ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
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くたびれたモンテグラッパミクラの表面を磨いて修繕【モンテグラッパ ミクラ ボールペン レビュー】

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皆さんこんばんは。
 

前回の記事でモンブランのショートサイズボールペン「ボエム」をレポートしました。
その記事中に登場していたペンの中に、随分前に手に入れてたまま整備をせずに保管してあったボールペンがあります。
 

小型のボールペンと言えば、モンブランのボエムやマイスターシュテュック#116、ペリカンのK300などドイツの筆記具が思い浮かぶのですが、イタリアメーカーの美麗な軸にも小型モデルが存在します。
 

イタリアのメーカーというと美しいマーブルレジン軸の筆記具が数多くラインナップされるアウロラをはじめ、アイデンティティー溢れるデザインと素材を使った、私も大好きなメーカーであるビスコンティ。
一度は無くなったもののユーザーからの熱い要望もあって復活を遂げたデルタ等々…。
そして忘れてはならないのが今回の記事で取り上げるモンテグラッパ。
 

モンテグラッパの筆記具はたまに記事にしますが、手元にあるモンテグラッパの軸はすべてショートサイズ。
スタブニブのような書き心地が気に入っているミクラの万年筆に始まり、スターリングシルバー×幾何学模様のレミニッセンス ローラーボール。
 

 
そして、今回はミクラの油性ボールペンをレポートしていきたいと思います。
 

ボールペンのミクラを入手したの去年の秋になった頃。
状態がそれほど良くはなかったこともあり、そこそこ安い金額で入手できたという経緯があります。
 

というより、最近は状態が良くない筆記具の方が食指が沸くといいますか…。
新品でピカピカの筆記具は使うのに肩が張るというか 変な緊張があるため、ある程度傷があったり壊れていたりする方が逆に安心(?)して使えるんですよね。
 

 
手元のミクラは全オーナーのもとで相当酷使されていたんだろうな、という見た目。
契約締結時などの重要な場面で活躍していたということでしたが、美しいブルーマーブルレジンの表面には細かな傷が多々あり、長きにおいて大事に使われてきたんだということが覗えます。
 

 
縁があって譲って頂いたペンが使われていた場面など、その時の情景を思い浮かべながら修繕するのは楽しいひととき。
ミクラはトリム部分が全てスターリングシルバー製、樹脂はアクリルのマーブルレジンで剛性もあり。
このまま使うのも渋くて好きですが、今一度、美しいレジンの輝きを取り戻してもらうとしましょう!
 

ということで、いつものように道具を揃えてレジン磨きをスタート。
ミクラは小型のペンなので、磨く面積も通常サイズのペンと比べて狭いため気が楽です。
 

 
まずは分解からですが、構造は至ってシンプル。
胴軸とキャップの間を反時計回りに回して本体を分割。これはリフィルを換えるときと同じ手順です。
 

ミクラはその本体サイズ通り4C芯対応。私はジェットストリームリフィルを入れています。
トリム部分も硫化して真っ黒ですので、これも最後は綺麗に磨きたいと思います。
 

 
使う道具はいつもの研磨セット。
耐水ペーパー(2500番~10000番)、トリムを保護するためのマスキングテープ、トリムを磨くためのクロス。そして、写真には写っていませんが仕上げのサンエーパールです。
 

毎回ペンの表面研磨をしていて思うのが、マスキングテープは白がお勧め。
色が付いたマステだと、最後のサンエーパールで磨くときに色落ちして仕上がりイメージが分かり難くなります。
 

 
マステでサクッとトリムを巻きます。
クリップが外せるモデルであれば外しておいた方が良いでしょうが、ミクラはキャップの分解が難しいためこのままやります。
 

表面の傷の具合をみて、何番のペーパーから始めるのが良いかを考えます。
このミクラの表面は深い傷や小傷が多数ありますので、2500番からで良いかと。
ちなみに完全に傷を消したい場合はもっと粗い目のペーパーから始めるのがよいですが、今回私は表面を滑らかにできれば満足ですので2500番で。
 

 
ミクラは八角柱の筆記具。
表面が均一に削れるよう力加減しながら削ります。特に、角を落とさないようにと 面全体が削れているかは確認しながら作業していきます。
 

 
表面のツヤが完全に消し去られたレジン。
この2500番で削った時の表面もマットな感じで結構好きなのです。
 

 
キャップだけでなく胴軸側も同じように磨きます。
面があるペンはどこまで削ったかが一目で分かるのでやり易い。
 

 
続いて3000番で研磨しました。
さっきの2500番より少し滑らかになったのがお分かり頂けるでしょうか。
研磨すると白いレジンの粉(白濁水)がでますので、それをティッシュで拭いながら繰り返します。
 

