デジタル世代だからこそ使いたい至高の鉛筆!ブラックウィングのラインナップと魅力的なアクセサリー
カランダッシュのボールペンを使っているうちに六角軸の魅力に再度取り憑かれたようで、フィックスペンシル(芯ホルダー)で黒鉛の良さを再確認。
そして、今回は筆記具の歴史的遡りを経て鉛筆についてのレビューとなります。
鉛筆と言っても普通の鉛筆ではなくて(いや、厳密には普通の鉛筆ではあるのですが…)、交換可能な消しゴム付き鉛筆である「ブラックウィング」。
ブラックウィングは私自身も大好きな鉛筆で、小学生になる息子にも使わせています。
ブラックウィングの魅力とは、やはりその書き味。
滑らかな芯は黒くクッキリとしたラインを残し、文字を書く時・絵を描く時に筆圧を繊細に表現してくれます。
また、軸のデザイン、尻軸のフェルールとセットさている消しゴムのカラーが実にお洒落で使っていて気分が良い、何かを製作するにあたってのモチベが上がるということも忘れてはなりません。
少し前にブラックウィングのオンラインショッピング公式サイトができました。
これがかなり便利!
ブラックウィングというと、私が住んでいるような田舎では一部のマニアックな文房具店かお洒落な雑貨屋にしか置いていなくて、探そうと思えば一苦労。
オークションで買おうものなら普通に買うよりも余計な出費がかさむことになります。
※ブラックウィングはコアなファンやコレクターの方もいてレアなモデルは高値で取引されることも…。
知らない人は知らないけど、知ってる人は知っているというのがブラックウィング。
そんな素晴らしい鉛筆について書いていきたいと思います。
実は、かなり前にブラックウィングの記事は書いているのですが、今回はより詳しく、新しく発売されたアクセサリーも含めて見ていきましょう!
【やはり滑らかな書き味!主なラインナップとそれぞれの違いについて】
2020年10月末現在、ブラックウィングの日本公式ショッピングサイトにはレギュラーモデルが4種類、限定モデルが5種類ラインナップされています。
各モデルの価格や詳細については記事末にサイトのリンクを貼りますのでそちらで確認頂くとして、
名称や硬度について簡単にまとめると…、
・レギュラーモデル
BLACKWING MATTE:soft
BLACKWING 602:firm
BLACKWING PEARL:balance
BLACKWING NATURAL:exfirm
・限定モデル(売切や商品変更の可能性あり)
BLACKWING 42:balance
BLACKWING 840:balance
BLACKWING 155:soft
BLACKWING 3:exfirm
BLACKWING ERAS:exfirm
となります。
商品名の右側が硬度で、soft(軟)、balance(軟硬)、firm(硬)、exfirm(最硬)の4種類。
※()内はニュアンスです。
レギュラーモデルは4つの硬度を一通り試せるようになっていますね。
私が今回手元に用意したのが、レギュラーの4本と限定モデルのERAS。そして、前から使っている旧モデルの「PALOMINO BLACKWING」の計6本。
▲上から、ERAS、602、旧BW、MATTE、NATURAL、PEARL。
消しゴムが付いている金属部分を「フェルール」といい、そのフェルールはモデルによってカラーが異なります。
フェルールのカラーから旧型PALOMINO BLACKWINGの後継がMATTEということになるのかも知れません。
面白いのが消しゴムの色。
それぞれの軸色によってデフォルトの消しゴムのカラーが違うという拘りよう。ほんと、こういうところがお洒落なんです。
手元にある6本では、レギュラーの602と限定品のERASにのみ軸に「HALF THE PRESSURE, TWICE THE SPEED」と刻印されています。(他の限定品は未確認)
これは一度1998年に生産が中止されたオリジナルのブラックウィングに刻印されていた文字と同じ、
「半分の筆圧、2倍の速さ」というキャッチコピー。
めちゃくちゃスラスラ書けまっせ!ということでしょう。
オリジナルのブラックウィングがお好きな方は間違いなく買いなモデルではないでしょうか。
復刻された当初のブラックウィングにこの刻印がなかったため一部の熱烈なファンから抗議が出たほど。
いやしかし、素晴らしいキャッチコピーだと思います。
書き比べてみました。
4種類の硬度がありますが、書いてみて驚いたことは柔らかさが明らかに違うのに線の濃さがほぼ一定なところ。(右側が通常の筆圧で、左側が力を抜いて書いています)
通常の鉛筆でB~Hだと硬さが異なるうえ線の濃さも変わりますが、ブラックウィングはsoftとexfirmでも濃さに劇的な差がありません。
どのデザインでも一定のクオリティで線が書ける。これは凄いことだと思います。
流石は日本製の芯ですね!
