2018.09.25 Tuesday

和製極太万年筆!プラチナ万年筆の出雲溜塗り/空溜

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    みなさんこんにちは。

    ついにやってしまった…。ベーシックな筆記具ラインで万年筆を楽しもうと心に決めて、今までブログを書いてきたわけですが…。筆記具にも地方で普通に生活していてその辺の文房具店で手にすることはない特殊なモデルというのがあります。ちょっとお高いモデル。モンハンで言うところのリオレウス亜種みたいなもんです(限定品ではないので希少種ではない)。それに手を出してしまうとは自分でも意外でした。

    いつか書いたように、私の筆記具沼の底はモンブランのマイスターシュテュック癸隠苅后だと思っていました、ハイ。149を手にするまでは。149が筆記具の沼の底だと思っていたのですが、実は149が筆記具沼の入り口だったということが判明しました。149に手を出すということは、太軸万年筆に興味が向いてしまうということだったのです!※太軸に向く傾向には個人差があります

     

    実際に所有する万年筆も、一般のボールペン並みの太さ(9mm〜10mm径)のものに始まり、ペリカンスーベレーンM400やプロフィットといった中級クラスを経て、パイロットカスタムやモンブラン146のような軸径が12mm〜13mmの太めな万年筆に向かっていきました。そして149を手にしたとき、極太万年筆の持ちやすさ、筆記の安定感、所有満足感がこれほどまでに高く素晴らしいものかと感動しました。それ以来、万年筆やボールペンを物色するときは「軸径が太いか」がひとつの購入判断材料になっています。

     

     

    そのような経緯から今回手にしてしまったものが、プラチナ万年筆の「出雲溜塗り/空溜」です。

    出雲シリーズは、創業者 田中俊一氏の生誕の地である島根県出雲市の協力のもと2010年に創出された万年筆です。出雲シリーズの万年筆は、素材を吟味し、各分野の職人が最高の技術を施した「出雲ブランド」の筆記具となっています。

     

    このブランド説明からも、ただならぬ亜種感が出ています…。

    今回はこの出雲溜塗り/空溜の細部をレビューすると共に、他の太軸万年筆や#3776との比較も行っていきたいと思います。

     

     

     

     

    【出雲溜塗り/空溜の各部詳細】

    この出雲溜塗り/空溜(以降空溜)は漆塗りです。その「塗り」の幾つかある技法のなかの「溜塗り」という技法が使われており、炭で表面を研ぎ、漆を塗り込み磨くことを繰り返して仕上げられています。職人の技術と手間がかかった工芸品と呼ぶにふさわしい表面の艶は、時間とともに変化を見せてくれることでしょう。

    出雲シリーズの万年筆はいくつか種類がありますが、この溜塗りは比較的リーズナブルに手に入れることができるモデルです。

     

     

    さて、軸をよく見ると、真っ黒ではなく透き通っている事が分かります。幾重にも塗られた漆がこのような味わい深い深い色合いを醸し出しているのです。エッジの部分からは下地の緑色が見えていてこれがなんともシブい佇まいです。胴軸・キャップ・天冠はエボナイト製。エボナイトといえばクラシックモンブランのペン芯にも使われている素材ですね。素材が希少なために昔ほど万年筆の軸には使われなくなったようですが、空溜はこの希少なエボナイト軸に漆を塗ることで作られています。

    手に収めた感じはまるで陶器を触っているかのようなしっとりとした手触りと剛性感があります。それもそのはず、胴軸・キャップともに厚みのあるエボナイトで作られているため強度も期待できます。しかし他の万年筆同様、取り扱いには細心の注意を払う必要がありますが。

     

    全体のフォルムは飾り気のないつるんとした出で立ちで、胴軸から尻軸にかけてはリングはなく一体型。まっすぐな軸ではなく、流れるようなラインがつけられています。このラインもキャップのシルエットとつながっていて、ゴールドやシルバーのトリムをあしらった王道のスタイルを外した、おおよそ万年筆離れした形に見えます。

     

     

    キャップを外すと首軸に向かって段階的に細くなっています。黒・緑・金の組み合わせから和を感じることができ、まさに「日本の色」と呼ぶにふさわしい色合いではないですか。金色の部分はネジ切りでキャップ開閉と、コンバーター(またはカートリッジ)へのアクセスを兼ねています。現行品ではこの金色のネジ切りは黒に変更されているようです。黒もまたシブい!

     

     

    コンバーターまたはカートリッジ式で、純正コンバーター500の金色が付属しています。ここまで来たら吸入式にしてほしかったですが、わがままは言いません。コンバーターにはいつか深緑のインクを吸わせたいものです。今はウォーターマンのブラックインクを入れています。

     

    左が#3776、右が出雲。

     

    ペン先を見てみましょう。

    ニブはプレジデントと同じ形の18金ニブが使われています。バイカラーとなっていて見た目もかなり格好良く仕上げられていますね。プラチナ万年筆お馴染みの「ハート型のハート穴」の下には刻印が「PRESIDENT 18K M(字幅) PRATINUM」。センチュリー#3776と見比べてみると、形は違えどニブの大きさはほぼ同じ。ペン芯はフィンが細くなり、横から見た形はどちらも同じような平べったい形をしています。ちなみにペン芯まではエボナイト製ではないようです。書き味はサリサリと音が鳴るほど硬めで、インクフローが潤沢ということもあって筆圧あり・なしでも同じような文字を書くことができます。

     

     

    続いてキャップを見てみます。

    径が18mmもある太いキャップは、特殊なクリップを含め出雲のシンボルのようです。天冠とキャップをつなぐエッジにも溜塗りの色合いが出ていてアクセントになっています。クリップは大型かつ特殊な形状で、「PRATINUM」の刻印付近の飾り刻印は和を思わせるデザインとなっています。

     

     

    【モンブラン癸隠苅溝召箸糧羈咫

     

    では、ここからは同じ太軸万年筆であるモンブラン マイスターシュテュック149他と比較していきます。全体はこのように149が可愛く見えてしまうほど。2本ともクリップやリング全体の仕上げで見事に和と洋を表現していますね。本当に素晴らしい万年筆です!

     

     

    胴軸はくびれがない分149の方が太いですが、全長は154mmと空溜が長くなっています。空溜は34.5gと重量もあるためキャップは尻軸に差さず使っています。というより、漆塗りの軸に傷がいくためにキャップは尻軸に差さずに使うのが本来の使い方のようです。ニブの大きさは癸隠苅垢諒が大きいですね。こう比べると、いやー、流石はマイスターシュテュックの首軸からペン先にかけてのこの存在感ですよ。

     

     

    ニブのサイズでいうと空溜(プレジデントニブ)はモンブランの癸隠苅兇汎嬰のサイズとなっています。ついでにM800のニブサイズとも比較してあります。こう並べるとニブサイズは似ていますが、いずれも書き心地は全くの別物。これが万年筆の面白さでもありますね。この4本の万年筆だと書き心地は右に行くほど硬くなります。

     

     

    【まとめ】

     

    出雲溜塗り/空溜、いかがだったでしょうか。職人の技術と漆塗りの深い透明感からにじみ出る和の雰囲気。日本製の万年筆も見た目は和洋折衷なものが多いですが、これは純和製のデザイン(ニブはプレジデントですが…)。たまらなくシブいです!いつまでも手に持っていたくなるしっとりとした漆塗りの手触りは他では味わえないものとなっています。

    かなり全長が長いため、これに合うペンシースがなかなかありませんが、モデルによっては万年筆袋がついているものもあるようです。私はレザーオーダーメイドの店で特別に作ってもらおうかと考えています。

    またこのような特殊なモデルを入手した際は追ってレポートします。

     

    ではまた。


    2018.09.19 Wednesday

    パイロット カスタムカエデとカスタム74 ボールペン 【74二種とカエデの比較】

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      こんにちは。 

      今回は久しぶりのボールペンのレポートでいきたいと思います。しかも書き心地で定評のある国内メーカーです。国内メーカーのボールペンは性能が良く、その技術は常に世界のトップを走り続けているといっても過言ではありません。

      とは言っても、このブログを読んでくださっている方ならお分かりかと思いますが、毎度の事ながら、私は筆記具においては最新技術のものより伝統的なものを取り上げる妙なクセがあります。そして今回も例外なく、フリクションのような最新ボールペンではなく、クラシカルな趣の軸で王道の油性ボールペンであるパイロットのカスタム74とカスタムカエデを取り上げてしまうのです。

       

       

      パイロットは2018年、創業100周年を迎えました。1918年に株式会社並木製作所として創業開始、1938年にパイロット萬年筆株式会社への商号変更を経て、1989年に現在の株式会社パイロットとなっています。パイロットの筆記具に付けられた「74」や「823」等の数字は、創業以来の年数だとされています。1992年に誕生したカスタム74は今も一番ポピュラーなモデルとして愛されています。

       

      今回レポートするのは、カスタム74ボールペンの中でもエントリーモデルの「BKKー500R」の伊東屋限定カラー「BKKー500RSB」と、カスタムの木軸モデルであるカエデ「BKー1000K」の2本。

      以前に回転繰り出し式ボールペンのカスタム74「BKKー1000R」をレポートしましたが、この2本はキャップノック式(キャップスライド式)の兄弟モデルです。

       

       

      伊東屋限定カラーを選んだ理由は、カスタム74「BKKー1000R」が黒金の仏壇カラーということもあり、パイロットの爽やか()な黒銀モデルを持ってみたいという簡単なものでした。パイロットの黒銀カラーのボールペンで私が真っ先に思い浮かべるのがカスタムヘリテイジですが、よりクラシカルなカスタム74に惹かれてしまいます。仕事でも黒金のボールペンより黒銀のボールペンの方が先方に爽やかなイメージを与えることはまず間違いないですし、「カスタム74だけど黒銀」というフレッシュなギャップを仕事しながら味わいたかったというのも本当のところです。

       

