2020.02.15 Saturday

イタリア製の廃番ボールペンを愉しむ! 【スティピュラ ヴェド ボールペン レビュー】

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    皆さんこんばんは。

     

    私たちは今、あらゆる物に囲まれて生活しています。

    世の中にある“モノ”は発売から時が経つにつれて機能・デザインは古くなりやがて廃番を迎えます。(一部例外もありますが…)

     

    世の中のトレンドを見ていると、一度廃れていったデザインでも数十年後に再度注目されたり、また流行に返り咲いたりする事があります。

     

    筆記具においてはどうでしょう。

    筆記具を使う=「書く」という行為、これは変わらないとして、デザインや機能が昔から変わらない物もあれば、先進的な機構を持った筆記具が開発されるなど、私たちは常に伝統と最先端の渦の中にいます。

     

    一般的に筆記具は、デジタル機器や自動車のように数年後・数十年後にサポートが終わることもありません。

    いや、厳密にはその筆記具が対応する「規格」が廃番にならない限りは、一生涯使い続けることができるのではないかと考えます。

     

    筆記具の持つデザインについても、完成された音楽と同じで時代が変われど古くなるということが無いように、そのメーカーの個性となって生き続けているのです。

     

    俗に言う「廃番筆記具」もメーカーによる販売行為が終わっただけで、入手さえすれば現在ある「規格」のなかで使い続けることができます。

     

     

     

    前置きが長くなりましたが、今回の記事で取り上げるのは廃番となっている「スティピュラ ヴェド ボールペン」。

     

    数年前に廃番となっているボールペンですが、これからもずっと使っていける筆記具なのか検証していこうという記事です。

     

    それでは色褪せないヴェドの魅力から見ていきましょう。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    【小さなサイズでも握りやすい理由】

    ヴェドは比較的小型なボールペンです。

     

    ショートサイズのボールペンの宿命として携帯性と引き換えに筆記しにくいという点が挙げられます。

    しかしながら、スティピュラ ヴェドは「快適な筆記感」を損なわず携帯性と両立させることに成功している希なボールペンと言えます。

     

     

     

    おおよそスマートとは言い難い容姿ですが、そこにこそヴェドの書きやすい魅力が詰まっているのです。

     

     

    .坤奪轡蠅箸靴申杜夢

     

    ヴェドはショートサイズのボールペンとしては34gとなかなかの重量感。

    重量感=高級感の演出というのもありますが、ヴェドの場合はそれ以上に書きやすさへの貢献度が高いです。

     

    ▲この4本の中でも一番重いヴェド(左から2番目)

     

    軽くて短い軸を握ると、ボールペン自体の維持とペン先をコントロールするために指先に余分な力が入ります。

    その点、軸が短くても重量があるヴェドは軸の自重により筆記時のバランスがとりやすく、指先に余計な力が入ることがないのです。

     

    ゆったりと握ってペンの重さを乗せてサラサラ書く、そんな筆記感が味わえます。

     

     

     

    ∩環垢伴慣

    ショートサイズと言えど全長は重要です。

     

    筆記時(ペン先を出した状態)の全長は126mm

    ボールペンは 握った時に親指と人差し指の間にキャップ部分がどの程度触れるかで書きやすいか否かが分かれます。

     

     

    ヴェドはショートサイズと言ってもキャップに横幅があり、親指と人差し指の間にも触れる最低限の長さが確保されているため非常に書きやすいのです。

     

    さらに胴軸径が太めに設定されていることも書きやすさの大きな要因です。

     

     

    同じショートサイズのボールペンを並べてみました。

    左から、ペリカンK400、モンブランマイスターシュテュックモーツァルト#116、スティピュラヴェド、カヴェコスポーツ。

     

    ペリカンとモンブランは小型化を追求し、ヴェドとカヴェコは太軸寄りで小さいながら握りやすさを重視しているようです。

     

     

     

    グリップ部分のくびれ

    ヴェドの書きやすさを紐解いていったとき 重量と全長は大きな要因ですが、それに加えて胴軸のくびれが一役買っていることは間違いありません。

     