続いて軸のデザインを見てみましょう。
602はダークグレーの軸にピンクの消しゴム。
グレー×ピンクという最高の組み合わせを鉛筆にデザインしてしまうというなんともニクい仕様です。
マットな質感、ゴールドとブラックのコントラストから旧デザインを引き継いだと思える「MATTE」。
上が旧型のBLACKWINGです。
2本を比較すると「BLACKWING」の字体やラインなどデザインの違いが見られます。
PEARLは文字通りパールホワイトの軸にホワイトの消しゴム。
白とゴールドのコントラストが美しい。芯の硬度はbalanceで使い勝手も上々。万人にお勧めできます。
ちなみに子供達にはレギュラーモデルのPERAL(旧)、602(旧)、530(限定品)、1(限定品)を使わせています。
一番下のBLACKWING.1については以前のブログ記事「パロミノ ブラックウィング【消しゴム付き鉛筆の比較】」で登場しているものですが、かなり小さくなっていますね。
NATURALはインセンスシダーの木目そのままのデザインで、香りも芳醇な木の香りを楽しめる一本。
「BLACKWING」の斜め字体は旧モデルから引き継がれています。消しゴムはグレー。
限定モデルのERASは2010年に復刻したブラックウィングの10周年記念モデル。
ベースとなる602のようなダークグレーの軸に同じくゴールドのラインをあしらったブラックのフェルール、そして赤い消しゴムがお洒落。
まさにブラックウィングの軌跡を辿る記念モデルに相応しいデザインとカラーです。背面には例のキャッチコピーが入ります。
このようにブラックウィングには様々なデザインのモデルが存在します。ここで紹介しきれなかった限定モデルも気になるところ。
デザインで選ぶのも良し、好みの芯の硬度で選ぶのも良し。
老若男女にお勧めできる鉛筆なのです。
【消しゴムの交換方法とコストについて】
ブラックウィングのフェルールに付く消しゴムは交換が可能。
他の交換できない丸い消しゴムがついた鉛筆は消しゴムを使い切ったら交換はできません。
私が記憶する中で、少なくとも消しゴム付きの鉛筆で消しゴム交換ができるものは、このブラックウィングとファーバーカステルのパーフェクトペンシルくらいでしょうか。(他にもあったらごめんなさい)
消しゴム交換ができるというだけでも、このブラックウィングがいかに特別な鉛筆かがお分かりいただけるでしょう。
ブラックウィングに用意されている交換用の消しゴムはブラックとホワイトの2種。
私は迷わずブラックに。
やはり黒は消した後の汚れも目立たず、見た目も引き締まって良い感じ。
今回は気分転換で白い消しゴムから黒い消しゴムへと変更してみます。
早速交換するために白い消しゴムを引き抜きます。
消しゴムを引き抜く際は、フェルールから覗く銀色の部分を消しゴムごと引き抜くのみ。
アダプターパーツと消しゴムが姿を現します。
アダプターパーツは薄い金属の板で形成されていますが、消しゴムを引き抜くための役割や、表と裏合計4つの突起で消しゴムをホールドする役割、消しゴムが減ってきた時に支えるという役割の3つを担っている重要なパーツです。
このパーツのお陰で、消しゴム使用中に消しゴムが端から割れるのを防ぎ、また、減ってきた消しゴムを最後まで使うことができるようになるのです。まさに縁の下の力持ちですね。
新しい消しゴムをアダプターの間に挟み、フェルールに戻せば交換完了。
非常に簡単です。
消しゴムは10個入りで1100円(税込)。1個110円と少し高いですが、最高の鉛筆を最高の状態で使い続けるためには必要な出費であります。
消し字力は以前の記事で検証済みですのでそちらを確認頂くとして、やはりあくまでサブとしての消しゴムですので、ゴリゴリと大幅に字消しを行う場合は普通のイレイサーを使いましょう。
【ブラックウィングで使いたい専用のアルミ製キャップ】
さて、続いてブラックウィングから発売された専用のキャップを見ていきましょう。
正式名称は「BLACKWING POINT GUARD」。
少し大きめの箱を開けると、真ん中には固定されたキャップが。