      カスタムカエデを手にした理由は、木軸だということ。そして次に、木軸であるということ。最後に加えるならば、やっぱり木軸だから、なんですよね。ようは木軸の筆記具がたまらなく好きなのです。ペンともに歩んできた時間が軸の色変化に現れるという、なんとも愛着が湧く素材ではないですか。カスタムカエデは素材にイタヤカエデが使われています。このボールペンも美しく透き通る宝石のような木肌を見せてくれます。

       

      とうことで今回はこの2本を、上位モデルである回転繰り出し式のカスタム74「BKKー1000R」と比較しながらレポートしていきます。

       

       

       

       

      【カスタム74とカエデ スペックの比較】

      カスタム74が2本あるので、以降は分かりやすく「BKKー500RSB」をカスタム74(500)、「BKKー1000R」をカスタム74(1000)と表記します。

      それでは3本の軸から見ていきましょう。

       

       

      まずスペックですが、

      カスタム74(500) :全長 137mm、最大胴軸径 13.0mm、重さ 17.5

      カスタムカエデ     :全長 137mm、最大胴軸径 12.8mm、重さ 27.2

      カスタム74(1000):全長 142mm、最大胴軸径 13.8mm、重さ 27.7

      となります。

       

      全長についてはカスタム74(500)とカスタムカエデが同じ137mm。上位モデルのカスタム74(1000)5mm長い142mmとなっています。上位モデルのカスタム74(1000)は大きめの万年筆と合わせて持ち歩いても違和感がないくらい堂々とした佇まい。一方、一般的と言える全長のカスタム74(500)とカエデは普段使いに適したサイズと言えます。特にカスタム74(500)は重さの面でも一番軽く、エントリーモデルらしく万人向けと言えるでしょう。

      重さといえば、カスタムカエデはカスタム74(1000)とほぼ同じ重量で、握った感じもずっしりと安定しています。コンパクトでいてズッシリくる、ガジェット好きにもたまらないこの密度感が所有欲を満たしてくれます。

       

       

      【カスタム3本の軸を比較してみる】

       

      カスタムカエデの胴軸を見ると、クリップ付近からペン先に伸びる木目がまるでドット柄のような模様となっています。そして裏面は対象的に、光の当たり具合により表情を変える透き通った美しい木目を楽しめます。こういった一本一本の個性も、マーブル軸と同じで同じ表情のものが二つとしてない木軸ペンの面白さと言えましょう!

       

       

      3本の軸を並べてみると、それぞれに美しさがあります。黒銀は誠実で爽やかな印象を与え、黒金の軸は貫禄と威厳をまとっているようです。そして木軸と金トリムの一体感が美しいカエデはカジュアルでありながら洗練された、日本人の手にも馴染む色合いとなっています。

       

      3本それぞれのキャップリングの違いです。

       

       

      カスタム74(500)はシルバーの細いクリップリングに「CUSTOM 74 ★ PILOT MADE IN JAPAN ★」の刻印。カスタム74(1000)のように黒く墨入れはされておらず、エントリーモデルだということがうかがえます。こう並べてみるとリングの太さも(1000)(500)でかなり違いますね。(1000)は重厚感が漂います。一方、カスタム74(1000)と同じゴールドトリムのカスタムカエデは段差がついたシングルのキャップリングを採用しています。刻印も「CUSTOM ART CRAFT  JAPAN」と非常にシンプル。リングを二重にしないのは、はやり素材の良さを際立たせたいからでしょうか。それもそのはず、胴軸はとても艶やかに磨き上げられていて、透き通る木目の美しさを堪能できます。

       

       

      【キャップノックと内部構造を比較していく】

      カスタム74(500)とカエデはノック感にも確かな違いがあります。軸が軽いカスタム74(500)はノックも軽やか。少々軽すぎる気もします。定価5000円のボールペンですので、個人的にはもう少し重みがあるノック感でも良かったのではと思います。カエデについてはその軸の重みに相まって、非常に弾力のあるノック感となっています。私が持っているキャップノック式のボールペンでいうと、以前記事にしたアウロライプシロンのノック感に似ています。このノック感には素材の重さが関係しているのではと考えます。アウロライプシロンはスターリングシルバーのキャップ、カスタムはイタヤカエデ。心地よい弾力でキャップをはじく事ができます。

      ※パイロットのHPには「キャップスライド式」と記載されていますが、キャップごとノックして芯を出す仕組みのため当ブログでは紛らわしくならないように「キャップノック式」と表現しています。ちなみにカスタム74(1000)は回転式です。

       

      キャップを外して構造を見比べてみます。

       

       

      2本を見比べてみると、胴軸側のネジ切りがカエデの方が頑強に作られていました(画像の部分)。リフィルは3本共に「BRFN-30」。カスタム74(1000)のみ初回装填リフィルは太字、他の2本は細字です。

       

       

      キャップ側の中の構造も2本で違っています。カスタム74(500)はプラスチックのネジ切り、カエデは金属製のネジ切りが使われています。カエデは安定した重みとノック感を実現するために内部構造に金属を多用してあります。これが気持ちのよいノック感の秘密だと言えますね。

       

       

      天冠とクリップの形状はどちらも同じですが、カエデの天冠は木目とツヤが素晴らしい出来で、いつまでもナデナデしたくなるのと同時にノック願望を誘発させてきます()。本当に木軸の筆記具はいつまでも触れていたい欲望に駆られますね。罪な素材です。

       

       

      【気になる書き心地とまとめ】

      筆記感はアクロインキ特有の、油性インクでありながらダマにならず滑るような筆記を楽しめます。職場ではサラサラの書き心地であるジェットストリームが人気ですが、個人的には油性インクの王様はアクロインキだと思っています。それほどアクロインキの書き心地は別格と言えます。なので、ジェットストリームのように、パーカータイプのアクロインキリフィルが出たらいいなーと思うのです。

       

       

      さて、今回はパイロットボールペン3兄弟をレポートしました。

      値段的には定価がカスタム74(500)が五千円、カスタム74(1000)とカスタムカエデが一万円ですが、この5千円の差は大きい!と感じました。所有満足感・筆記感を満たしてくれるのは間違いなく一万円の方ですので、500と1000と二種類あるけどどうしよう?と迷われているかたにはカスタム74(1000)やカスタムカエデをお勧めします。カスタム74(500)は手軽にアクロインキの書き味を試してみたい!というかた向けかと。(とは言っても、このカスタム74で黒銀の組み合わせがたまらなくかっこいいわけですが

       

      書き心地はいずれも折り紙付き。あとは重量・素材でお好みを選んでみるのはいかがでしょうか。

      それではまた。


      2018.09.08 Saturday

      筆記具のメンテナンス方法あれこれ

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        こんにちは。

        皆さんは普段、筆記具のお手入れはどのようにされていますか。万年筆やボールペンやメカニカルペンシルなど、筆記具は使うこと前提ですが、毎日使っていてもなかなか本腰を入れてメンテナンスすることは多くないのではないでしょうか。個人的には人がケータイやパソコンの次に一日によく使う道具が筆記具だと思っています。(もちろん業種によって違いますが…)

        ケータイやパソコンも使用後は一度電源を落として休ませるのがいいのですが、筆記具はどうでしょう。

         

         

         

        一般的にはめがね拭きなどのクリーニングクロスで軸を拭くメンテナンス方法がありますが、それ以外にも様々な場面に合わせたメンテナンス方法があります。毎日使う自分の道具だからこそ、また、道具を長く使い続けるために良い状態に保ちたいものです。

         そこで今回は筆記具のメンテナンスについてレポートしていきます。一般的なクリーニングクロスを使ったクリーニングから歯磨き粉を使ったクリーニングまで、私が行っている方法でご紹介していきます。

         

         

         

         

        【クロスでのクリーニング】

        まずはもっともポピュラーなクリーニング方法から。クロスといっても色々ありますが、おすすめはめがね拭きです。筆記具の軸は樹脂やラッカー塗装された金属軸がメインですので、なるべく柔らかい布で拭きたいところです。ティッシュなどで拭く場合もありますが、こちらもなるべく柔らかいティッシュで。また、布が柔らかい固い限らずにゴシゴシと拭くと必ず軸の表面に小傷ができてしまうので、あくまでソフトなタッチで拭いてあげましょう。

         

         

         

        日常使用している道具ですので傷は必ずついてしまいます。あまり神経質になる必要はないのですが、メンテナンスで傷を付けてしまっては元も子もありませんのでやさしくやさしく。

         

         

         

        ほら、綺麗になりましたね!

         

         

        【ブロアー・ブラシでのクリーニング】

        クロスで拭くほど汚れていない時や、毎日のちょっとした筆記具への労いで使いたいのがブロアーやブラシです。ブロアーはどのようなものを使うのがいいのでしょう。パソコンキーボード用のガスが入ったブロアーもありますが、ここはエコかつ使用音が小さいカメラ用品のブロアーがおすすめです。

         

         

         

        こちらはカメラ用品店で売られている安価なブロアーで、ブロアーとブラシがセットになっています。カメラのメンテナンスやフィルムのホコリ飛ばしに活躍。筆記具も樹脂製万年筆などは軸の表面に静電気によりホコリがつきやすいです。

         

         

        表面についたホコリをブロアーでシュコシュコと飛ばしていきます。一日の終わりの軽いメンテナンスはクロスとブロアーで仕上げるのが簡単かつ効果的。

         

         

        凹凸のあるデザインやクリップ裏の掃除に最適

         

        筆記具もいくつかのパーツで構成されているため、クリップ裏や胴軸とキャップの境目などホコリがつきやすい箇所があります。

        ブラシは筆記具のデザインで入り組んだ箇所などのホコリ取りに最適です。特にクリップ裏にはホコリが溜まりやすいので、ブラシでこちょこちょしてあげましょう!

