【保存版】カランダッシュ エクリドール の各年代における仕様の違いと考察
前回に引き続き今回もカランダッシュの記事です。
カランダッシュとの付き合いはこのブログを立ち上げた頃からになりますので、もうかれこれ3年半くらいでしょうか。
まだカランダッシュを十分に語る程には至りませんが、849に始まりエクリドールに入り、バリアスを持ったところでまた再度エクリドールに戻るという、長い時間をかけて他の沼にも浸かりながらカランダッシュ沼をうろうろしているわけです。
と言ってもエクリドールの記事は過去にやっていませんので今回が初めてなのですが…。
ということで、今回のレポートは「カランダッシュ エクリドール ボールペン」の年代による違いについてです。
エクリドール自体1947年に歴史をスタート(販売は1953年)していますので、もう73年ほど経っています。
それだけ長い年月をかけて発売が続いているシリーズですので、バリエーションはあって然りといったところでしょうか。
私自身、エクリドールデビューしたのは数年前に発売されたサマーリミテッドエディション(復刻版)のベネシアンでした。
購入当時はレジン製の筆記具について色々調べている時期でしたが、ベネシアンのあまりの美しさに惚れてうっかり買ってしまったという経緯があります。
しばらく愛用のロールペンケースの中にいたのですが、使用頻度が低くなり手元を去ることとなりました。
何故その時ベネシアンの使用頻度が減ったかというと、ペン先の視認性の問題があったからです。
手元にあったベネシアンはノックボタンに「CdA」刻印のある一世代前のモデル。
軸はものすごく綺麗だったのですが、ペン先のカットがどうもしっくりこなかった。
と言うと、ペン先から出るリフィルが 自分が書きやすいと感じる間隔より数ミリ短かったため使いにくく感じたのです。
しかしその後、再度手にしたエクリドール(シェブロンの1970年代)はペン先のカット(と言うよりペン先の金属の厚み)がしっくりくる個体で、筆記時のペン先の視認性も満足のいくものでした。
その時、エクリドールは年代によるバリエーション(仕様の変化)があるのではないかと考え今に至るわけです。
コツコツと各年代のエクリドールを増やし、おそらく一通り揃ったかと思うので満を持してレポートをしていきたいと思います。
それでは長い記事になりますが、見ていきましょう!
【大きく分けて前期型・後期型】
手元にある6本のエクリドール。
これを、「基本デザインと書き味」をもとに分けるとしたら、前期型と後期型に大きく2分されるのではないかと考えます。※ここでいう基本デザインとは、柄ではなく「クリップ形状」「ノックボタン」「軸の仕上げやコーティング」の事。
個人的に 初めて手にしたベネシアンを売却するに至った「書き味」というのは非常に重要と感じ、前期後期の判別条件に入れましたが、人によってはノックボタンのデザインで見分けているという人もいるかと。
(ノックボタンで分ける場合は大きく3分ですが)
前期型の特徴として、クリップ形状がストレートでロング・ペン先の厚みが薄い。
後期型の特徴として、クリップ形状が反っていてショート・ペン先の厚みが厚い。
という形で2分してみますが、移行期については特徴が混ざっている場合もありますのでそのあたりはご愛嬌ということで。
まずはクリップの形状の違いにつて。
これはかなり一般的ですが、前期型のストレートなロングクリップ。
年代でいくとざっくり1960年代後半~1990年代末期くらいまででしょうか。
このロングクリップは1969年発売の849シリーズに派生して現在にも続いていますが、エクリドールは1997年頃に発売された1953年発売当初の復刻版であるショートクリップの50thアニバーサリーモデルを堺に、以降モデルからショートクリップへとモデルチェンジされています。
▲前期型のロングクリップを横から見たところ
そして、このロングクリップも細かく見ていくと仕様変更がみられる箇所があるのです。
クリップ自体の形状を見ていきます。
2本の前期型エクリドールのクリップを見比べてみると、同じロングでも長さの違いがあることに気付きます。
しかもこのシェブロン、柄の向きが逆ですね。
前期型の前期(ややこしい!)のクリップ全長は37mm、前期型の後期は40mm。
クリップの先も、前前期が丸、前後期が角です。
クリップ先の造りも実は違っていて、
前前期は矢印の両側を内側に曲げたような造り、前後期は軸に触れる部分に面があり少し凝った造りをしています。これは素直に造形が進化したと言えますね。
一見、クリップは年代を追うごとに短くなったのではとも思えますが、1997年頃に発売された短いクリップのモデルが初代の復刻版ということになると、エクリドールのクリップは「短→長→短」と変化したと考えることができます。
前後期のクリップ上の「CdA」ロゴも近代エクリドールに向かう前のモデルの特徴です。
一方、後期型のショートクリップはクリップの先が反っていて現行品にも見られる優美な形状をしています。
クリップの真ん中を堺にして両側に傾斜がかけてあるのも立体感と美しさにおいてのポイント。
▲奥がエクリドール「マヤ」、手前が849「ネスプレッソ」
今やエクリドールと言ったらこの反ったクリップ形状でしょう。
このショートクリップが849との違いにもなっています。
ちなみにクリップと軸をつなぐ部分であるクリップベースの刻印は「CLIP METAL」(金属)。
前期型の初期モデルのクリップベースの刻印は「CLIP ACIER」(鋼)。
この「CLIP ACIER」のついたモデルは軸本体のコーティングも特殊で青みがかっているように感じます。
続いて「書き味」という点で前期型と後期型を見ていきます。
これは見たままなのですが、前期型はペン先の金属の厚みが薄く、後期型は厚みがあります。
写真では微妙な違いなのですが、実際書くとなると大きくその使いやすさは変わってきます(私だけならすいません…!)