キャップも鉛筆と同じ六角形がベースに差し込み口と先端は丸く、どこかカランダッシュ エクリドールの天冠をも思わせるデザイン。
カラーは3色で、ブラック、シルバー、ゴールドとなっています。
アルミ製×六角形の堅牢な造りとミニマルなデザインがこれまたお洒落です。
キャップの先にはブラックウィングのロゴである「B」のプリントが配置されています。
どの色も素敵で、フェルールや軸のデザインと合わせて使いたいところ。
削っていないブラックウィングに装着するとかなりロングな出で立ちとなり、大概のペンケースには収まりません。
フェルールが流線型の滑らかなデザインに対して、エッジの効いたキャップの対比がどこか面白い。
不思議なシルエットですね。
いずれの軸デザインにも合うように3色展開されたキャップ。
「ポイントガード」というだけあって堅牢な造り。
私のお気に入りはブラックでしょうか。マットな質感がとても格好良いです。
ちなみにブラックウィング専用ではありますが、他の鉛筆でも装着は可能です。
ただ、ステッドラー「ノリス」などの太めな三角軸の鉛筆や丸くてもマグナムサイズの鉛筆には装着できませんでした。
ブラックウィングファンにもそうでない方にもお勧めできる所有満足感の高いペンシルキャップ。
「BLACKWING POINT GUARD」はひとつ持っているだけで鉛筆を使うテンションを高めてくれるに違いありません。
【ブラックウィングより発売された至高のシャープナーを使う】
ブラックウィングも鉛筆ですので、使えば芯が減り、削る必要がでてきます。
ブラックウィングはどんなシャープナーで削るのが良いのか。
こちら最終項では、手元にあるいくつかのシャープナーの削り具合いの比較と、新しく発売されたブラックウィングのシャープナー「BLACKWING ONE-STEP SHARPENER」のレビューを行っていきます。
ここで使うシャープナーは6種類。
エル・カスコ卓上シャープナー M430-CN
ファーバーカステル UFO
KUM ポケットシャープナー
DUX 4240-R
DUX 4332N
ブラックウィング ONE-STEP SHARPENER
早速、各シャープナーで削っていきましょう!
まずはKUMのポケットシャープナー(正式名称不明)。
この中では最もコンパクトなKUMの真鍮製シャープナーです。ペンケースへの収まりはピカイチで、まずこのシャープナーが入らないというペンケースは無いでしょう。
602を削ってみましたが、削った感じ鉛筆の中心揃えが少し難しく削りが斜めになることがあります。
また、ブラックウィングを削る際、フェルールを持って捻る力をかけるとフェルールの接着が緩みかねません。
そのため胴軸を持って削る必要があるのですが、そうした場合、シャープナー側の保持面積が少ないKUMは少し使いにくく感じました。
KUMを使う場合は通常のフェルール無し鉛筆の方が向いているのかも知れません。
続いてDUXの2モデル、4240-R(リング)と4332N(ヴァリアブル)です。
ブラックウィングのMATTEとERASを削ります。写真は4332N(ヴァリアブル)
DUXのポケットシャープナーも真鍮製。KUMとの違いはシャープナー側の保持面積が広いこと。
そして鉛筆の差し込みがシャープナーに向かって斜めのため力も込めやすくなっています。
ブレードも優秀で非常に気持ちよく削れる他、削りカスも美しいです。
北米産のインセンスシダーは香りも豊か。
やはりDUXはどの鉛筆にも合うシャープナーと言えますね。
ちなみに4240-RのようなDUXのリングシャープナーは左手保持が非常に楽ですので、より少ない力で削ることができて連続使用にも向きます。
見かけることも少なくなってきていますが、どこかで見つけたら確保必至の逸品です。
次にファーバーカステルのUFOでブラックウィングNATURALを削ります。
こちらはパーフェクトペンシルUFOにセットで付いていたもので、デザインが秀逸。ただ置いておくだけでも絵になるシャープナー。