         

         

        【特殊なクロスでのクリーニング】

        通常のめがね拭き用クロスではなかなか対処できない傷や汚れには特殊な効果が付いたクロスを使いましょう。プラスチック・レジン用クロスと金属用のポリマークロスがあります。

         

         

        プラスチック・レジン用クロスは樹脂軸の筆記具に最適です。超微粒子の研磨剤やツヤ出し剤を含んだクロスで、軽く拭くだけで小傷を目立たなくしたりツヤを出したりできるスグレモノです。ただし、めがね拭きと同じく力を入れてのゴシゴシはNG。軽く磨きたい部分に当てて軽くていねいに磨きましょう。

         

         

        注意点としては、新品の筆記具に使うとツヤが損なわれること。小傷を消したい、目立たなくしたい時やツヤを蘇らせたいときに使うクロスということで、長年使ってきた筆記具や買いたての中古品に使うことで効果大となります。

        筆記具の金属部分については金属用のポリマークロスを使います。

         

         

        金属用にも種類がありますので磨きたい金属の種類で選びましょう。スターリングシルバーのくすんだ軸を磨く場合はこのポリマークロスの出番です。

         

         

        ヤード・オ・レッド等のスターリングシルバー軸は保管期間により硫化して黒ずんでいきます。しかしポリマークロスで軽く磨くだけでこのようにキレイになります。ポリマークロスを使った後は軸に研磨剤やツヤ出し剤が着くので柔らかい布で拭いてあげて完成です。クロスの方は使った部分が黒くなりますが洗濯してしまうと研磨剤やツヤ出し剤といった有効成分が落ちてしまうので水洗いはNGです。

         ※めがねやカメラのレンズをこれらで拭くと逆に傷が付くので注意。

         

         

        【歯磨き粉でのクリーニング法】

        ここからは急に解説写真が多くなります()

         

         

        万年筆やボールペンのキャップリングやクリップリングなど、部分的に使われている金属部分を磨くときに私が使う方法です。

        本格的に綺麗にしたい時にはこの方法が一番!経年劣化で筆記具の金属部分が黒ずんでいる場合や、レザーのペンケースに入れていて変色してしまった金属部分に使うと効果的です。

         

        度々記事の中で書いていますが、レザーペンケースの中には内側に銀面(革の表面)を使っている場合と、床面(革の裏側)を使っているものがあります。私がいくつかのペンケースを試した経験上で、レザーペンケースの内側が床面の場合はなめし剤?の作用で筆記具の金属部分が腐食あるいは変色する可能性が高いです。※同じ床面でもスウェード処理してある革の場合は発生しない。

        もしそうなってしまった場合でも歯磨き粉を使えば、ピカピカの状態に戻すことができるのです!

        それではやり方です。

         

         

        今回は試しにマイスターシュテュックのキャップリングの黒ずみ変色(赤線で囲んだSとTの上の辺り)を直していきます。経年劣化やペンケースによる変色でよく見る個所ではないでしょうか。

         

         

        歯磨き粉を少量とり、磨きたい部分につけます。歯磨き粉はだいたいが白いので着けた場所が分かりやすくていいですね。

         

         

        爪楊枝や竹串など、先の細い物でていねいに擦っていきます。このとき力を入れすぎないこと。周りの樹脂部分を擦ると傷がつく恐れがありますので慎重に。汚れが取れてくると歯磨き粉が黒くなってきます。この歯磨き粉の色変化(白→黒)の、異様なまでの汚れ落ちてる感が心強い。

         

         

         

        あとは流水ですすぐか濡れティッシュで拭ったあと、から拭きして完成です。このように綺麗になりました!(SとTの上の部分)

        ちなみに真鍮なども歯磨き粉で磨くと綺麗になりますが、経年変化がリセットされてしまうので慎重にお願いします。

         

        万年筆に歯磨き粉かよー…と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、歯磨き粉は優れた研磨剤かつ人の口に入れるものなので清潔。しかも爽やかなミントの香りで作業モチベーションも上がります!筆記具の金属部分の変色が気になる方はぜひお試しを!

         

         

        【保管や持ち運び時】

        毎日大切に使うため、道具に敬意を払うために保管や持ち運びにも気をつけたいものです。大きめのペンケースにひとまとめに入れるのも効率的ですが、大切な万年筆などはやはり一本一本が孤立するペンケースの方が安心です。

         

         

        樹脂はデリケートな素材ですので筆記具同士が擦れ合うと簡単に傷がつきます。綺麗な状態で長く使うため、また、次のユーザーへ綺麗な状態で引き継ぐためにもペンケースに入れて持ち運びましょう。

         

         

         

        家ではペントレーや保管BOXに置くのがスマートです。私はペントレーを活用し、使いたいときにすぐに使える状態にしています。ペントレーの素材も経年変化が楽しめるレザーや真鍮製だとより気分も高まりますね。

         

         

        【まとめ】

        さて、いかがでしたでしょうか。様々なメンテナンス方法をご紹介しましたが役に立つものはあったでしょうか。玄人にはお馴染みのメンテナンス法ですが、万年筆ブームに乗って始められたかたや、長年引き出しにしまわれていた錆びた筆記具を出して改めて使ってみようという方に少しでもご参考になれば幸いです。ポリマークロス系においてはパッケージ裏の注意文をお読みいただき適正に使いましょう。歯磨き粉も本来の使い方ではないので、あくまで参考に。自己責任で行っていただくようお願いします。

         

        色々なメンテナンス法がありますが、一つ言えることは、万年筆については使い続けることが一番のメンテナンスだということです。貴重な限定モデルや歴史的価値のあるものは置いておいて、筆記具は使ってナンボですので毎日傍らにおいて、仕事でもプライベートでもガンガン使いましょう!

        そして感謝の念を込めて一日の終わりには磨いてあげてください。

         

        それでは今日も良い筆記具ライフを。


        2018.09.04 Tuesday

        1970〜80年代のモンブラン マイスターシュテュック146

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          みなさんこんにちは。久しぶりの記事更新となります。酷暑も和らぎ、朝晩は涼しさを取り戻してきました。万年筆を手に机へ向かうのに最適な気候になりつつありますね。

           

          さて、以前の記事でイル・ブセットの三本差しペンケースを取りあげました。このときモンブランのル・グランシリーズを三本差そうと心に決めていたわけですが、真ん中に収まるべき一本であるマイスターシュテュック癸隠苅兇未入手でした。少し前、その真ん中に入る一本を手に入れたのでレポートしていきたいと思います。

           

           

          私が入手した146は、現行モデルではなく1980年代のモデル。特徴は全金の14Kニブ、エボナイト2段芯、インク窓はクリアグレー、ピストン機構はプラスチック製です。オークションなどの中古市場でも比較的安価で美品が手に入る146。特に1970〜80年代のマイスターシュテュック146は書き味も柔らかく、質の高いモンブラン万年筆を楽しむ事ができます。よくネットで149と146の書き味を比較して、149は固めで146は柔らかめと表現されていますが、実際に書いてみて、なるほど と。私の手元にある149と146も、同じ製造年代ながらも146の方が書き味が明らかに柔らかです。

          私が体験したモンブランの万年筆の書き味でいうと、以前にレポートしたヴィンテージの癸横欧亮,暴世蕕いと感じました。しかしペン先の柔らかさでいうと、癸横欧留毛のような柔らかさの右に出るものはないと感じます。

          現行の146を持ち合わせていないため現行品との比較はできませんが、後半では上位モデルの癸隠苅后▲┘鵐肇蝓璽皀妊襪離ラシック145と比較しながらレポートしていきます。

           

           

           

           

          【146の外観〜キャップ〜】

          マイスターシュテュックの中ではミドルクラスの万年筆。太めの軸と相まってスタンダードながらも筆記バランスやインク吸入機構など、パンチの効いた一本となっていてファンも多いモデルです。さっそくキャップから見ていきたいと思います。

           

           

          こちらの個体のクリップの形状は「いかり」、クリップ先は「いなり」型です。70年代〜80年代のクリップ形状はクリップの肩が「なで」と「いかり」、クリップ先の留め具が「おにぎり」と「いなり」でそれぞれ2種類。「なで+おにぎり」の組み合わせが70年代初期のもので、「いかり+いなり」が現行に近い組み合わせとなっています。厳密には「なで→いかり」の移行期にあたる形状のものや、「なで+いなり」もあるようですが。これを年代ごとに集め始めると、もうモンブラン沼に胸のあたりまで浸かっているということになるのでしょう。

           

           

          クリップリングの背面方向に「GERMANY」の刻印。こちらについては「W-GERMANY」の刻印のものもあるはずです。90年以降のものについてはGERMANYに併せてシリアルナンバーの刻印がある個体も出始めますが、こちらは70年〜80年製造のためシリアルナンバーはありません。

           

          ちなみに以前のクレジットの「偽モンブランを掴まないための記事」に出てきた偽モンブラン164のクリップ裏に刻印された「MADE IN GERMANY」ですが、あれ以降そのような刻印が入った個体とは出逢っていないため、おそらくは偽モンブランオリジナル刻印(?)の可能性が高いです。確かにクリップリングにGERMANYと打ってあるのに、クリップ裏にまでMADE IN GERMANYなんてくどくどと打たないような気がします。しかしながら、正確な文献は無いため参考程度にお願いします。

           

           

           

          キャップリングの「MONTBLANC - MEISTERSTUCK 146 -」刻印は細字。Nooの下にアンダーラインが入っていますね。キャップリングに若干変色があるので見にくいかもしれません。※ちなみにイル・ブセットのペンケースですが、モンブランのペンを入れておいたところキャップリングに変色(腐食?)が発生しました。ペンケース内部底側のなめし剤?が作用している可能性があります。モンブランのペンを入れる場合はご注意ください。

           

          ボールペンもそうですがベルリンの壁崩壊前のここの刻印は細字の個体が多いです。個人的に太字よりも趣があるため細字の刻印の方が好きですね。現行品はこの刻印が太くなっています。

           

           