もともと伯爵コレクションのような、ペン先が細く ペンポイント辺りが開けた筆記具ばかり使っているからかも知れませんが、太めのペン先からちょっとだけ出るリフィルというのが使いにくく感じるわけです。
しかし久しぶりに使ってみる太めのペン先(近年のモデル)も意外と悪くないですね…。
何でしょう、エクリドール愛が深まったからでしょうか。
以前ほどペン先が気にならない事に気付きました。
このように、エクリドールはクリップ形状で大きく前期と後期に分けることができます。
たまに849のような挟み込み式のクリップがついたエクリドール?を見かけることがありますが、もしかすると更に前の世代のモデルなのかも知れませんね。
【エクリドールの各年代における仕様の違い~新旧のレトロを比較~】
私が持つ6本の中で、まさにデザインの変化を調べるキッカケとなったモデルがこの「レトロ」。
おそらくですが、特徴から1990年代後半に発売された初代の復刻モデルではないかと。
(もしかしたら初代モデル?の可能性もありますが、情報がないため不明)
このレトロは所有満足感を最も満たしてくれる一本で、出番が非常に多いです。
クリップには仏語の刻印「CARAN D’ACHE / FABRICATION SUISSE」(カランダッシュ / スイス製)。
クリップに刻印が刻まれていること自体 他の筆記具に見ても希ですが、これがあるだけでシンプルなエクリドールの情報量が増し、精密感も上がります。
これは初期モデルと復刻モデルの特徴で、刻印と短いクリップ形状は初期モデルの再現。
この復刻モデル以降、このクリップ形状が後のエクリドールに引き継がれることになります。
レトロにおいて、復刻モデルと近年のモデルの違いは前項で書いたペン先に加え、このクリップ刻印、ノックボタンの刻印、軸の模様の彫りの深さ、あとは個人的に目が向くのが尻軸のエッジです。
まず、レトロはシンプルな網目模様なのですが、見る角度によって三角形の柄が浮かび上がるようになっています。これは彫りの角度が変えてあることによる光の当たり具合の変化に見られるものです。
復刻レトロは彫りが深く角度によってこの三角形がクッキリと浮き出ます。一方右側のレトロは堀が浅く柄が目立ちません。
完全なる個体差か、年代による仕様の変化か、はたまた偽物なのか…。分かりませんがかなりの違いがあります。(カランダッシュの偽物は聞いたことないですが、この右側のレトロは色々と造りが甘いです)
ノックボタンの年代による違いは後でやるとして、個人的に気になる尻軸のエッジです。
左の復刻レトロに見られる尻軸のエッジ。
エクリドールや849といった六角軸の尻軸は斜めにカットされたデザインをしているのですが、そのエッジが立っているのが初期型にみられる特徴。
手元にあるエクリドールではストレートクリップの前期型にも同じ特徴がみられました。
右の近代エクリドールはエッジが滑らかに仕上げられています。
これは完全に好みの問題なのですが、私はエッジが立っている方が格好良く感じます。
皆さんはいかがでしょうか?
(ちなみに右のレトロのノックボタン上面にはよく分からないマークが着いています。企業ロゴかと思って調べましたがヒットしませんでした…。謎)
・ノックボタン側面の刻印
さて、エクリドールレトロの新旧モデルを比較しましたが、各製造年代におけるエクリドールの違いの一番分かりやすい部分として「ノックボタンの刻印」が挙げられます。
ノックボタン側面の刻印から見ていきましょう。
1970年代~1990年代モデルのノックボタン側面の刻印は「CARAN D’ACHE + SWISS MADE +」となっていて、字体も彫ってあるだけのシンプルなもの。
過去のデザインではありますが、この刻印のモデルは製造年数も長くかなり見かけることができるので、もしかしすると皆さんのお手元にもあるかも知れませんね。
2000年代に入るとシンプルなメーカー名刻印から、飾り字の豪華なフォントへと変わっていきます。
飾り字フォントにも2種類の存在を確認することができます。
左が2009年頃まで発売されていた「マヤ」、右は2010年以降の「レトロ」です。
小さな変更点ではありますが、「CARAN d’ACHE」の前後文字のCとEの間に2行で「SWISS MADE」という製造国の刻印があるものとないもの。
「SWISS MADE」が無い方が旧モデル、ある方が新モデル(現行に続く)となります。
さらに、「SWISS MADE」がある方にも2種類あり、メーカー名ロゴが「CARAN d’ACHE」と「CARAN D’ACHE」(Dが小文字か大文字か)のもの。
こちらは小文字(CARAN d’ACHE)が旧モデル、大文字(CARAN D’ACHE)が新モデルです。
ついでにこの「SWISS MADE」が無い飾り字フォントの場合、「SWISS MADE」はノックボタンを外した状態の軸に隠れる位置に刻まれています。
・ノックボタン天面のロゴ
ノックボタン天面ロゴも年代によって特徴があり、大きく分けて3種類。
前項の「CARAN D’ACHE + SWISS MADE +」の刻印の天面は無地のものがベースで、場合により企業ロゴが入っていることがあります。
6本のエクリドールのノックボタン天面を並べてみました。
左から右に行くにつれて年代は新しくなります。
左から2本はシェブロンで、2本目はバイエルの企業ロゴが入っています。
※BAYER(バイエル)はドイツの大手医薬品メーカー
真ん中の2本は現行の一つ前のロゴ「CdA」。
赤い色彩が施されコーティングされているものが1997年頃の初代復刻モデル。それ以降は「CdA」は刻印に変わりシルバー一色となっています。
右の2本について。
ラインに波線の赤いロゴはおそらく企業ロゴ?と推測されます。
エクリドールの企業ロゴは、ノックボタン天面に入るか軸側のネームスペースに入るかどちらかです。
そして一番右は現行(2020年現在)のエクリドールに見られる「ペンシルロゴ」。
非常にシンプルで良いのですが、こちらについては賛否量論でこのロゴになってから旧の「CdA」ロゴを探し求める方も増えています。
