中太軸の万年筆とボールペンを3本持ち運ぶための極小ペンケース!【rethink(リシンク)「Lim Pen Sleeve Nebbia」レビュー】
皆さんこんばんは。
今回はペンケースの使用レポートとなります。
それも、中太軸の万年筆とボールペンを3本だけ超コンパクトに持ち運ぶためのペンケース。
使いたい筆記具はその時々で変わりますので、その時その時に合ったペンケースを用意しておくに越したことはないのですが、個人的にはそのうえに いかにコンパクトに持ち運べるかが重要です。
コンパクトでお洒落、そしてタンニングレザー製(経年変化が楽しめる)である。
この3つの要素を兼ね備えていているペンケースでお勧めなのが「rethink(リシンク)」のペンケース。
以前からもrethinkの2本差しペンシースである「Duo Pen Sheath Nebbia」に、お気に入りのモンブラン ドネーションペンを入れて愛用しているのですが、その質感が素晴らしいこととビジネスバッグの中でも嵩張らないサイズが気に入って、今回は3本差しの「Lim Pen Sleeve Nebbia」を購入しました。
使い分けは、Duoの方はボールペン2本専用、Limの方はボールペン3本もしくは、中太軸の万年筆1本+ボールペン2本という運用です。
色々なペンケースを使ってきて、筆記具を超コンパクトに3本持ち運べるペンケースで「Lim Pen Sleeve Nebbia」を超える物はないと思っています。
それでは、最もコンパクトなペンケースの質感、デザイン、収納力を見ていきましょう。
開封直後から分かる、素晴らしい革質と薄さ
Webストアでポチって手元に届いたrethinkのペンケース。
丁寧にボックスに収められた「Lim Pen Sleeve Nebbia」を手に取ると、バケッタ製法で鞣されたレザーの芳醇な香りが漂います。
全体像。
細かくシボが入った美しい革質です。
前回(Duo Pen Sheath)はカスターニョ(栗)を選びましたが、今回はネロ(黒)をチョイス。
製品名の「Nebbia」というのはイタリア語で「霧」を意味しており、ブルームと呼ばれるワックス成分がまるで霧のように表面を覆っていることから。
このワックス(霧)が経年使用により晴れて、色艶が現れるのです。
堪りませんな。
外面には「rethink」のロゴ。
ブルームが晴れていくと同時にこのロゴも馴染んでくるであろう、本来の革色が生きたロゴとなっています。
薄く頑丈なレザーであることに加え、1枚のレザーを折り返して製造されていることに驚くLim Pen Sleeve。
表面のシボも美しいですが、裏面も綺麗に磨かれておりまた違った表情を見せてくれます。
この薄さ。
薄くてしなやかなレザーだからこそできるこの形状。
グレーのステッチも丁寧に入っています。
Duo Pen Sheathとのサイズ比較。
Lim Pen Sleeveは折りたたむ(ペンを収納)することで、Duoと同じ横幅となります。
質感、カラーから滲み出る大人が使う道具としての色気。
カスターニョ、ネロ共にツボを押さえたカラー。皆さんはどちらが好みでしょうか。
筆記具を3本を収納したときのサイズ
さて、早速筆記具を入れてみましょう。
Lim Pen Sleeveに入れて携帯する筆記具は、中~太軸のペンがマッチするように感じます。
ボールペンでいうと、モンブランならマイスターシュテュック#164や#161やドネーションペン。
ペンが差し込めるポケットは若干のサイズ差が設けられており、開いて内側から見たときのメインとなるポケット2つには太軸・中太軸が入れられ、一番右の留め兼用のポケットには中軸が入れられます。
※#161は留め兼用のポケットには差し込めませんでした。
開いてデスクに置く時は、真ん中の凹みをペントレー代わりにします。
閉じてペンケース、開いてペントレーという一本二役。
閉じたときのサイズは、丁度15センチ物差しと同じ長さ。
この機動力がなんともいえんのです。小さな物を機能的に持ち運ぶ喜びと言いますか、実は、スーツの内ポケットにもすっぽりと収まるため、ペンケースですが身につける事も可能です。