          【146の外観〜胴軸からペン先〜】

          胴軸からペン先にかけて見ていきましょう。

           

           

          70〜80年代の146のインク窓は透明グレー。現行の146は149と同じストライプのインク窓となっています。インクの視認性はもちろんのこと、ブラックやブルーブラックのインクを入れると窓が完全に消えるのもシブいですね。やっぱり吸入式はこういったインク窓があると便利です。

           

           

          字幅はF。ニブのデザインは全金で、「4810」「モンブランロゴマーク」「14K」「MONTBLANC」「585」の刻印があります。全金ニブかバイカラーニブかで大きく印象は変わりますね。全金のニブは装飾柄などはなく非常にシンプル。

           

           

          ペン芯はエボナイト製の二段。70〜80年代のペン芯はエボナイト製で、製造年によって段差があったりなかったりです。ペン芯が二段になっているところに切り込みが入っており、インクフローの良さに一役買っています。エボナイトという素材はインクとの相性が良いらしいのですが、製造コストが高いため現行品はプラスチックのペン芯に変更されています。

           

           

          太すぎず細すぎず。普通の1cm幅のノートに書くと「夏」のような縦長の文字は潰れがちですが、万年筆で書いた文字の味は楽しめます。それにしてもこの字幅にはミッドナイトブルーがよく似合いますね。

           

           

          手に持ったサイズ感はこちら。国産万年筆でいうとキャップを尻軸に差した長さがパイロットカスタム74とほぼ同じ。軸の太さはプラチナセンチュリー#3776に似ています。なので、普段カスタム74やセンチュリー#3776をお使いのかたであれば、柔らかい書き味も含めてヴィンテージの146も使いやすい万年筆ではないでしょうか。

           

           

          尻軸にキャップを差さない場合はかなり軽くなります。現行の146はピストン機構の金属化にあたり、キャップを差さない場合でもバランスがとれているのではないかと思います。あ〜現行146欲しくなってきた。(いかんいかん)

           

           

          尻軸をひねるとピストンが下がります。中に見えるネジが現行品だと金属に。それ以前はプラスチック製となっています。※50〜60年代初めのマイスターシュテュックはテレスコープという機構。個人的には寝かして書く派なので、軸はもう少し重い方がいいです。ということで現行品の146も気になってくるわけですね〜(いかんいかん)

           

           

          【ル・グランシリーズで比較】

          それでは、ここからは比較です。

           

           

          他のル・グランシリーズと並べてみます。キャップだけ見るとどれがどれだか分かりませんね…笑。

           

           

          軸全体で見るとこの通り。左からボールペン、万年筆、メカニカルペンシル。当然ですがこの統一感です。男女問わず人気があるのは、おそらくクラシック145だと思いますが、軸の太さ重さを踏まえた万年筆としてのバランスは間違いなく146だと思います。

          ボールペンとメカニカルペンシルは結構重量があるので万年筆が軽く感じます。もっとも、軽いのは70〜80年代の146であって、現行の146は胴軸のピストン機構が金属製のため、ボールペンやメカニカルペンシルと比べても遜色のない重さとなっています。

           

           

          【モンブラン万年筆で比較】

          次にマイスターシュテュック万年筆のシリーズで並べてみます。

           

          左から癸隠苅機↓癸隠苅供↓癸隠苅垢任后

           

          面白いのが、クリップの長さが3本とも同じということ。キャップを閉めたときの万年筆の全長もそれほど大差はありません。キャップリングの太さや尻軸のリングの幅も同じという統一感!比べてみて分かるのが、軸の太さと少しの軸の長さの違いだけで大きく印象が変わること。何年も続くモンブランマイスターシュテュックのデザインがいかに完成されたものかがうかがい知れます。モンブランと同じくサイズ違いでグレードの変わるペリカンのスーベレーンシリーズだと、クリップの長さ・大きさは軸の大きさに比例して大きくなっていきます。どちらがいいというものでもありませんが、ポケットに万年筆を挿した時でも仰々しくならないというのは良いことです。

           

           

           

          続いてホワイトスターの比較です。左から並びは先ほどと同じ。基本的にマイスターシュテュックのレギュラーラインは、軸の大きさに関わらずホワイトスターの大きさは同じです。私の持つ146と149の個体は少し小ぶりのホワイトスターのため、並べるとそれが目立ってしまいますが…。

          ペンケースを開いたときにこの雪が並んでいると楽しくなってきますね!

           

           

           

          最後はニブ比較です。146のみバイカラーではありませんが、ニブの大きさの違いは顕著です。ちなみに現行品は146がバイカラー、149が白帯(金・白・金)となっています。

           

          グレードに合わせてニブの大きさも変わりますが、ここまで分かりやすいと気分がいいです。146のニブの長さはちょうどペリカン スーベレーンM800やセンチュリー#3776のニブと同じ。149のニブと並ぶと小さく見えてしまいますが、筆記するのになかなか絶妙なサイズのニブだということが分かります。ニブのデザインですが、現行の146は145のような中白バイカラーとなっていて装飾柄も145と同じです。全金のニブもシブイですがやっぱり私はバイカラーのニブの方が好みですね。

           

           

          【まとめ】

          さて、さまざまな角度からモンブランマイスターシュテュック146を見てきました。晴れてル・グランサイズの万年筆・ボールペン・メカニカルペンシルが揃ったわけですが、マイスターシュテュックという万年筆を調べれば調べるほど、次の1本が欲しくなってしまうという悪魔のループがあることに改めて気付かされました。かくいう私もすでに現行品の146が欲しくなってしまっています。(いかんいかん!)シリーズを揃えるだけでは済まない、恐るべしモンブラン。

           

          やはり歴史が長いメーカーほど様々なバリエーションの万年筆が世に出ているため、いろんなバリエーションを手に取りたいという思いに取り憑かれてしまいます。そうなってしまうと危ないので、色々調べたうえで、これぞ!という一本を選んでみてはいかがでしょうか。きっと長いモンブランの歴史の中から皆様に合う一本が見つかるはずです。自分の生まれ年代の一本を探すのもありですね。

          それでは良い万年筆に出会えますよう!

          今日はこの辺で。


          2018.08.16 Thursday

          偽モンブランを掴まないための記事 【本物と偽物の比較】

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            こんにちは。

            突然ですが、次の3つのホワイトスターのうち偽物は Ν◆Νのどれでしょう?

             

             

            難易度は高めかも知れません。回答は後ほど。

             

            “ついに手にしてしまったモンブランの筆記具。いや、ついに手にしてしまったと“思っていた”モンブランの筆記具。使うにつれて沸いてくる疑問。ネットで調べていくうちに疑問は確信へと。そしてもう一本(正規品)購入へ…”

             

            今回はモンブラン マイスターシュテュック クラシックのボールペンの本物と偽物を比較レポートします。外観比較で使用するのは3本(+α)、

            マイスターシュテュック/クラシック・プラチナライン/ボールペン

            マイスターシュテュック/クラシック・ゴールド/ボールペン

            マイスターシュテュック/クラシック・プラチナライン/万年筆

             

             

            さて、オークションで手に入れたペンは本物か偽物かという疑問が付きまといます。推測するに、オークションで出回っているモンブランの筆記具の半分以上は、写真や状況から偽物(コピー品)だと考えています。

            手に入れた経緯を伏せてレポートすることもできるのですが、「情報を後世に残す」というこのブログのコンセプトから、他の誰かが同じような経緯で手に入れたペンがあった場合、真贋が少しでも明らかになるように共有していきたいと思います。

             

            モンブランのボールペンを正規ショップで買うことを考えると、オークションで落札したものは中古といえど格安なため、まともな商品であった場合かなりお得にゲットできたということになります。これはオークションの醍醐味といえますね。しかしながらその分リスクもつきまとうわけで…。ということで、今回のペンは新品ではなく中古美品。プラチナラインのボールペンの方は箱や説明書などはなくペンのみ、ゴールドの方は正規品の箱も説明書兼保証書もあり、プラチナラインの万年筆は正規品です。オークションで中古のものを手に入れた時点で、本物であってもどの年代のモンブラン筆記具なのか不明確であり、偽物である可能性も踏まえて自分なりにいろいろと調べ、そして使っていくうちに今回手にしたプラチナラインのボールペンは偽物と確信しましたので後述していきます。

             

             

             

             

            【真贋判定について】

            左のプラチナが偽モン、右のゴールドが本物

             

            さて、この偽モンブラン(以降:偽モン)ですがなかなかよくできています。ぱっと見は本物ではないかというクオリティです。

             

             

            自力でなんとか真贋判定しようと思いましたが、ネットにはシリアルナンバーなどの情報が少なく、近年偽物のクオリティも上がってきている(笑)らしいので、最終的にオークションで落札した品の真贋を正確に判定するにはモンブランブティックに持ち込むという方法しかなさそうです。確かに本物の定義をパキッと出すとそれをまたコピーされかねませんのでしょうがないのかも知れません。

            ということで、モンブランブティックが近くにないこと、本物の具体的な条件は公開されていない(らしい)ことを踏まえて、あくまで正規品とそれ以外(偽モン)の比較として、現在手元にあるモンブラン筆記具の違いを記録として残していきたいと思います。

             

             

            【スペック比較】

            本物:筆記時の全長140mm、軸径12mm、重さ23

            偽モン:筆記時の全長139mm、軸径12mm、重さ23

             

            左:偽モン  右:本物

             

            スペックを比べてみるとほぼ同じですが、手元の偽モンは全長が1mm短いです。

             

             

            ただし、ペンの全長などは製造された年代によって細かな仕様変更がされてるようで、これだけでは真贋判定できません。

             

             

            【外観比較/ホワイトスター】

            それではまず、外観の比較として天冠の部分からペン先へと順に辿っていきたいと思います。モンブラン筆記具の象徴といえるホワイトスター。お洒落ですよね。

             

            左:偽モン  右:本物

             

            ぱっと見は本物のように見えますが、細かく見ていくとホワイトスターの輪郭に滲みが見られる部分があります。ホワイトスターは角が丸められた正三角形が2つ重なったデザインをしています。この丸められた角の部分の仕上げが均等ではない(尖っていたりする)のが偽モンです。これはかなりまじまじと見ないと分からないレベルです。

             

            ということで、冒頭の問題の答えは,任靴拭

            正解できたでしょうか?