デザイン的に保持面積が6つのシャープナーの中では一番狭く、それが災いして長いブラックウィングを削るとなった場合、力が込めにくく非常に使いにくいと感じました。
こちらもフェルールのない通常の鉛筆の方が運用に向いていると感じます。
この中では唯一の卓上シャープナーである、エル・カスコのM430-CNで旧タイプのパロミノブラックウィングを削ります。
シャープナーとしてはもはや別格のエル・カスコですが、ロングポイントな設定で削ると中世の槍のようになります。
エル・カスコに削られた後の鉛筆の先は真っ直ぐではなく反っていて、芯の露出も高くなります。
この削りあがりが素晴らしく美しいのですが、ブレードで削るのではなくローラーで削るため削り面はザラザラになってしまうのが玉に瑕。
最後はブラックウィングから登場した「ONE-STEP SHARPENER」をレビューしていきましょう。
オールブラックのパッケージ(というより化粧箱)もしっかりとした造り。
化粧箱を引き出すと黒いスポンジに包まれたONE-STEP SHARPENERが姿を現します。
サイズ感は結構大きめ。
ギリギリ携帯できるサイズでしょうか。サイズが大きいと言うことは保持力がアップするということ。
梨地仕上げの本体にグロス加工の「BLACKWING®」が映えます。
素材は堅牢かつ軽量なアルミニウム製。
他のポケットシャープナーとのサイズ比較です。
マチのある深めのペンケース以外は入らないだろうというサイズ感。
ブラックウィングPEARLを削ります。
大きめのサイズ、リング部分のローレットが作用して非常に快適な削り心地です。
削っている時の音の小ささからも精密に作られていることが確認できます。
本体が大きめなのは削りカスを溜められるタンクを保有しているため。
六角形のボディには新品の鉛筆約3回分の削りカスを溜めることができます。
ローレット部分を回して外し、ブレードユニットを持ち上げると中の削りカスにアクセスできます。
スペック上は3回分ですが以外と溜め込めるんですよね。
パーツは3つ。ボディ、ブレードユニット、ローレット付きのキャップです。
3つに分解できる時点で他のポケットシャープナーとは別物だということが覗えますね。
そしてこのONE-STEP SHARPENERの一番のたまらんポイントが、削った後の鉛筆のシルエット。
上がエル・カスコ、下がONE-STEP SHARPENER。
どちらも削りあがりが反っていることが分かります。これはブレードが軽く湾曲しているため。
エル・カスコの反った仕上がりとブレード式ポケットシャープナーの美しい削り上がりのいいとこ取り!
私からすれば「携帯できるエル・カスコ」といった夢のような削り上がりです。
美しすぎる!コレは良いものだ!
欲を言えばもう少しサイズが小さくて削りカスタンクのないバージョンも欲しいところ。
もちろん削りあがりはそのままになるよう湾曲したブレードを搭載したモデルで…。
今回は6つのシャープナーで削り比べをしてみましたが、削りやすさと仕上がりの結果からブラックウィングで使うのであれば、エル・カスコ(※卓上ですが…)、DUX(リング&ヴァリアブル)、ONE-STEP SHARPENERの3つが適していると感じました。
さて、今回も長い記事になりましたが、ブラックウィングの魅力は感じて頂けたでしょうか。
社会人になると鉛筆を使う機会が少なくなりますが、社会人でも使いたくなる鉛筆、子供に使わせたい鉛筆でいうと間違いなくブラックウィングは上位候補に上がってくるのではないでしょうか。
魅力的なアクセサリーも多数展開されているブラックウィングから今後も目が離せません。
大人の魅力を放つお洒落なペンシルを一本、ペンケースに忍ばせてみてはいかがでしょう。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ブラックウィングの前回の比較記事はこちら↓
今回紹介したブラックウィングの日本公式WEBSHOPサイトはこちら↓
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