このようにノックボタンの種類は企業ロゴや短期間モデルといったバリエーションこそあるものの、大きく分けて「無地」「CdA」「ペンシルロゴ」の3種類となります。
クリップとノックボタンの関係がこちら。
どのメーカーのどのモデルもそうですが、マイナーチェンジする際は変更前と変更後の仕様が混在する期間があります。
エクリドールも例外ではなく、仏語刻印の入ったクリップの上に「CdA」ロゴ刻印があったりとバリエーションは様々です。
気に入った仕様のエクリドールを見つけ出すのもカランダッシュの楽しみ方かも知れません。
【エクリドールはどの年代のものを買うべきか】
ここまで見てきた通り、エクリドールには年代による様々な仕様の変更点があり、自分にとってどのモデルが合うのか迷うと思います。
まず直感的に持ちたい軸のデザインがどれなのかという事が選ぶ基準として一番ではないかと思いますが、軸の柄以外のデザインで見ると、前期型の長いクリップなのか後期型の短いクリップなのか。ここは見た目に大きく影響します。
あとはノックボタンのロゴでしょうか。
また、各部デザインの好み以外で重要な要素が、操作感・書きやすさであることは間違いありません。
エクリドールの素晴らしい点として、ノック音の静かさと押し心地があります。
これは前回書いたバリアスの記事でも触れていますが、エクリドールはじめカランダッシュのノック音はとにかく静かでブレがない。
言うなれば胴軸は一本の金属筒。そこにノックボタンを含むリフィル繰り出しユニットが装着されているのみで、エクリドールのパーツ構成は金属軸、ノックボタン、バネ、リフィルの4つのみという潔さ。
この継ぎ目のない構造とノック機構が、カランダッシュ独自のノック感を実現していると言えます。
各年代のノックボタンを取り外すと昔から全く変わっていない事が分かります。
しかし微妙にですが、近代のエクリドールより2000年代以前のエクリドールの方がノック音が静かで滑らかなのです。
写真の右から2番目のレトロはノック機構の樹脂がグレーでノック音はこの中で一番大きく、一番左の前期型モデルのシェブロンが一番ノック音が小さい。
個体差もあるとは思いますが、手元にある6本のエクリドールは旧モデル(特に前期型)になるほどノック音が小さく押し心地が滑らかです。
私個人で言うと、6本のエクリドールでベストな1本はクリップに仏語刻印のある復刻モデル。
ショートクリップとノックボタン天面に赤いCdAロゴ、ノックボタンの押し心地も申し分なく、ノック音はこの中で2番目に静か。
さらにパラジウムコーティングされていないモデルのため、グリップ感も良好でオフホワイトの輝きも美しい。
加えてペン先の金属厚も薄く文字の視認性も抜群です。
(しかし一番好きな柄はマヤなんですけどね…)
このように自分にとってベストなエクリドールは操作もストレスフリーで勉強や仕事も楽しくさせてくれます。
皆さんのお好みのエクリドールはどの仕様のものでしょうか。
さらに、特別な人へエクリドールをプレゼントする際「名入れも」重要な要素。
エクリドールは製造年代や仕様によってネームを刻印するスペースの広さに違いがあります。
一般的なのがクリップと対面の尻軸辺りのネームスペース。
スペースの長さは15mm。
手元にある最前期のシェブロンのネームスペースは10mmと短く、逆に復刻モデルのレトロはクリップ対面の背中辺りに41mmの広めなネームスペースが設けてあります。
ただこれは製造年代による仕様の変化なのか、ネームスペースにおけるバージョン違いなのか定かではありません。
最近のモデルの「エクリドール バリエーション」のようにネームスペース自体がないモデルも存在します。もしかするとクリップに刻印してもらえるのかも知れませんが…。
ネーム入れを考えている方はこの辺も注意が必要そうです。
【年代による違いまとめ】
さて、今回はエクリドールの年代によるバリエーションを色々と見てきましたが、項目やチェック箇所も多岐に渡りますのでここでまとめておきたいと思います。
手元の6本のエクリドールの年代別特徴です。
右へ行くほど新しいモデルとなります。
クリップの形状から大きく分けて前期型と後期型がありました。
クリップ上に「CdA」ロゴのあるモデルは前期後半~中期モデル。
ノックボタン側面の刻印はシンプルな文字の刻印から豪華な装飾文字の刻印へ。
ペン先の金属の厚みも前期~中期は薄め、後期~現行は厚めとなっていました。
ノックボタン天面は大きく分けて3種類でした。
旧モデルの中にはノックボタン天面や軸に企業ロゴがあるものも存在します。
前期型はシルバープレート(パラジウムコーティングされていないもの)もあり、硫化で変色するものの適度なグリップ感と味わい深いシルバーの輝きを愉しむことができます。
現行モデルは一部の特殊なシルバー925モデル以外はすべてパラジウムコーティングされています。
※上の写真の一番左のシェブロンみ青っぽい色をしていてどのような表面処理なのか謎
ネームスペースは確認できているもので3種類。
尻軸に10mmのタイプと15mmのタイプ、背中に41mmのタイプ、そしてスペース無しのタイプ(これは軸デザインによって有無が分かれそう)。
ジュエリーで美しい軸のデザインとコンパクトなサイズ、多様なバリエーションを持つ「カランダッシュ エクリドール」。
学生から社会人まで根強いファンの多い当筆記具ですが、その理由が分かった気がします。
ゴリアット芯の書きやすさ、一体型六角軸の握りやすさ、所有満足感をくすぐるオール金属の適度な重み、コレクタブルな軸のバリエーション、そして15000円程のリーズナブルな価格(※ボールペン/ペンシル)など、金属筆記具好きのすべてが詰まったようなエクリドール。
特殊なモデルを除き中古価格も6000円~9000円と安定しており球数も多いので、お気に入りの一本も見つけやすいかと思います。ぜひペンケースに加えてみては如何でしょう。
それでは今回はこの辺で。
大変長い記事になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。
ディスカッション
コメント一覧
大変わかりやすい解説ありがとうございます。
写真で見るとエクリドールの美しさに惹かれる一方、滑りやすいかも?