     

    太軸ですがちょうどグリップする部分に大きなくびれがあります。

     

     

    くびれは指先の三点保持を助けると同時に、指先の胴軸に対する接触面積を広げるため安定感が増します。

    樹脂という素材も相まって、なめらかな手触りの流線型デザインはしっとりと手に馴染みグリップ感も良好。

     

     

    まとめると、

    34gの重量、筆記時126mmの全長、胴軸のくびれが良いバランスで融合されていること、非常に考え抜かれたボールペンだということが分かります。

     

    どうして廃番になってしまったのでしょう…?

     

     

     

     

    【スティピュラ ヴェドのディティール】

    続いて、ヴェドのディティールを見ていきます。

     

     

    先ほど検証した持ちやすさと両立された軸のデザイン、シルエット。

    ボールペン全体は流線型のデザインでまとめられています。

     

     

    胴軸には「Stipula」「Made in Itary」が彫り込まれていてアクセントとなっています。

    彫り込みも深く太いため、ただの刻印では無く もはやデザインの一部。

     

     

    ペン先のデザインは湾曲しており、ペンポイントの良好な視認性にも一役買っています。

    モンテベルデのラグーナもヴェドから着想を得ているのではないでしょうか。

     

     

    クリップの形を横から見てみるとスプーンのような形をしていることに気が付きます。

    イタリアの筆記具は日本の筆記具に比べ、優雅に湾曲しているクリップを持つものが多いように感じますね。

     

     

    クリップの上にはスティピュラのロゴ。

    スティピュラとは「一片の藁」という意味。藁というとイネ科の植物の茎を乾燥させたものですが、メーカーロゴは穂先が連なったデザインとなっています。

     

     

    天ビス部分はエッジの効いたゆるやかなドーム型。

    もしこの部分がエッジのない丸形であったなら全体的なデザインに締まりが出なかった事でしょう。

     

     

     

     

    【リフィル規格が廃番となったヴェド】

    廃番を真の廃番と言わしめる定義があるとすれば、それは適応リフィルの製造終了もしくは入手不可になった時点ではないでしょうか。

     

    スティピュラ ヴェド ボールペンにおいてもそれは当てはまり、現在は専用リフィルの入手が非常に困難になっています。

     

    ネットで調べてもスティピュラの日本正規代理店は見当たらないため、リフィルを探しようがありません。

    各社ネットショッピングサイトにも在庫はなし。

     

    在庫どころか互換品の情報すらありません。ここは自分で開拓していくしか無さそうです。

     

    素晴らしい廃番ボールペンを純正リフィルが尽きた後も使い続けたい。

    そのような思いから互換性のあるリフィルを探していきます。

     

    まずはヴェド専用のリフィルがどのようなものかを比較していきます。

     

     

    キャップを時計回りに回して外し、中のリフィルを取り出します。

     

     

    余談ですが、胴軸側に使われているレジンが分厚く堅牢にできていることが分かります。

     

     

    一見パーカータイプのG2リフィルに見えますが、実際はかなり短いリフィルです。

     

     

    パーカーリフィルと並べたところ4分の3程度の長さしかありません。

     

     

    他のメーカーのリフィルと一緒に並べてみました。

    パイロットのBRFN-30が近いかと思いましたが、それよりもさらに短いリフィルでこの中に適合するものは無さそうです。

     

     

    似たようなサイズのリフィルがないか部屋中を探したところ、ラミーのM22(ラミー ピコ用リフィル)が使えそうです。

     

     

    ラミーM22はスティピュラ専用リフィルよりもさらに短いリフィルで、並べてみるとスティピュラのさらに4分の3程度。上からパーカーリフィル、スティピュラ(ヴェド)、ラミー。

     

     

    ラミーM22にはライトグレーのキャップが付いていて、これはM22リフィルの尻に差すことでそのままアダプターになります。

     

    それを利用してアダプターにあたる部分をヴェド専用リフィルに合わせてカットし、同じ長さにしてヴェドで使おうという計画です。

     

