートが施されているため、シルバー925軸のようにクスミが出ることもなく美しいデザインが持続され、デザインと合った表面処理だと言えます。
 

 
冒頭でも書いたとおり、マイスターシュテュックのボールペンには4つのサイズによるモデル名の違いがあり、現在手元にある写真のソリテール3本はいずれも#164となっています。
 
写真左のプラチナプレートファセットはクラシックサイズ、右側はミッドサイズのトリビュート トゥザ モンブラン。
面白いのが真ん中のブラックセラミックプリズマで、キャップはミッドサイズ・胴軸がクラシックサイズという仕様。こういったモデル毎の個性もマイスターシュテュックの堪らない部分だと言えます。
 

 
「ファセット(切子)」という共通点から、パイロットのカスタム切子「碁盤」と並べてみました。
全長、軸径、重量と大きく違う2本。
パイロットのカスタム切子はキャップ部と胴軸部の素材がシルバー925となっており、磨く楽しさも味わえます。
 

 
同じ切子をモチーフとした2本ですが印象が大きく異なります。
大きな切り込みのマイスターシュテュック、細い切り込みのカスタム切子。クリップ形状の違い一つ取っても、同じモチーフながらもコンセプトの違いというのが明確に覗えます。
ちなみに2本の胴軸内の構造にも違いがあり、カスタム切子は総金属、マイスターシュテュックのソリテールシリーズは軸内が樹脂となっています。
 

 
切り込みの違い。
カスタム切子はシルバー925のクスミを利用して、溝の部分を黒化させて楽しむのもあり。
マイスターシュテュックは、よく見ると溝の部分の加工の違いから異なる2つのテクスチャーを楽しめます。
 

 

さて、趣向を凝らしたデザインと重量感から来る筆記のし易さ&満足感がたまらない、ソリテールドゥエとソリテール。
特にこの程よい重量感は高級筆記具を使う上で欠かせない要素ではないかと考えます。
 
そんな重量がもたらす高級感と筆記時の高揚感を通常モデルの#164でも味わいたい。
まあ、何もアレンジを加えなくても十分に使いやすい#164なのですが、樹脂のグリップ感+重量アップでマイスターシュテュックを更に使いやすくする、という裏ワザをご紹介します。
 

 
裏ワザ実行はリフィルと胴軸部分が肝。
無加工で#164を重量アップする一番手っ取り早い方法というのがリフィルの交換。
これは既に実行されている方も多いかも知れません。
 

 
それが「リフィルアダプター(MB-01)」の利用。
MB-01は、例えばジェットストリーム等 日本製の高性能な4C芯をモンブランの筆記具で使ことができるようになる夢のアダプター。
アダプターの先に4C芯を差し込んで使います。
 
このアダプターの重量が芯を含め6gあるため、モンブラン純正リフィル(4g)より2gの重量アップという調整が可能となります。
非常にお手軽かつ、4C芯という規格をもとに様々な油性インクを楽しむことができるお勧めのアレンジ。
 
惜しむらくは4C芯のインク容量が少ないこと。
一日にノートやレポートを何枚も埋める方には不向きではあります。
 
そこでもう一つの重量調整方法。
 

 
マイスターシュテュックの胴軸内にあるリフィルスペーサーを交換する方法。
ベルリンの壁崩壊後のマイスターシュテュックには 胴軸内にリフィルのブレを軽減するための樹脂製スペーサーが設置されています。
 
これは軸内に圧着されておらず差し込まれているだけのため、この樹脂製スペーサーを金属のパイプに交換してしまおうという試み。
 

 
樹脂製スペーサーは圧着されていないと言えど、しっかりと嵌まっていますので取り出しにはそれなりの道具(?)が必要となります。
いや、道具と呼べるほど大それたものではないのですが、割り箸の先に3Mの粘着テープを巻いたものを自作。これを使って胴軸内からスペーサーを引きずり出します。
 

 
粘着棒はだいたい8mm径くらいになるように作って、胴軸内に差し込み引き抜くだけ。
非常に簡単な作業。
写真のようなリフィルスペーサーがスッと出てきます。
 

 
リフィルスペーサーと全く同じ形状の金属パイプがあればいいのですが、そんな都合の良いものは存在しなかったため、長さ30mmの真鍮製金属パイプをどこからともなく購入して使います。
(楽天市場で1,000円くらいで発見しました)
 
注意点として、外径は7.5mmかつ厚みが0.5mmのものでないと入りません。
※厚み1mmのパイプも試しましたが、胴軸内に収まっても今度はリフィルが入らないのでNGです。
 

 
面白いくらいすっぽりと収まります。
この金属パイプはマイスターシュテュックの胴軸内に収まるために生まれてきたのかも知れません。
胴軸は先に行くにつれて徐々に細くなっているため、何もしなくてもすっぽり収まりますが、心配な方は金属パイプの外壁に薄い両面テープを少量貼って仮固定してもOK。
 

 
リフィルアダプター「MB-01」と真鍮パイプ、両方を装着する前のマイスターシュテュック#164(P164)の重量は、純正リフィル入りで23g。
この重さも丁度良いのですが、さらに重量アップで低重心を目指すと…
 

 
27gとなります。
4gの重量増で、スペックだけでなく持った感じも明らかに重くなっていると感じる、心地良い重量感!
 

 
ちなみにマイスターシュテュックソリテールドゥエ(ステンレススチール)の重量が30gですので、リアルなソリテールドゥエまであと3g、というところまで迫ることができました。
 

 
ソリテールドゥエ(ステンレス)と今回のアレンジ#164の各パーツの重量分配はこのようになっています。
リフィルアダプター「MB-01」と真鍮パイプを両方足すことで9gの重量アップ。
重くなりすぎる場合はリフィルアダプターだけ、もしくは真鍮パイプだけという具合に微調整できます。
 
このアレンジの良いところは胴軸側に重さを足すため、ペン自体が低重心となり筆記時の疲れが軽減されること。
通常の#164とソリテールドゥエは胴軸部分が同じため、真鍮パイプをソリテールドゥエ側に足すことで重心位置の調整にも使えます。
 
他のマイスターシュテュックベースのペンでは、ドネーションペンや一部の作家シリーズ(と言ってもボルテールのみ)でも同様に重量調整が可能です。
 

 


 
さて、今回は新しく入手したモンブランのマイスターシュテュック ソリテールドゥエ「ジオメトリックディメンション」とソリテール「プラチナプレートファセット」ボールペンのレポートと、クラシック#164の重量調整アレンジについて書きました。
 
マイスターシュテュックソリテールシリーズの書きやすさの要因は金属軸ならではの重量感。
マイスターシュテュックの完成されたデザイン+金属や鉱石などの希少素材ですので、ビジネス用途でも仰々しくなりすぎず、さり気なく手元をお洒落に飾れます。
#164が好きな方はソリテールを一生モノとしてお勧めします。
 
また、樹脂の書きやすさをアップグレードされたい場合は、リフィルアダプターで手軽に重量プラス、さらに重量を足したい場合は金属パイプを使ってアレンジ等、いつもと違った書き心地を楽しむのもありです。#164やソリテールドゥエをお使いの方はぜひ試してみて下さい。
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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