と心配になり、ネットでの購入に躊躇していました。
ベネシアンの美しさに惹かれていましたが、店頭で見かけることがなく、
持った感じを確かめることができず、ずっと購入を迷っていました。
先日、未開封で長期保管のため軸の一部が黒くくすんだ新品を偶然に発見し
即購入、このブログでおすすめのサンエーパールで磨くと一瞬で銀本来の輝きを取り戻しました。
ノックボタンが無地なのでいつ頃のものかわからなかったのですが
このブログで70年代ものとわかりました。
約50年ほど前の新品を開封したのがわかり感無量ですが
50年前の新品とわかっていたらそのまま丁寧に保存していたかもしれないとも思いました。
今後ともブログの継続をお願いいたします。
文書のトーン、豊富な写真、更新を楽しみにしています。
bonejiveさん
コメントありがとうございます。
また、このような嬉しいコメントを頂けて光栄です。
記事は一定のペースで更新を続けて開始から4年余りとなりますが、誰かの役に立っているという実感が持てて嬉しく思います。
これからもマイペースに更新していきますので、変わらぬご愛読を賜りますようよろしくお願い致します。
さて、bonejiveさんが手にされた70年代のベネシアン、まさに「書ける工芸品」でカランダッシュファン(しいては筆記具ファン)の方にはぜひ使っていただきたい逸品だと思っています。
未開封だったとのことですが、私はbonejiveさんの開封の選択は正しいと思っています。やはり筆記具は書く道具。人に使われないことには筆記具本来の美しさはないと考えています。
コレクターの方はたくさんいらっしゃいますので保管はその方々にお任せして、長年使われずに眠っていたベネシアンをぜひ相棒としてたくさん使ってあげてください。
私も明日またエクリドールを使うのが楽しみです。
たにけん様
こんにちは。お邪魔致します。
家で見つかった大昔のエクリドールボールペンについて調べてもわかりませんでしたので、詳細を描写し多数の写真も添えてスイス本社に問い合わせたのですが、カスタマーセンターの担当者にあまりにも知識がないのか、驚いたことに『2016年以前製造のベネシアンというモデル』という回答だけでお話になりませんでした。
改めて必死でググっていたところ、運良くたにけん様のブログに辿り着きました。たにけん様は本社よりずっと精通していらっしゃるので感銘を受けました。
ご多忙のところ大変恐縮ですが、たにけん様がお持ちの知識をもって以下の特徴からそのペンがいつ頃のものか推測して頂くことは可能でしょうか?
ご返信前に大変失礼とは存じながら、とりあえず当該品に関する情報を一応記させて頂きます。
エクリドール ベネシアン金張り
❶ペン全長 約128mm(ノックしないとき)
❷クリップ全長 約37mm
❸クリップベースの刻印「CLIP ACIER」
❹ノックボタン天面 : 刻印なし
❺ノックボタン側面の刻印 :
CARAN D’ACHE
SWISS
GOLD PLATED,,G,,
(,,G,,に引き続き)ロゴ
(紋章型クレストの中に斜めにCDAの文字)
これはCDA旧ロゴでしょうか?
●,,G,,の意味が分かりません。
●たにけん様がブログに書いておられた1970〜80年代の「+」記号は全くありません。
(刻印》CARAN D’ACHE SWISS GOLD PLATED,,G,, ロゴ
●1970年以前の製造ということでしょうか?
●エクリドールシリーズはいつ製造が始まったのでしょうか?
所有者は明治30年代生まれですが、一体いつ頃このペンが本人に贈られたのかは不明です。気が付けば昔から家にあります。
何とか手掛かりを得られればと存じますのでどうぞお力添え下さい。
●金メッキについて
長年使用し摩耗しているでしょうが、メッキが剥げてくる気配もなく今でもキラキラきれいです。かなり厚めにかけられているのでしょうか?何ミクロンとかご存知でしたらお教え下さいますか?また数十年間一度もお手入れをしたことがないので金メッキバージョンのお手入れの方法もご存知でしたらアドバイスを頂ければ助かります。
どうぞ宜しくお願い致します!