             

             

             

            また、このホワイトスターのある天冠部分は、本物はねじ式で取り外すことができます。ただ、これも正確な文献がなく、製造年代によって外れないものもある可能性がありますので、真贋判定の決定打ではないと思われます。

             

             

            【外観比較/クリップ】

            クリップの外見はほぼ違いがないように見えます。しかし厳密に見ていくとクリップ部分の仕上げが偽モンは甘いです。また、一番のポイントが「GERMANY」の刻印とシリアルナンバーです。私が今回、このプラチナラインのボールペンを偽モンと確信した要因のひとつがシリアルナンバーです。

            モンブラン筆記具のクリップ部の刻印には、ライカカメラのような角張ったデザインのフォントが使われています。

             

            左:偽モン  右:本物

             

            刻印の「GERMANY」の“A”の部分のフォントですが、偽モンが通常のAに対して、本物のAは上部が角張っています。もしかしたら製造年による仕様変更とかで過去の本物も通常のAである可能性はありますが、現行品のAは上部が角張ったフォントが使われています。また、製造年代によっては「W-GERMANY」(西ドイツ)と彫られているものもあるようです。

             

             

            そして、肝心のシリアルナンバーです。手元にある偽モンのシリアルナンバーは「IW1666858」。実はこれと同じシリアルナンバーのペンが世界中に存在しているようです。シリアルナンバーの重複に気づくにはGoogle検索で、「モンブラン XXXXXXXXXXはシリアルナンバーの数字の部分)」で検索するとヒットする確率が高いです。

             

            手元にあるシリアルナンバー「IW1666858」は海外の掲示板で発見しました。しかも現在もこれと同じシリアルナンバーのボールペンがヤフオクでも出品されています。※出品者も偽物(コピー品)と気づいていない可能性がある

            厳密にモンブラン筆記具のシリアルナンバーの構成や桁数については明記されていないので、アルファベットがどうとか、8桁なのか9桁なのかという部分についての定義は分かりませんが、普通に考えて同じシリアルナンバーは世界に二つとあってはいけません。ですのでシリアルナンバーは、真贋判断のひとつの有力な材料であることは間違いなさそうです。

             

            ※シリアルナンバーが付きだしたのは1989年のベルリンの壁崩壊後、東西ドイツ統合以降製造から(およそ1991年〜)とされていますので、クリップリングの刻印が「W-GERMANY」あるいは「GERMANY」(レーザー刻印ではない)の場合は、逆にシリアルナンバーが付いていないものが正と考えられます。

             

            次にクリップの部分ですが、正面から見た分についてはほぼ同じと前述しました。

             

            左:偽モン  右:本物

             

            クリップ裏側にも刻印があるのですが、偽物の刻印は「Made in Germany」、本物は「Pix®」です。ただこれについてもはっきりとした文献はなく、製造年によって変わっている可能性はあります。現にPix®に変わったのは1991年からとされています。これ以前の刻印は「Made in Germany」の可能性もあるわけですね。

             

            左:偽モン  右:本物

             

            クリップ部での本物と偽モンの違いは、クリップ性能にもあります。これは実際に厚手のポケットに挿してみないと気づかないのですが、横から見た形状についても若干異なっています。偽モンの方が矢印の部分が膨らんでいますね。このため厚めのポケットに挿すときに引っかかりが生じます。一方、本物はクリップの先に向けて緩やかにカーブしており、生地がクリップの奥へ入りやすいようになっています。このあたりのこだわり抜いた細かな仕上げも本物は流石です。使っていて気持ちいい!

             

             

            【外観比較/三連リング】

            ボールペンの真ん中の部分に当たる三連リングを細かく比較していきます。リングの間隔等は同じに見えます。

             

            左:偽モン  右:本物

             

            違いは刻印の深さ。刻まれた文字の深さというかくっきり度が、偽モンの場合薄いです。手元にある偽モンの「Pix®」の部分は読むのが難しいほど薄いです。

            これは偽モンの万年筆にも言えることですが、全体的に刻印が薄い。ニブの刻印などを見れば一発で分かるレベルです。また、字体の大きさが偽モンの方が大きいです。

             

            左:偽モン  中:本物  右:本物(万年筆)

             

            一番太い真ん中のリングを細かく見てみると、まず上下がライン取りされています。真ん中のスペースに「MONTBLANC-MEISTERSTUCK-Pix®-」と刻印してあります。“A”“U”の特殊なフォントは本物も偽モンも同じ。ただ、文字が掘ってある上下のラインとのバランスが悪いのが偽モン。そして、この三連リングのあたりの仕上げが雑なのが偽モンです。黒い樹脂の部分を見てみると歪みがあります。本物はこういった歪みはなく細部まで美しい仕上がりです。

            ただ、今まで比較してきた部分も、実際使ってみたり遠巻きで見ただけではまるで気づかないレベルまできていて、偽モン恐るべしと言わざるを得ません。

             

             

            【外観比較/口金】

            左:偽モン  右:本物

             

            最後は口金の比較です。偽モンを使ってみて最初に違和感を覚えるのが筆記感かも知れません。ペン先を見ると口金が分厚く、リフィルに対しての穴も大きいので筆記時にペン先がブレます。これはいただけません。

             

            上:偽モン  下:本物

             

            口金が分厚いためにペンポイントも若干見にくくなっています。最初から装填されていたリフィルも本物なのかどうなのか分かりませんが、印刷されているロゴなどの文字が滲んでいました。このままでは使いづらいので、リフィルの先にマスキングテープを巻いて口金との隙間を埋めて使っています。また、私の手元にある偽モンは大丈夫なのですが、偽モンの中にはフィリル交換の際、同軸からバネが出てくるそうです。そうなってくると軸のクオリティーはその辺の100円ボールペンと同じですね。

             

             

            【まとめ】

            さて、今回、手にした偽モンを隅々まで確認してきました。ぱっと見は本物に近いですが、様々な作り込みが偽モンでした(偽物なので当然と言えば当然ですが…)。ネットでモンブランを購入するときは注意が必要です。特にオークションなどはかなりの確率で偽物に遭遇するリスクがあるので、しっかりと見定めましょう。

             

             

            ◆オークションで偽物を見抜くためのまとめ◆

             

            _菫でシリアルナンバーが確認できない場合は質問する

             偽モンは詳細な画像を載せていない場合がほとんどです。ピンぼけや引いて撮影してある画像は要注意。

             よく「専門的な知識がないため質問には答えられない」といった出品者がいます。専門的な知識がなくても シリアルナンバーの確認くらいできるはずですので、質問してみて何らかの回答をしてこない出品者は怪しいです。

             

            同様に、クリップ裏の刻印の確認、ボールペンについては天冠の部分が外れるかを確認

             これも専門的な知識がなくても現品が手元にある出品者なら確認できるはずです。

            ただ、前述したようにクリップ裏の刻印が無いからといって偽モンという判断はできません。ベルリンの壁崩壊以前のモデル(クリップリングにW-GERMANYまたはGERMANYの刻印のみ)についてはもともとクリップ裏の刻印が無い可能性が高いです。

            現行モデルでいうと、角ばったフォントのGERMANYと同フォントのシリアルナンバー、キャップリングのPix®とクリップ裏のPix®、この4点が揃っていることが本物の判断基準と言えそうです。 

             

            出品者の評価や出品リストを見る

             偽モンを取り扱う出品者は、種類を変えてモンブランのペンばかりを出品していたり、評価数も50以下というケースが多いです。専門知識のない個人出品者でモンブランのペンを大量に持っているというのは一般的にありえない話です。専門知識のあるモンブランマニアが大量のモンブランを持っているならまだしも、です。

             

            そ佗覆気譴討い襯皀妊襪箏身屬鮓極める

             近年、偽モンのクオリティも上がってきていると書きましたが、それ以前に出品されているモデルが本当にモンブラン筆記具のラインナップにあるものなのか、これを最低限見極める必要があります。見極めるといってもモンブランのサイトを見るだけなのですが、明らかにラインナップに無いおかしな軸色をしたマイスターシュテュックや、ペン先のおかしなスターウォーカーの万年筆や、細かいところでマネし切れていないアガサクリスティーモデルやヘリテイジモデルなどなど。パッと見ただけでも相当な数のモンブランの偽物が出品されています。まず最初のフィルターとして、そこには引っかからないようにしましょう。

             

             

            入札する前にこの4つを押さえるだけでも、偽モンをかなりの確率で避けることができるはずです。また、ネット上には堂々と「モンブランコピー」とうたって模造品を販売しているサイトもあります。定価を切る値段(ボールペンであれば3万円以下)で販売されている場合は疑った方がよさそうです。

            悲しいのは、偽モンが溢れているせいで偽モンを本物と思って気づかず使ってしまっている方がいるということです。偽物が出回ることで本物の価値を下げてしまいます。本物のモンブランは素晴らしい筆記具です。決して安くはない買い物ですが、本物を使いましょう!

            以上、モンブランボールペンのレポートでした。

             

             

            【番外編:偽モンとそっくりさん?の比較】

             

            比較の番外編として、今回の偽モンとなぜか職場にあったヒルトンホテルのアメニティー?とおぼしきボールペンを比較します。なぜ比較するかというと、そっくりさん?は明らかにモンブランのボールペンを意識している(と思われる部分がある)からです!