     

    今回カットする範囲はリフィル側から25mmまでのところ。

    25mmをはみ出した場合はペン先繰り出しの際にリフィルが固定できなかったり、逆に短すぎるとペン先から繰り出すリフィルが短くなってしまいます。

     

     

    また、ラミーM22のリフィル先の径はヴェド芯より細くなっているため口金の穴との間にすき間が生じます。

     

     

    実際書いたところ、このすき間でペン先がブレることはありませんでしたが精神衛生上良くないという方はマステを巻いてすき間を埋めましょう。

     

     

    ヴェドの胴軸にラミーM22を収めてペン先を繰り出してみました。

    良い感じではないでしょうか!

     

     

    ラミーM22のカットした片方の余アダプターはリフィル先に付けて保管も可能。

     

    このラミーM22リフィルは付属のアダプターの長さがかなり長いため、先端がパーカータイプのリフィルの互換芯として幅広く代用できそうです。

     

     

     

    実際、ラミーM22を入れてみて書き味はどうなのかというと、ラミー芯の特徴と言いますか、かなり粘度の高い油性インクのため書き味は重め。

    個人的にはヴェド専用リフィルの書き味の方が軽くて好みです。

     

    こうして無事に代用リフィルが見つかりました。

    これでこの先ヴェド専用リフィルが無くなったとしても安心です。

     

     

     

     

     

    【おまけ:筆記具の小傷を消す方法】

    ここからはスティピュラ ヴェドを使った久々のおまけ記事

     

    廃番中古のボールペンや万年筆を買うともれなく小傷が付いてきます。

    小傷のメリットとしては気兼ねなく使い始められること。

     

    しかし、気分転換に綺麗な状態で筆記を楽しみたい時もあるでしょう。

     

     

    ヴェドのように主な素材に樹脂が使われている筆記具は「サンエーパール」でだいたい何とかなります。

    サンエーパールとはペースト状の超微粒子研磨剤。

     

    レジン製品の表面仕上げや金属の表面仕上げに絶大な威力を発揮します。

     

     

    私はこれでモンブランのマイスターシュテュックやペリカンのスーベレーンなど小傷で輝きを失った軸をしばしば磨き上げているのです。(これ本当に楽しいのでおすすめ)

     

    用意する物は、ボールペン(又は万年筆等)、サンエーパール、目の細かいクロス。

    あとは拭き取りようにウェットティッシュと普通のティッシュがあれば良いです。

     

     

    使い方は至って簡単。

     

     

    サンエーパールを適量クロスに取ったら…、

     

     

    小傷を消したい部分に着けてあとはひたすら磨くのみ!

    塗布する量が少なすぎるとあまり効果が無い(表面を削れない)ので少し多めにつけるのがお勧めです。

     

     

    磨く時間は数分でも効果があります。

    磨いた後はウエットティッシュで拭き取り→ティッシュでから拭きを忘れずに。

     

     

    ビフォーアフターがこちら。

     

     

    たった数分磨いただけでこの効果!

    サンエーパール恐るべし!!

     

     

    深い傷を消すにはもう少し時間をかける必要がありますが、小傷はほとんど消えていることが分かりますね。

     

    レジンだけで無くコーティングされていない鏡面仕上げの金属製胴軸にも使えるのが嬉しいです。

    ※金属がコーティングされている場合、コーティングを傷める可能性があるため注意

     

     

    さて、今回は廃番ボールペンに焦点を当てて、ヴェドの美しくも機能的なデザインとずっと使い続けるための工夫を一緒に紹介してきました。

     

    表面に傷がついたなら磨き上げ、使えるリフィルが無くなったのなら探せばたいていは何とかなります。

     

    お手持ちの使うことができなくなった廃番筆記具も一工夫で復活する可能性が大いにあります。

    今回の記事をご参考に長く使い続けるための自分なりの一手を考えてみてはいかがでしょうか。

     

    それでは今回はこの辺で。

    最後までお読み頂きありがとうございました。

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