たけさん
コメントありがとうございます。
エクリドールベネシアンのゴールドプレートに関するご質問と詳細な情報拝見しました。
と同時に、エクリドールの中では唯一持ち合わせていない「ゴールドプレートモデル」について俄然興味が湧いた次第です。
ううむ、ゴールドプレート欲しくなっちゃうじゃないですか…!(笑)
さておき、確かに仰っている刻印の,,G,, ロゴの意味は気になるところですね。
ここからは完全に考察となりますので、ご参考程度に読んでいただければと思います。
まず、エクリドールの発売開始は1953年とされています。
発売当初はペンシルのみでのラインナップでしたので、ボールペンとして発売されたのは後のことです。
さて、お手元のベネシアンゴールドプレートですがノックボタン側面の刻印は上下にラインが入ったものでしょうか。
80~90年代にかけて販売(もしくは贈答)されたとされる同じノックボタン刻印(,,G,,含む)のゴールドプレートモデル(ベネシアンではなくグレンドージュ)を見たことがありますので、今こそ少ないゴールドプレートモデルですが過去には定期的にラインナップされていたものと思われます。
(ちなみにそのグレンドージュには「YAMAICHI(SWITZERLAND).LTD」の刻印があったことから、旧:山一証券のスイス支店開業記念品?であることが推測され、80年代末~90年代初頭のものと判断)
ただ、その「G」刻印が持つ意味というのは不明で、おそらくそのままですが「GOLD」の頭文字か、もしくはゴールドプレートのモデル名を表す「コード」だと推測します。
そして、クレストの中に斜めCdAのロゴですが、イメージとしてはヘクサゴナルコレクションのバリエーションに近いですね。
90年代のエクリドールには無いロゴのバリエーションですが、クリップ長やノックボタン刻印の特徴からエクリドールであることは間違いありません。
クリップの長さが13㎜ということは、おそらくクリップの先は面が無いタイプのもの(矢印の頭の左右を内側に曲げたもの)ではないでしょうか。
上記の特徴とグレンドージュゴールドプレートモデルの例やクリップベースの刻印が「METAL」ではなく「ACIER」であることから、製造年代は80年代のものである可能性が高いです。
※記事中のクロームプレートのシェブロンも発売は70~80年代ではなく80年代の可能性あり
まだまだ過去モデルについては謎が多いエクリドールですが、手元のモデルへの疑問をきっかけに色々過去を紐解いていくといずれ答えが出てくるかも知れません。
最後に、エクリドールゴールドプレートは18金張りで10ミクロンの厚みとなっています。(厚みはシルバープレートと同等)
手入れは銀磨きと同じで「クロスを使用する」で良いと思いますが、厚みがあると言えどなにぶんメッキ加工であるには変わりないため 力を入れてゴシゴシではなく優しく撫でるように拭いてあげてください。
ご参考になれば幸いです。
素晴らしい考察をありがとうございます。
私はエクリドールを現在以下所有しています。
・XS ボールペン 2000年? アルルカン(浅彫) ショートクリップ刻印 ノック無刻印 ペン先薄
・ノーマル シャープペンシル0.7 2020年? レトロパターン(浅浅彫) ショートクリップ無刻印 ノックCdA
過去には ゴールドエクリドール ロングクリップ リーニェと 太いローラーボールを所有
少し沼な疑問を、、、。
この2本はサイズも違うから無謀な比較と思うのですが
軸の径が違うように感じます。ノギスにシャープ入れてから固定するとXSボールペンは入らないのです。
つまり XSボールペンの方が太いのです。
20年の間に細くなっているのではないかと思っています。
太いXSのほうが好みなのです。フルサイズでも古いと太い事は考えられますか?
XSも持たれているのでもし知見お持ちでしたら教えて頂きたく。。。
Blancpainさん
コメントありがとうございます。
エクリドールXSとノーマルモデルの軸径の違いについてですが、私の手元に現在3本のXSがありますので早速調べてみました。
手元にあるエクリドールは下記です。
【エクリドールXS】
・ショートクリップ(仏字刻印あり) アルルカン MP
・ショートクリップ マヤ BP
・ショートクリップ(仏字刻印あり) リーニェ BP
【エクリドール 芯ホルダー】
・スクエア(2mm芯)
【エクリドール(ノーマルサイズ)】※すべてBP
・ロングクリップ(旧)シェブロン
・ロングクリップ シェブロン
・ロングクリップ アルルカン
・ロングクリップ リーニェ
・ロングクリップ(旧)べネシアン
・ロングクリップ スイスフラッグ
・ショートクリップ(仏字刻印あり) レトロ×2
・ショートクリップ レトロ
・ショートクリップ マヤ
・ヒュッゲ
・バリエーション(グラスブラスト加工)
・アンモナイト(SV925)
・ヘクサゴナル カーボン(カーボン貼付け)
それぞれの軸径を改めて図ってみたところ、ノーマルタイプ、XSのいずれにおいても8㎜でした。
ただ一つ、ロングクリップの手掘りべネシアンのみ7.6㎜で、他よりも0.4㎜細いという結果。
旧型べネシアンについては、手掘りであることから個体差だと考えます。
エクリドールの全身でもある「ヘクサゴナル」についても軸径8㎜でエクリドールと同じでした。
これらの結果から分かることは、エクリドールとXSは発売から軸径が変わっていない可能性が高いということ。
ペンの仕様自体を変えるとなると、エクリドールや849の場合は大掛かりな「モデルチェンジ」という位置づけになりそうですし、仕様の変更ではなさそうです。
あるとすれば、軸径0.何㎜以下で存在する個体差ではないかと思います。
ただ、XSについては私の手元に3本ということで、Blancpainさんがお持ちのXSが違うバリエーションという可能性もあります。
結論は出せませんが、XSはまだまだ調べていく必要がありそうですね。
たにけん様
ご多忙のところご親切にいろいろ教えて下さり感謝致します。
幾つかお伝えし忘れていた点がありましたね。写真が添付できないので不便です。
(1)ノックボタン側面の刻印上下にラインは入っていません。