             

            【外観/キャップ部】

             

             

            ペン自体の長さはほぼ同じ。素材はプレシャスレジンではなく、見るからに普通の黒いプラスチックです。一番のそっくりポイントはこのクリップの形状!天冠に白いマーカーで星を書きたくなります()

             

             

            クリップは似せながらも回転式ではなく、オリジナリティーのあるノック式!キャップをノックして芯を出す方式です。そして見た目の重厚感?とは裏腹に、わずか約10gという軽さ!

            ヒルトンホテルに宿泊した際はこのボールペンに出会えるかもしれません。

             

             以上、モンブラン マイスターシュテュック/クラシック ボールペン(+α)の比較レポートでした。モンブランは筆記具沼の底と定義していたので、これで私の筆記具道楽は一段落ついたと言っていいです。※あくまで一段落なのでまだまだ欲しいものはあります

            ではまた!


            2018.07.24 Tuesday

            至高のシャープナー!エル・カスコ M430-CN の使い方

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              夏本番となり、朝晩冷房無しでは過ごせなくなってきました。いささか机に向かうのが億劫になる気候ですが、いかがお過ごしでしょうか。夏の暑い夜はどこかの高校生のように、部屋にこもって汗をだらだら流しながら鉛筆で建築物を描くのがお勧めです。そんなときは、ペットボトルに入った冷たい水と何本かの鉛筆、そしてモチベーションが上がる鉛筆削りが欠かせません。

               

              以前、モチベーションが上がるポケットシャープナーをレポートしましたが、今回は「ポケット」ではない方のシャープナーをレポートしていきたいと思います。このシャープナーは前々からずっと欲しかったのですが、その値段からなかなか手が出ず見送っていました。しかし、ずっと気になっていたモノをそのままにしておくわけにはいきません。

              オークションで状態の良い物がお安く出品されていたのでポチリ。晴れて迎え入れることができたわけです。

               

               

              そのペンシルシャープナーは、エル・カスコのシャープナー「M430-CN」。

              コンパクトでありながらこの重厚感。おそらくこれ以上の鉛筆削りは無いでしょう。

              ネットにもそれほど情報が無いので使い方と細部をレポートしていきます。

               

               

               

               

              エル・カスコ「M430-CN」のデザインと特徴】

              エル・カスコはスペインのメーカーで1920年に創業されました。ヨーロッパの文房具メーカーというと大体は、ドイツかイタリアかイギリスか…といったところですが、こちらはスペイン。やはり人間の書くという行為において培われてきた長い歴史は、どの国にもあるようです。エル・カスコ社もデスクトップアクセサリーの老舗で、その重厚かつ高級感溢れる文房具でコアなファンが多いメーカーです。シャープナーの他では独特な形のステープラーが有名ですね。ステープラーについてもいつか手に入れたらご報告します。

               

               

              特徴としてまず目に入るのが、クロームのハンドルに輝く木製の持ち手ではないでしょうか。昔からある一般的なシャープナーの形ですが、素材やデザインが違うだけでこうまで削りたい欲求が変わってくるとは…。このシャープナーと対峙したとき、とりあえず無言で木製の持ち手をつまんでしまうことは避けられません。木に触れたい衝動はもはや人間の生理現象と言えます。

               

               

              クロームの部分はピカピカに磨かれ、前面にはエル・カスコのロゴが。これがまたかっこいい。ファーバーカステルといいエル・カスコといい、なんでこんなにメーカーロゴがかっこいいんでしょう!ロゴと言うか、もうエンブレムですね。ちなみに裏面はプレーンなクロームとなっています。

              指紋はつきますが、使用後のメンテナンスとして柔らかい布で優しく拭いてあげましょう。

               

               

              ハンドル部分には削り具合を調整するつまみがついていて、4段階に変更することができます。ローレットの入ったノブを引き出して回転させてマークを切り替えます。マークは上に行くほど長く削れるようになります。これについては最後の項で比較しながら見ていくこととします。

               

               

              鉛筆を差し込む部分は、よく見るつまんで開けるタイプです。鉛筆は日本製のようにガチガチにロックれません。

              続いて上面を見てみましょう。

               

               

              窓があります。

              なんと、ここから鉛筆が削られるメカニズムを見ることができます。なにもそんな窓付けなくても…、という声が聞こえてきそうですが、これがなかなか面白いのです。

               

               

              ドリルが幾重にも配置されていて、ハンドルを回すとまるでピタリと合った歯車のようにくるくると回る様は鉛筆を綺麗に、そして早く削ることに情熱を傾けてきた、メーカーの歴史そのものではないかと思うのです。

               

               

              そして削られた木と黒鉛は真下の引き出しへと落ちてゆきます。かなりの大容量。いったい何本の鉛筆を削り終えればこの引き出しがいっぱいになるのでしょうか。

               

               

              引き出しには大きめの持ち手。そして持ち手の上には芯の仕上がりを調整するためのヤスリが設けられています。まさに鉛筆への愛情が生み出した、完璧なシャープナー。

               

               

              台にはレバーがあり、レバーを動かすことで本体と机を吸着し固定する仕組みです。平らな机でないと効果がありませんが、ピタリと吸着すると微動だにせず素晴らしく削りやすいです。

               

               

              【「M430-CN」の操作方法】

              それでは次に操作方法です。

               

              ・鉛筆の仕上がり具合を調節するレバーを引き出し、好みの位置まで回転させて合わせます。

               かなり強めのスプリングが入っていますので力強く引っ張らないといけません。

               

               

              ・机などの平らな台に置き、台座のレバーを手前から奥(もしくは奥から手前)にゆっくり倒して吸着させます。

               

               

              ・静かにロックレバーをつまみ、鉛筆を確認したらチャック部に差し込みます。

               

              ・本体は机にピタリと吸着しています。鉛筆の端を軽く握り、チャック部に向けて軽く押しながら右手はハンドルに。

               

              ・ハンドルを回すとゴリゴリと大きめな音を立てながら鉛筆が削られていきます。ハンドルを通して伝わる鉛筆が削れていく感触を楽しみます。

              目を閉じ削り上がりを想像しながら、じっくりとコーヒーを挽くように回しましょう。鉛筆が削れるときに漂う木の香りを楽しむこともお忘れなく。半分ほど削れる感触を楽しんだら、次は上部の丸い窓から鉛筆が削られていく様を眺めつつ削ります。

               

              ・削り終わるとハンドルを回す手応えが軽くなるので、再びロックレバーをつまみ ゆっくりと鉛筆を抜きます。

               

              ・鉛筆の先には削りカスがついているので、引き出しの上部にあるヤスリで鉛筆のカスを落とし、必要に応じて芯の尖り具合を整えましょう。

               

               

              ・引き出しに削りカスが溜まってきたら捨てます。

               

               

               

              【4段階の削り具合の調節と比較】

              前述したように、エル・カスコ/M430-CNにはハンドルに鉛筆の削り上がりを調節するレバーがついています。かなりアバウトな表示ですが、実際どのように変化するのか比較してみます。

               

               

              ちなみに日本製の鉛筆削りのようにピンピンには尖りません。日本語を書くのに苦労するのでは?とも思いましたが、意外と大丈夫。前回のレポートにも書いたように、ある程度芯の太さがある方がとめ・はね・はらいも書きやすいですし、意外と細い字も書けます。

               

               

              今回用意したのはトンボのMONOR、2B鉛筆4本。2B鉛筆は削ったときの木軸と芯のバランスが一番良いように感じます。

              それでは、ハンドルについている調節レバーを下から順に切り替えて削っていきます。

               

              ・一番下のマーク

               

               

               

              ・下から2番目のマーク

               

               

               

              ・上から2番目のマーク

               

               

               

              ・一番上のマーク

               

               

              それぞれで削ったところ、画像のような結果となりました。鉛筆はかなり湾曲して削れています。それはまるで中世の槍のようなシルエットだと思いませんか?

               

               

              別々だと分かりにくいかも知れませんので、4本並べてみました。下から上に行くほど長く削れているのが分かりますね。一番下と一番上では芯の長さが4mmも違ってきます。鉛筆を尖らせるためではなく、芯の長さを調節するための機能だということが分かりました。分かったことが、一番下が一番スタンダードな削り長だということです。一般的な鉛筆削りだとだいたい一番下のマークくらいの長さに削れるかと思います。

               

               

              対象的に一番上のマークだとかなり長くなり、長時間の筆記やスケッチに向く鉛筆に仕上がります。2Bという柔らかめの芯だからか、少し強めに筆圧を加えても折れるということはありませんでした。

               

               

              若干 閲覧注意な絵面ですが、削りカスも細かく、削られた木のひとつひとつが小さな螺旋を描いています。鉛筆の削れ方と削りカス、どちらも非常に優美な仕上がりとなります。

               

              さて、今回はついに手にしてしまった究極のシャープナー、エル・カスコのM430-CNをレポートしました。個人的には満点なシャープナーなのですが、こんなものを手に入れてしまったら 今度はファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシルが欲しくなってしまう…。あの美しい木軸を中世ヨーロッパの槍みたいに削ってみたい!という欲望が沸いてしまうのでした。すでにパーフェクトペンシルを持っている方は要注目なシャープナーであることは間違いありません!