土屋鞄のロールペンケースよりも縦が35mmも小さいLim Pen Sleeve。
収納本数に応じたサイズ感のペンケースで、筆記具を最小限に持ち歩きたい方には最適です。
使い始めはコロンと丸い形状ですが、日々使う毎にペンのアタリが出て革も馴染んできます。
数週間使った後。
ペンのアタリが出初めています。アタリが出て馴染むということは、無駄なスペースが絞られてさらにコンパクトにまとまるということ。
ブルームが晴れていくにつれ、どのような表情に変わっていくのが楽しみです。
ペンを入れるときに気をつけたいのが、クリップの向き。
クリップの向きの法則性を押さえておくことで、ペン同士のクリップの干渉を防ぐことができます。
クリップが差し込める向きは大きく3通り。
ペンを横向けてポケットの左右にクリップを差す(写真のオレンジとイエロー)場合と、正面を向けてクリップを差す(ブルー)場合。
このとき、2本ともをブルーの向きで差すとクリップ同士が干渉するためNG。
そのため、クリップ同士を干渉させずに綺麗に収めるには、2本のペンのクリップがオレンジとオレンジ、イエローとイエローの向きになるように差すことが重要です。
クリップを差すことにより革の表面に痕がつきますが、気になる方はクリップごとポケットに収納する方法もあります。
ペンの出し入れのし易さ
ペンケースにとってペンの取り出しやすさも重要なポイント。
「Lim Pen Sleeve Nebbia」はペンでペンケース本体を留める構造ですが、ペンケースを留めるための「要のペン」を抜くことなく、他の2本のペンを取り出せる構造となっています。
ペンケースをペントレーとして使う場合は、ペンケースを閉じる役割のペンを抜いて使います。
素材が柔らかいレザーのため、ペンを差し込む事でペンケースには型が刻まれて、使い続けることで付く型は「ペンケースを閉じる役割のペン」を抜き差ししやすくします。
また、このようにペンケースの尻の部分は縫い止められておらず、穴が空いている形となっているところに注目。
ペンケースを閉じた状態でメインのポケットの2本のペンを抜く場合、ペンケースの尻側から指でペンを押すことで取り出しやすくなるようになっているのです。
短めのペンを差した場合も尻の部分からペンを押して、ペンの頭を出すことで抜き出しやすくなっているのです。
このような造りとなっているがゆえ、ペンケースを展開せずとも中のペンを自由に取り出せ快適に使うことができるのです。
どのようなペンを入れるのに適しているか
最後に、この「Lim Pen Sleeve Nebbia」において、どのようなペンが収納できるのかを見ていきます。
冒頭で「中太軸をコンパクトに持ち運ぶ」と書いたのは、ペンケースに一番しっくりくるのが中太軸だということ。
もちろん細軸も持ち運べますが、ペンケースのポケットに対してスペースが余るため、中太軸の方が見栄えが良いということになります。
使っていて一番収まりが良いのが、軸径が10mm以上のペン。
私が溺愛しているドネーションペンや、LAMY2000、デルタの筆記具あたりが丁度良いのです。
公式サイトの注意事項に、マイスターシュテュック#149のような太軸は非対応と書かれていますが、実際は差せないことはありません。
前回、前々回でレポートした、モンブランのターボやデルタのマリーナグランデのような軸径10mmほどのペンの他、モンブランのマイスターシュテュックで言うと、メインのポケットには#149のような太軸も差し込み可能でした。
モンブランのマイスターシュテュックを例に取ると、
メインのポケットには、#144~#149のような軸径の万年筆が挿入可能。
ペンケースを留める役割のポケットには、万年筆なら#144、ボールペンなら#164までが適合しました。
※#145(万年筆)は入らない事はないですが、よほど革が馴染んでいないと厳しい。
※#161(ボールペン)もキャップの部分がつっかえてスムーズとは言いづらい。
ちなみにカランダッシュのペンを携帯する場合は、RNX.316やレマンを差しています。