文字も、ラインがある時期のように大きくデザイン性のあるものではありません。
(2)文字のタイプ・サイズは70-80年代のものとほぼ同じです。
ごくシンプルで細く小さいです。
(3)70-80年代の刻印との違いをまとめますと
①「+」なし
②SWISS MADE ではなくSWISSのみ
③,,G,, と CDA旧ロゴ
(4)西洋の紋章のような「盾」型ロゴの中にはCDAの文字が盾の左上から右下にかけて斜めにレイアウトされています。
(5)ロゴ内の「CDA」は、Dも含め全て大文字です。
⭐️まずはこのロゴが使用された時期を知ることが、当該ペンの製造販売時期を突き止める手掛かりになると考えております。
もし先でこの点について情報を得られましたらご一報頂ければ助かります。
(6)クリップはヘッドの左右を内側に曲げ込んたタイプで、たにけん様のブログ掲載写真(左)と全く同様です。
(7)80年代の時点では、ペンの存在を意識することがないくらい既に長く家にあったような印象ですが…
所有者の年齢からも、80年代に贈られたとは考えにくいです…
(8)銀・銅製品を研磨剤を含むクリーナーで磨いて細かいキズを付けることになってしまったことがあります。その銀製品を手放した後、(研磨剤で削り落とすのではなく)化学反応で変色を戻す方法があることを知りました。
金メッキでも同様の化学的方法を探しております。ルーペで見ても新たな小キズがない状態に仕上げたいのです。
(9)18金張りで10ミクロンですか。さすがによくご存知ですね。10ミクロンというのは厚めなのでしょうか?例えばハイブランドのアクセサリーと比較するとどうなんでしょうね?
このペンは長年家にあり見慣れ過ぎて何とも思っていなかったのですが、初めて何気なくふと見てみたところきれいな彫りがあるではありませんか(それさえ気付いていませんでした(笑)!タダモノではなさそうな気配でしたので刻印も調べ始めた次第です(笑)。
たにけん様のブログを拝見してこのシリーズの奥深さに興味を抱き、何とか我が家のペンのルーツを知りたいと思うようになりました。親が捨ててしまわないよう隔離しました(笑)。
あいにくネット上では未だに全く同じモデルの画像さえ見つからないので、たにけん様におすがりするよりありません。
引き続きアンテナを張り巡らして是非お知恵をお貸し頂ければ幸いです!
どうぞ宜しくお願い致します。
私の持っている2012年に500セット限定で販売されたカランダッシュエクリドールのディストリクトというペンがあるのですがノック部側面のCARAN d’ACHEの前後文字のCとEの間に2行でSWISS MADEと入ってないんですよね
このサイトでは2010年以降は入っていると書いてあるのですが何か違うのでしょうか?
よろしければ教えて下さい
エクリールさん
コメントありがとうございます。
そして、お持ちの限定モデル「ディストリクト」の情報共有ありがとうございます。
ディストリクトのノックボタンを外した部分(胴軸内に隠れる部分)に「SWISS MADE」の刻印はありますでしょうか?
もし無ければ新たなパターンの発見かも知れません。
2012年発売のディストリクトに刻印があるはずの「2列になったSWISS MADE」が無い理由として以下が想像できます。
1.限定モデルの仕様
2.限定モデルの企画・製造の時期が2010年前後で、一般モデルの企画・製造時期と混在しており「SWISS MADE」位置の違いが生じている
ちなみに記事中のレトロがなぜ2010年のモデルかというと、ノックボタンに企業ロゴ(?)がある状態で保証書の記入日が2010年であることから製造~贈答も2010年頃ではないかという判断です。
ただこれも私自身が贈答されたものではないため、実はこのレトロは2012年以降の製造で、オーナーが変わっていく過程で別のレトロの保証書が入れ替わった。という仮説も立てられます。
私も手持ちのエクリドールをもとに調査を行っているのみですので、決して答えを知っているわけではありませんが、考えられるとすれば上記のような理由でしょうか。
エクリールさんも手元のエクリドールと他オーナーの情報を照らし合わせながら、色々考察してみると楽しいかと思います。
たにけん様
エクリドールの製造時期を調べるためにサイトを巡るうちにこちらのブログに辿り着きました。
Montblanc、Pelikan、PARKERならば海外等に情報も多いのですが、エクリドールについてはもしかしたらこのブログが一番情報量が多いかもしれません。
私の手元にある5年ほど前に忘れ物市で入手したエクリドールのゴールドプレートですが、
以下のような構成となっております。
1)本体柄はミラネーゼ のように見えます。
2)ノックボタン側面の刻印は「CARAN D’ACHE SWISS GOLD PLATED,,G,,”盾の中にCDA”」で、
Cが逆コの字、Sが7セグ(電卓のような表示)の5のような角ばった字体。
3)ノックボタンの刻印の上下にラインがあり、天面は無刻印。
4)クリップベースの刻印は「CLIP METAL」。上寄りについていて、クリップ上の「CdA」ロゴなし。
5)クリップ長40mmで先端は角型。
6)ネームスペースは10mm
検索していたら、先ほど細部の特徴の一致したモデルの情報が以下のリンクにありました。
私の物はもっと傷だらけですが…
https://www.kingdomnote.com/item/3717012350197
上記ページに当時の定価の記載があり、消費税5%時代の商品と推測されますが、
今度はグレンドージュとは「柄」も含めた商品名なのか?という疑問が出てきました。
keiz80さん
コメントありがとうございます。
お手持ちのエクリドール ゴールドプレートは「グレンドージュ」ですね。
お察しの通り、柄=商品名となっています。(レトロ、マヤ、シェブロン他と同じように)
グレンドージュはフランス語で「大麦の粒」を表し、彫刻されている粒がそのように見えることからその名が付いています。
今は廃番となった柄ですが、人気があり、シェブロンのような飽きの来ないシンプルな柄はグリップ感も含めて良好だと聞きます。