 
順に耐水ペーパーの目を細かくしていきます。
5000番のあとに7000番。7000番までかけるとそろそろ表面がツヤっぽくなってきますね。
レジンの透明感も感じながらの作業となります。
 

 
耐水ペーパーとしては仕上げの10000番。
このときは、ほとんどツルツルの紙で表面を擦っているような感覚です。
随分とツヤが出ました。
 

 
仕上げはもちろんサンエーパール。
これは本当に魔法の研磨剤ですので超お勧めです。
レジン部分の角やシルバー部分のロゴも磨いておきましょう。
 

 
レジンの部分は綺麗になったのではないでしょうか。
深めの傷は滑らかになる程度で消えてはいませんが、概ね満足な出来。
 

運動量としては腕立て伏せを50回3セットやったぐらいの疲労感。あとは腱鞘炎に気をつけましょう。
ペンが綺麗に蘇ることに加えて筋トレまでできてしまう。まさに一石二鳥とはこのこと。
 

 
トリムも銀磨きクロスで綺麗に仕上げ。
いぶし銀が好きですので、そこまでド真剣に磨いてはいません。
ミクラのマーブルブルーレジンとスターリングシルバーの爽やかなコントラストが復活しました。
 

 
ビフォーアフター。
なかなか良い感じではないでしょうか。
 

小傷でボンヤリしていたレジン特有の柄も、シャープにくっきり見えるようになったように思います。
硫化した黒いトリムも捨てがたいですが、コントラスト強めでパキッとしたスターリングシルバーの輝きも良いですね。
 

改めてモンテグラッパ ミクラ(BP)のスペックですが、
 

全長(携帯時):103mm
全長(筆記時):107mm
重量:22g
 

となっており、前回のモンブラン ボエム(BP)に比べてもさらに小さいサイズ。
しかし重量は22gと、これ一本でもマイスターシュテュック#164に匹敵する重さで、内部機構の金属に加え、口金・キャップリング・クリップ・天冠ロゴに惜しみなくスターリングシルバーが使われている恩恵といえます。
小さい×重量=精密感、ということで、小さいですが軽すぎないことで楽に筆記できるボールペンとなっています。
 

 
キャップは胴軸部分は八角柱で、グリップ部は丸軸という一風変わったデザインをしていますが、これがまた書きやすい。
アクリルレジンのグリップ感の良さは特筆すべきもので、指先に込めた力にキュッと反応してくれる。
今はジェットストリーム(SXR-200-07)を装填していますが、低粘度のインクとも非常に相性が良いように思います。
 

 
モンテグラッパのロゴにある「1912」はメーカーの創設年。
イタリアのベネト州にある小さな町で、イタリアでは初めて万年筆を製造したメーカーとなります。
私が好きなメーカーであるビスコンティもそうですが、フィレンツェ付近の町では昔からこういった筆記具製造が盛んだったことが覗えますね。
 

 
キャップリングには「Montegrappa」のメーカーロゴ。
こちらはレーザー刻印ではなく手作業での打ち込み。スターリングシルバー製のトリムの小傷には、まさにこのペンが使われてきた歴史が刻まれていると言って良いでしょう。
小傷がつくほど格好いい、そんな魅力がスターリングシルバーのパーツにはあります。
 

 
裏側にはスターリングシルバーを表す刻印「925」「☆1055VI」。
☆1055はモンテグラッパの登録番号。
VIはベネト州のヴィチェンツァの略号となっています。
 

モンテグラッパの筆記具にはふんだんにスターリングシルバー(シルバー925)が使われています。
モンテグラッパの製品をお持ちの方は、ペンのトリム部分にあるこのマークを探してみて下さい。
 

 
掌に収まるサイズのモンテグラッパ ミクラ(BP)は、中古市場でも見かけることが多く、カラーラインナップも豊富なため手に入れる機会は少なくないかと思います。
 

小さなボディに凝縮された素材と美しさ、精密感はイタリア軸の魅力を十分に感じることができる逸品です。
ショート軸が好きな方は是非ともペンケースに加えてみてはいかがでしょう。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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