              M430-CNについて、現在は廃盤となっているため中古かデッドストックの入手となりますが、鉛筆好き・シャープナーファンにはたまらない逸品です。様々なギミックとこだわりが見られる素敵なシャープナー。どこかで見つけたら、ぜひ持ち帰りデスクの片隅に置いてみてはいかがでしょう。

               

              ではまた。


              2018.07.23 Monday

              クラシカルな複合ペン!カヴェコ DIA2 (Kaweco Mat)

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                “一本のペンでビジネスを効率的に”

                複合ペンが初めて登場した時に こんなキャッチがあったかは知りませんが、自分がはじめて複合ペンを知って使ってみたときすごく便利で革新的だったことを覚えています。一番最初に出合った複合ペンは小学生の時、親戚の海外旅行のお土産でもらった、7色を切り替えできる超太軸のレバー式複合ペンでした。絵を描いて色を塗るときは、色鉛筆ではなくてその7色ボールペンをいつも使っていた記憶があります。

                 

                 

                就職してから筆記具に目が向き始めて、少しいいのを持ちたいと買ったのがゼブラのシャーボX。シャーボX(LT3)のリミテッドエディションが複合ペンでありながら細軸で、しかも総金属製のため堅牢。軸の色も今までの筆記具のような野暮なデザインではなくお洒落な色が揃う、筆記具の新しい時代を感じさせる仕上がりでした。シャーボXは今もプライベートバッグの中に忍ばせています。

                今こそ様々な複合ペンが発売されていますが、どれも私にはデザインが魅力的に感じられず複合ペン自体から遠ざかっていました。そんな折、いつも利用する文房具店のショーケースを眺めていると一本の気になるペンが…。そのときは気に留めるくらいで帰ったのですが、次の日どうも気になってしまう。

                 

                メーカーはカヴェコ。そのペンのことを色々調べていくと、軸の刻印からどうも複合ペンらしい。

                 

                再度、文房具店に足を運ぶ。複合ペンらしからぬクラシックなデザイン…。これはいいモノだと確信し、すぐさま店員さんを呼んでショーケースから出してもらい試筆させてもらった次の瞬間、ペンを握りしめレジに並ぶ自分の姿があるのでした。

                そのような経緯から、今回レポートするのはカヴェコの複合ペン「DIA2」。同じ複合ペンのシャーボXやその他ボールペンとの比較を交えながらレポートします。

                 

                 

                 

                 

                【カヴェコDIA2のデザイン】

                カヴェコというメーカーについては、以前レポートしたペンシル スペシャルの記事で紹介済みのため割愛します。

                 

                 

                まずは軸全体から。このクラシカルなデザインがたまりません。アールデコ調の太軸で樹脂製、芯の繰り出しは回転繰り出し式。

                 

                 

                早速、手元にある同じ複合ペンのシャーボXと比べてみましょう。シャーボX(LT3)の軸径は9.2mm、重さは19.8g。一方、DIA2の軸径は13.4mm、重さは37gです。同じ複合ペンでも、こうもサイズと重さが違うというのが面白い。携帯性を重視するなら間違いなくシャーボXですが、筆記の手応えや満足感はDIA2に軍配が挙がります。DIA2は筆記具の中でもかなり重い部類に入るのではないでしょうか。

                胴軸がアクリル樹脂の割にずっしりとしているのはキャップ側の芯繰り出し機構やクリップが真鍮製、首軸の内側にも金属が使われているためです。金属製筆記具のような重厚感でありながら、樹脂軸の持ちやすさが楽しめる。なかなか深いペンとなっています。

                 

                 

                DIA2と同じくらいの軸径のペンはというと、パイロットのカスタム74がありますね。カスタム74は軸径13.8mm。重さは全然違いますが、長さも142mmDIA2と同じ。

                 

                 

                キャップにはリフィル切り替えのマークである「.7←R→B」が。.70.7mmのシャープペンシルを表しています。Rはレッド?でしょうか。デフォルトではオレンジのマーカーが装填されています。Bはブラック。通常の黒ボールペン。

                 

                 

                このRのオレンジマーカーがなかなかに珍しい!だいたいの複合ペンでは赤が一般的ですが、オレンジの蛍光インクが入ってます。

                 

                 

                気になって購入した文房具店に聞いたところ、換えのオレンジリフィルは一本だけ在庫があるとのこと。しかしかなりの経年品のためインクが出るかは不明だそうです()

                Amazonでもカヴェコの4Cリフィルは取り扱ってないさそうですし、オレンジが無くなったら大人しくゼブラの4C芯でも装填することにしましょう!まずは珍しい油性オレンジを目一杯楽しみたいと思います。

                 

                 

                 

                キャップトップにはカヴェコのロゴと樹脂のリングが。この樹脂リングのローレットがデザインのポイントです。

                 

                 

                カヴェコのロゴはペンシル スペシャルのものと大きさは同じ。

                 

                 

                クリップはアウロラのペンようにアールが効いたデザイン。88と比べて曲がり具合はほぼ同じといえます。個人的にこの優雅な曲線のクリップが大好きなのです。

                 

                 

                珍しいのはクリップにメーカー名が刻印されているところ。それでいてごちゃごちゃはせず、ちゃんとデザインの一つとしてまとまっているところが良い意味で憎らしいです。クリップの先もギターのネックか、はたまたウナギイヌのしっぽかといったデザインが施されておりとてもお洒落ですね。

                 

                 

                裏に回ると「Kaweco Mat  GEAMANY」の刻印。これはプリントではなく彫り込んであるうえに白インクで墨入れしてあるという凝った作り。ここ、ポイント高いですよ!

                それにしても、このペンの名前をネットで調べるとDIA2複合ペンでヒットしますが、実際の名前は「DIA2」ではなく、「Mat」ではないかと。見た目は確かにDIA2のボールペンやメカニカルペンシルと同じですが、「Kaweco Mat」と書いてあるので呼び名はMatでもよいのではないかと思います。

                 

                 

                キャップリングは丸く加工された二重リングとなっていて豪華さを演出。カヴェコのエントリーモデルである「スチューデント」は太いリングが一本ですので、上位モデルたる威風堂々とした佇まいとなっています。

                 

                 

                ペン先もキャップトップと同じように、ローレットが刻まれた樹脂リングとクロームのリングが施され良いアクセントとなっています。個人的にはこの丸みを帯びた口金よりもDIA(初代)のようなまっすぐな口金が好みですが、複合ペンということで口金のデザインは丸みがあった方がいいのかも知れません。

                 

                 

                【カヴェコDIA2のリフィルについて】

                先ほども少し触れましたがリフィルについて。

                 

                 

                規格は複合ペンでも一般的な4C芯を使います。モンブラン+リフィルアダプターの記事で大量に4C芯を買ってしまいましたが、今回良い使い道ができました。しかし様々な4C芯を試したところ なぜかゼブラの4C芯は使えず。装填はできますが、首軸をセットして芯を繰り出しても何かに引っかかって芯が出ません。何回か試したのですがやはりダメ。規格は同じはずなのになぜでしょう…。

                三菱uniのジェットストリームはいけましたので、オレンジがなくなったらあえて色芯にはせず、低粘度インクと油性インクのダブルブラックで運用したいと思います。

                 

                 

                シャープペンについては0.7mm芯で、どのメーカーのものにも適合します。キャップの上部を外して芯を装填するタイプではなく、ペンシルユニットを外して芯をパイプに補充します。

                 

                 

                当然ながらシャーボXのペンシルユニットとは互換性がありません。キャップノックの感じはペンシル スペシャルのような軽快さは無く、少し重めのノック感。このペンシルのノック感は正直いまいちですが、このペン全体の評価を下げるほどではありません。

                各リフィルへの切り替えもひと動作ごとにガチッとした感触で、芯切り替えの時の音は大きめですが変形ロボのようなかっこよさがあります。シャーボXの芯切り替えが無音でぬるっと切り替わるのに対して、全く正反対と言える動作音。無口で不器用な男性に似合いそうな複合ペンではないでしょうか。

                 

                【まとめ】

                さて、今回久しぶりに複合ペンを手に入れた形となりました。やはり便利ですね、複合ペン。持ち物を最小限に抑えたいときは、まずこのペンの出番かと思います。隠れ金属軸でずっしり感がありながら、樹脂軸でグリップ感よし。太軸なので筆記が安定し指に余計な力が入らないので疲れない。そして何よりもアールデコなデザインが、今までの複合ペンに無かった持つ喜びも与えてくれます。しかしながらDIA2のシリーズは文房具店でも見かけることが少ないです。カヴェコを取り扱う店舗が少ないだけかも知れませんが、廃盤品の可能性もあるため、気になる方は文房具店で見かけたらゲットしてもよいかも知れません。

                それでは、また。

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                2018.07.11 Wednesday

                カヴェコのペンシル スペシャル 【シャーペンの名作の使い方と、とある比較】

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                  みなさん、順調に手書きを楽しんでいますか?私は万年筆に出会い、普段生活で手書きする機会を増やしてから、改めて日本語の美しさと文字の「とめ・はね・はらい」を意識するようになりました。万年筆の柔らかなペン先で書く日本語は、この「とめ・はね・はらい」が書きやすく、書いた字が普段よりうまくなったように思うんですよね。

                   

                   

                  それからというもの、ボールペンでも鉛筆でもシャープペンシルでも、日本語を書くときは「とめ・はね・はらい」を意識して書くようになったのです。仕事中は殴り書きのような文字になることが多いですが、自分の書いた字が他の人に少しでも読みやすいようにと頭の片隅に置きながら字を書くようにしています。大袈裟に言うと、万年筆はそうした仕事に対する心の変化をもたらした筆記具と言えるのかも知れません。それにともなって文字の太さも、万年筆で太めの字を書いているからか、学生の頃とは違って太めのボールペンリフィルやペンシル芯を選ぶようになりました。やはり太い字の方が「とめ・はね・はらい」が目立って、綺麗な字が書けたように感じるんです。

                   

                  今回記事にするシャープペンシルも、もともとは0.3mm0.5mmの字幅が好きだった自分が、万年筆の影響で0.7mm以上の太字を使うように変わっていった筆記具のひとつです。そもそも日本語(特に漢字)は細字であればあるほど書きやすい文字ですが、書きやすさではなく日本語の美しさを表現するという部分に関して、太字の方が適していると感じます。

                   

                  今回レポートする筆記具はシャープペンシルの名作とされるカヴェコの「ペンシルスペシャル 0.7mm」。

                  そう、今更ですがカヴェコの「ペンシルスペシャル」。

                   

                   

                   

                   

                  【ペンシルスペシャルの外観】

                  メーカーのカヴェコについて ものすごく簡単に書くと、1883年にドイツで創業、1976年に廃業しています。その後1995年に同じくドイツのグットバレット社によって復活(復刻)されました。万年筆だとクラシック スポーツというコンパクトなモデルが有名です。シャープペンシルだとペンシルスペシャルが知られていて、まるで八角形の鉛筆のようにシンプルで軽く書きやすいのが特徴です。

                   

                  それではまずお洒落なパッケージから順に見ていきましょう!