特にシルバー925モデルは複雑に彫られた溝が硫化で黒くなる様が美しくアンモナイトに並ぶ人気ぶりで、私も手元にはたくさんのエクリドールがありますが 今でも手に入れたい1本なのです。
クレストに「CdA」刻印の入ったものは結構 稀なようで、あまり見かけません。
それこそ同じグレンドージュでも、製造年代や軸の仕上げによってバリエーションがあるようですし、色々調べてみられるのも楽しいかと思います。
ちなみにクレストが付くエクリドールの製造年代は1970年代かそれ以前のものと思われます。
(他の読者様のコメントにもクレスト入りの個体がありました)
小傷が多いとのことですが、それだけ大切にしっかり道具として使われてきた個体だと思います。
是非大切になさってください。
たにけん様
早速のお返事ありがとうございます。
今では貴重なものであることを教えていただき、ありがとうございます。
入手した当時は同時購入した「Tiffany T-clipスターリングシルバーボールペン」の方が高かったので、
このグレンドージュは家人がペン立てに乱雑に入れていましたが、それくらいでは何ともないようで、実用筆記具としても、とても優秀なものとよくわかります。
同柄のスターリングシルバーもあるとのことですが、是非いつか入手したいものです。
今ebay見たらネーム入りで4万円…
ビンテージのデッドストック品もいいのですが、古い中古品の使い込まれたが故の感じもたしかにいいものですね。このグレンドージュにはありませんが、ネームの刻印も気にしない私はかなり少数派かもしれませんが。
銀の筆記具はいいですよね、エクリドールでたまに滑りにくい柄が話題になることがありますが、
パラジウムコートされていない銀メッキ・銀張なら、鏡面処理スムースでも滑らないはずなのに。
シルバープレート・銀軸の筆記具はいぶし銀になることも含めて魅力と思いますので、私も硫化防止めっき処理のされてない時代のエクリドールや伯爵コレクションシリーズを探しています。高い場合が多く、なかなか手が出ませんが。
クラシックセンチュリーを好みの黒光りにするまで、磨いて黒くなるのを待つを何度も繰り返し、10年以上かかりましたから、大変ですけれど。
いつかSV800の銀軸エクリドールを入手したいものです。(古い銀無垢エクリドールはシルバー800がメインらしく、”Sterling Silver”でいくら検索しても出てこない)
ブログ楽しく読んでました
自分の持っているエクリドールのベネシアン?らしき柄が不明です
クリップとキャップから前期型です
ベネシアンの波波では無く、四角くノミで削った様なランダムな柄です
手彫りだったりするので個体差なのでしょうか?
もんさん
コメントありがとうございます。
また、ご愛読頂きありがとうございます。
べネシアンに似た柄のエクリドールをお持ちということで、仰られる特徴から それは「フローレンティン」で間違いないかと思います。
久しく見ていないのですが、べネシアンよりもパターンが大きいのが特徴です。
べネシアンがベネツィアの穏やかな波を表現しているなら、フローレンティンはフィレンツェの街の優雅な石畳を表現しているのではないかと考えています。
私も昔探していましたが、なかなか見つかりませんでした。
ぜひお大事になさってください!
前期型のクリップということで、おそらく軸の仕上げはシルバープレート。
フローレンティンのバリエーションとしては、後期型クリップのものもあるようです。
(その場合は、おそらくパラジウムコーティングされたものになるかと)
べネシアンと対をなすモデルですので、手掘りの旧型べネシアンとセットで持つのも粋だと思います。
返信ありがとうございます。
柄はフローレンティンでした、長年の謎が分かりスッキリしました。
オークションでも見ないので皆さん離さず大事にしてるんでしょうね、大事にします
比較に初期のベネシアンも探してみます
黒くなるのでシルバープレートです、磨いてはキラキラと輝くペンで悦に浸ってます。
貴重な情報をご提供いただき感謝いたします。
型式の記述について、参考情報を記します。ご活用いただければ幸いです。
当方所蔵のものはノックボタンが全て金属製で、普通に見られる中間の樹脂部分が金属(おそらく真鍮製)です。そのため、ノックボタン自体も2㎜ほど短くなっています。
「前期型の前期」、その前のモデルと思われますが、いかがでしょうか。
なお、クリップその他の特徴は「前期型の前期」におおむね相当します。
タカさん
コメントありがとうございます。
皆さんが参考になる情報共有、ありがとうございます。
お持ちのエクリドールのノック機構、私も見たことがなく珍しいものだと推測します。
仰る通り、前期型の前期型のさらに前のモデルの可能性が高いのではないでしょうか。
もしかすると、エクリドールのボールペンが出始めた頃の物かもしれません。
エクリドール販売開始あたりの芯ホルダーやボールペンが発売開始されたあたりのモデルは情報が少なく、謎に満ちています。
ノックボタンが短くなることでの、ノックストロークの感触が気になるところです。
引き続き、珍しいモデルや情報のシェアをよろしくお願いいたします。
返信、感謝いたします。
ノック機構ですが、ノックボタン内部にバネが入っているらしく、ノックボタン自体で軽い押し・戻しの感触が得られます。
ですので、芯先のバネと併せて、ノック感は機械的でシャキとしています。樹脂と金属の若干こすれた感じとは異なる押し具合です。ストロークも短かく、すっきりした芯の出し入れ(ピストン運動)になります。
別のエクリドールと本品とを両手に持って同時にノックすると、違いが確信されます。
素晴らしい記事を有難うございます。
エクリドールは人気もあり、メジャーなはずですが、あまり年代の違い等を語っているサイトが無いので、調べようと思うとこちらのサイトに必ず立ち寄る事になります。笑
私の持っているシェブロンは、クリップやノックボタン、ペン先の薄さから、こちらのサイトで言う「前期の後期」になりますが、あまり硫化が進まないように感じます(黒っぽくならない)。つまりパラジウムかどうか分かりませんが、何かしらコーティングされているように感じます。
「前期の後期」は何年くらいに製造された物なのでしょうか?