849やエクリドールは挿せないことはないですが、ポケットがスカスカとなるためあまりお勧めはできません。
カランダッシュの細軸を持ち運ぶ場合は、もう一つのコンパクトなラウンドジップペンケース「sot」のペンケースが良いかと思います。
このデータを参考にして頂き、10mm前後のボールペンやペンシル、万年筆をうまく組み合わせて頂ければと思います。
さて、今回はrethinkの「Lim Pen Sleeve Nebbia」をレポートしていきました。
デザインがお洒落で且つ、使われているレザーの質感・手触りから高級感が感じられ、経年変化も楽しめる。
中太軸のボールペンや万年筆をコンパクトに持ち運べるという点で、注目度の高いペンケースとなっています。
お気に入りのペンをスタイリッシュに持ち運ぶ。
rethinkのラインナップは、そんな筆記具好きにとって永遠のテーマとも言える悩みや欲望を叶えてくれるペンケースではないかと思っています。
レザーペンケース好き、中太軸のペンをスマートに持ち運びたい方は使ってみられてはいかがでしょう。
それでは今回はこのへ辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ディスカッション
コメント一覧
楽しく拝見させて頂きました。
質問失礼します。ペンケースを閉じる役割のペンスロットルにカヴェコスペシャルペンシルをクリップなしで挿して携帯できるでしょうか?
また、中にモノ消しゴムPE-01Aサイズの消しゴムを入れて閉じることは可能でしょうか?
匿名さん
コメントありがとうございます。
rethinkの「Lim Pen Sleeve」の持ち方について、なかなか攻めた収納案かと思います。
実際に、MONO消しゴム(PE-01A)とカヴェコペンシルスペシャルクリップ無しをご質問の形でペンケースに収めてみました。
結果は、どちらも可!
ただし、色々と制約があります。
まず、クリップ無しのカヴェコペンシルスペシャルですが、普通に差そうと思うとやはりストンと抜け落ちてしまいます。
ペンスロットルの穴は中~太軸用のため、細軸~中型の軸はどうしてもクリップが必要となります。
そこで、もう一つの質問事項である、消しゴムを中に入れて閉じる(厳密には「挟む」といった方がいいのもしれません)ことで、ペンケースを閉じる役割である外のペンスロットルにきつめのテンションを与える、という方法が生きてきます。
消しゴムを挟むことで革が戻る力が増し、結果、安定してクリップ無しのカヴェコを差して保持することができるようなりました。
つまりは、この2つの質問が相互関係となり、それぞれの問題を解消できると言えます。
ただし、消しゴムを中に挟み込む場合、ペンスリーブに入れるペンも必然と細いものでないと閉まりません。
中太軸の筆記具2本とカヴェコスペシャル(閉じるためのスロットル)では消しゴムを挟み込むことは困難でした。
ペンは製図ペンや日本製の細めのペンシルであれば大丈夫です。
おなじMONO消しゴムの「MONO smart」であれば何とか… といった具合いです。
→MONO smartは、横幅がPE-01Aと同じで、薄さが半分、長さが+3割といったサイズ。
なかなか文字だけでは分かりにくい点もありますので、Xにツイートをしています。
https://x.com/tanikeeeen/status/1837107490879852747?t=s8y6ZCXia7hD_5yh2vm-sA&s=03
↑こちらをご覧になり、参考になさってください。
しかし、あくまで想定外の攻めた使い方であることは変わりないため、実際にこれで運用される場合はカヴェコの落下に十分注意なさってくださいね。
(自己責任のもと行って頂くようお願いします)
それでは、楽しい筆記具ライフを!
返信遅くなりすいません。丁寧なコメント、そしてツイートありがとうございます。基本軸径が1cm以下のペンまたはm800サイズの万年筆しか使わないので参考にさせせいただきます。細めのペンが好きなので日本限定cp1やぺんてるメカニカなど手にする機会がありましたらレビューお願いします。