それとやはり銀張じゃなくて、何かコーティングされていると思いますか?
まささん
コメントありがとうございます。
私がエクリドールの調査をしようと思ったきっかけがまさにそれで、国内ではかなかか情報がないように思います。
(詳しい情報が掲載された海外サイトはあるようですが…調べ方がよく分かりません)
皆さんの知識や情報も借りながらのサイトですが、今後も新たな情報を頂きつつアップデートできればと考えています。
さて、まささんが所有されているシェブロン、記事でいうところの「前期の後期型」ということで、硫化が進まない要因は2つかと考えていて、
①コーティングされている
②毎日使っておられる
のどちらかではないかと考えます。
①は、まささんも書かれているとおりで、パラジウムかロジウムのコーティングが施されている可能性。
製造年代はおそらく1970年代の後半~1980年代あたりのものではないかと思われます。
1970年代の物はまだ銀張り(シルバープレート)のものも多く、経年保管で何かしらの硫化が見られるはずです。
まったく黒ずまないということであれば、コーティングの可能性が高いですね。
②はシルバープレートのものであっても、ほぼ毎日使うことで硫化が遅れる場合があります。
これは経験談ですので科学的な根拠があるかと言われると微妙なのですが、硫化の進行については「保管」または「放置」に対して早まると考えています。
シルバープレートのエクリドールをほぼ毎日持ち出して使う場合と、レザーペンケース内保管や書斎のデスク上に放置している状況では、明らかに同じ軸でも毎日持ち出している方が硫化しないのです。
使っている時には感じなかった硫化が、ペンケースに入れ始めて数ヶ月の放置で黒ずんでくる、というケースをたくさん経験してきました。
(エクリドールの場合、硫化は特にペン先から進行するように感じます)
そのため、まささんが硫化しないと感じているシェブロンは実はシルバープレートで、ご使用を控えてペンケース内で長期保管を開始すると黒ずみ始める、という可能性もあります。
年代的にはシルバープレートの軸またはコーティングの軸であるケース、両方ありえるかと思いますので、確認されたい場合は、一度レザーペンケースで数ヶ月休ませて様子を見るのも良いかもですね。
カランダッシュ的にはいつまでも輝きが維持される、コーティング(ロジウムやパラジウム等)の方が良いとされています。
シルバープレートの硫化によるいぶし銀の渋さも良いですし、何にせよエクリドールは楽しい軸に変わりありません。
ぜひ変わらず、長くご愛用なさってください。
それではまた記事で。
たにけんさん、ご丁寧な返信有り難うございます。
1970年代の後半~1980年代でもコーティングされている物があるんですね。
ほぼ毎日使ってます… 数ヶ月放置するのは辛いですが、ハッキリさせたい気持ちもあるので、放置してみようと思います。
そしてもし硫化が進まないようなら、前期の前期でシルバープレートの物を見つけて見ようと思います。
ペン先は薄く、そして燻し銀。この2つは必須と思っています。
これからもエクリドールの記事を楽しみにしています!ではでは。
いつも貴重な情報参考にさせていただいております
手元にあるシェブロン、こちらの記事の前期前期型と前期後期型の中間の特徴を持ったもので
・クリップは40mm
・クリップ上のカランダッシュのマークは無し
・模様の向きは記事中の前期後期型と同じ(クリップ面が上向き三角)
・ネーム入れスペースは10mm
となっています
今後の考察の参考になればと思いコメントさせて頂きました
むつきさん
コメントおよび情報提供ありがとうございます。
お手持ちのシェブロン、まさにクリップ上の「CdA」マークが付く前の、ショートストレートクリップからロングストレートクリップへの移行時期のものでしょうか。
カランダッシュの絶えまぬ試行錯誤が垣間見れてとても興味深いです。
それにしても、シェブロンは柄としての歴史も古いため、色々なバリエーションが見られて飽きないですね。
そういえば、こちらもコメントで頂いた情報なのですが、前期前期型のさらに前のバージョンとして、ノックボタン内部のノック機構が総金属製のものがあるとのこと。
ノック機構の樹脂部分が金属…?と、なかなかイメージし辛かったのですが、数か月前にebayでそのような仕様の個体が出品されているのを見かけました。
こういった情報を頂かなければ細かな部分の仕様の違いも見逃していたと思うと、むつきさんのように情報コメントを頂けるのは非常に有難いです。
またお手持ちのエクリドールが増えた(増えること前提で…笑)際は、ぜひ情報をお寄せいただきたいと思います。
引き続き、当ブログサイトをよろしくお願いいたします。