                   

                   

                  カヴェコの万年筆が描かれた、洒落たデザインの缶ペンケース。小学生の時に使っていたカンペンを思い出しますね。デザインもなかなかノスタルジーで、このままペンケースとして使うこともできそうです。

                   

                   

                  開くとペンシルスペシャル登場。ペンは斜めに入っています。初見はかなり重厚感のあるペンシル。

                  取り出してみると見た目とは裏腹に驚くほど軽いです。この軽いか重いかという部分においては、個人によってかなり差があるようでして…。軽いという人もいれば、ずっしりしているという人もいる。おそらくですが、万年筆やボールペンを普段使っている人からすると「軽い」で、学生さんのように普段から鉛筆やシャープペンシルを使っている人からすると「ずっしり」となるのかと。

                  軸の素材はアルミで、キャップの部分が樹脂、口金が真鍮となっており、異なる素材が絶妙なペンのバランスを作っています。

                   

                   

                  口金の形状は初期のパイプ一体型モデルですが、現行品は銀色のガイドパイプパーツに変更になっており強度が増しているそうです。口金の素材が真鍮というのが一つのポイントではないかと思うのです。リアに向けてアルミ&樹脂という軽い素材のため軽くなりすぎてしまうところを、口金部分の真鍮素材のおかげでうまくペン全体のバランスが取れているように感じます。

                   

                  異素材に加え、表面処理も考えられています。軸のアルミ部分は半光沢のラッカー塗装でスベスベ。口金部分はマットな処理でザラザラした手触り。キャップは樹脂のため滑りにくく、芯出しの際は丸い形状と相まって非常にまろやかなノック感です。

                   

                  軸の形状は八角形で持ちやすさとデザインを両立させています。この軸の表面処理でもし丸軸だったなら、かなり滑って持ちにくかったことでしょう。かといって鉛筆のような六角形にすれば、カランダッシュの存在に埋もれていたかもしれません。

                   

                   

                  軸には「Kaweco Special 0.7 Germany」の文字。この半光沢処理とシルバーの文字のコントラストが絶妙です。

                   

                   

                  キャップは樹脂で、時計のリューズのような形をしています。カヴェコといえばこのアールデコ調のキャップデザインですね。ロゴは金属です。

                   

                   

                  このキャップの丸み・大きさもノックのしやすさと深く関わっていて、親指のどの位置でも安定したノック感が得られるよう考えられています。

                   

                   

                  キャップを外せば中には小さな消しゴム、さらに消しゴムを外せば芯を入れる穴が出てきます。このあたりは普通のシャープペンシルと同じですね。このシャーペンに付いてる消しゴムの本来の役割というのは字を消すという事ではなく、ある意味精神安定剤のようなものなのかも。

                   

                   

                  ペンは口金を回せばこのように分解することもできます。そこにあるのは口金一体型のペンシルユニットと胴軸、キャップのみというシンプルな構造です。

                   

                   

                  【ペンシルスペシャルの筆記感】

                  ペンシルスペシャルには4種類の字幅に対応した軸が用意されています。0.5mm0.7mm0.9mm2.0mm4種類。

                  0.5mmがおそらく日本で一番普及している字幅ですので太字寄りのラインナップです。私は先の理由もあり太字寄りの0.7mmをチョイスしました。0.9mmは以前にもレポートしたマイスターシュテュック ル・グランがメインで、それ以上の太字はファーバーカステルのエモーションペンシル(1.4弌法△泙燭1.18mm芯を使うヴィンテージペンシルで事足りるからです。

                   

                  筆記感ですが、ペンのどこを持って筆記するかで書きやすさが変わってくると感じます。私は万年筆を使い出してから軸の上の方を持つように持ち方が変わったのですが、その持ち方でペンシルスペシャルを握ると滑って書きにくく感じました。アルミ軸に半光沢塗装によるスベスベ感触の影響かと思われます。

                   

                   

                  人によってペンの持ち方は様々ですが、大体の方は中指で筆記をコントロールしているのではないでしょうか。かくいう私もそうなのですが、中指が軸(アルミのスベスベ部分)にあるとなんだか滑って心許ないのです。

                   

                   

                  そこで中指を口金部分に乗せ、人差し指と親指で軸をつまむ、という持ち方にするとグリップ感が増し、安心して書くことができました。

                   

                   

                  または、ペンを支える三本の指すべてを口金部分にあてて握るといいかと思います。ただこの持ち方は指に余分な力が入るので、長時間筆記すると親指の付け根が痛くなってきます。

                  せっかくなので芯の太さに由来する文字の太さを比較しましょう。

                   

                   

                  上から、ペンシルスペシャル0.7mm、エモーションペンシル1.4mm、マイスターシュテュック0.5mm、マイスターシュテュック0.9mm

                   

                  同じ文字を書いてみました。こう比べると違いが一目瞭然ですね。私は濃い線が好きなのでBもしくは2Bの芯を入れています。鉛筆をメインで使っていた小学生の時は、日本語の「とめ・はね・はらい」ということを意識することなく書いていましたが、こうして意識して書いてみると黒鉛の芯で書く文字も濃淡が出てメリハリのある文字になることが分かります。

                   

                   

                  【おまけ〜ある筆記具との比較〜】

                  この軸の太さ・重さが何か他の筆記具と似ているなーと思い、探していたら…、

                   

                   

                  ありました!

                   

                   

                  ファーバーカステル9000番記念缶の中にある、使い道の難しい極太軸の鉛筆!これと軸の太さが似ています。

                   

                   

                  分かりやすいようにペンシルスペシャルのキャップを外した状態で比べてみると、この通り。ペンシルスペシャルは八角形、9000番は六角形ですが軸径はピッタリ。

                   

                   

                  二本並べてみても同じ事がうかがえます。鉛筆の削ってある部分から芯の先までの長さと、ペンシルスペシャルの口金の長さも同じです。

                   

                   

                  この超極太鉛筆を実際に使っている人はほとんどいないと思われますが、大きさ・太さの参考になればと思います。

                   

                  久しぶりに仕事でシャープペン帰りするビジネスマンに、また、勉強用の筆記具を鉛筆からシャーペンにアップグレードさせる中学生の方にもとっつきやすいシャープペンシルではないでしょうか。普通の鉛筆よりも若干太めの軸に、口金の素材によるペンの筆記バランス。まさに日常の筆記習慣を通じて「シャープペンシルの名作」を感じることができるかと思います。

                  以上、今回はカヴェコのペンシルスペシャルのレポートでした。

                   

                  ではまた。


                  2018.07.04 Wednesday

                  チャールストンとエキスパートエッセンシャル 【ウォーターマン ボールペン比較】

                  0

                    こんにちは。

                    今回は前々から気になってはいたものの、手に入れていなかったペンのレポートです。いろんなペンを入手して、書いてみて、その情報を残すのが当ブログのコンセプト。まだまだ取り上げていないメーカーのペンがたくさんあります。その中からウォーターマンを取りあげたいと思います。なぜウォーターマンかというと、ずっと気になっていたボールペンが手に入ったからに他なりません。

                    そして実際に書いてみて、素晴らしい書き心地に心が躍りました!

                     

                     

                     

                    今回レポートするボールペンは、

                     

                    ・チャールストン/ブラックCT

                    ・エキスパートエッセンシャル/ブラックCT

                    ・エキスパートエッセンシャル/ブラックGT

                     

                    の3本。

                     

                    私が気になっていて最近手に入れたのがその中のチャールストンです。このペンがたまりません!堪らないポイントは追々レポートしていきます。

                     

                    左から、チャールストン、エキスパートエッセンシャル(現行)、エキスパートエッセンシャル(旧モデル)

                     

                    また、エキスパートエッセンシャルについては旧モデルと現行モデルの比較をしていきます。新旧の変更点は天冠のデザインだけではありません。そのあたりを詳しく見ていきます。

                     

                    それでは、3本のボールペンを比較を交えながら見ていきましょう。

                     

                     

                     

                     

                    【チャールストン】

                    それではこの中では一番のお気に入りであるウォーターマン チャールストンを見ていきましょう。ペンのスペックは以下のとおり。

                     

                     

                    長さ:135mm

                    重さ:26g

                    軸径:12mm

                    筆記スタイル:回転繰り出し式

                     

                    ウォーターマンのボールペンというと様々な種類がありますが、だいたいのボールペンが金属軸です。それはそれで重量感や高級感もあり良いのですが、真鍮にラッカー塗装という仕上げ上、どうしても筆記時に滑りやすい。以前にも当ブログで書いたとおり、私も当初は金属軸のボールペンが大好きでした。重み=高級感という頭があったからだと思います。そういう理由から、買うボールペンはCROSSが多かったですね。初めて持った万年筆もウォーターマンのカレン=金属軸でしたし。

                     

                    しかし、様々なボールペンを使ってみて、書きやすいのは断然樹脂軸や木軸のボールペンということに気がつきました。※どちらが使いやすいかは人によって違います!そこでウォーターマンの樹脂軸で太軸を探し始めたのですが、最初はなかなか見つからない。

                    片っ端からスペックを調べて、ついに発見!という具合です。

                     

                    でもチャールストンは結構有名なモデルらしいですね。

                    このボールペンの特筆すべきポイント(堪らないポイント)は、樽型の胴軸と樽型のキャップだと感じています。樹脂×樽型というベストマッチな組み合わせ。以前レポートしたパイロットのカスタム74が樹脂×樽型なのですが、この組み合わせは最強なのではないかと個人的に思うのです。

                     

                     

                    樽型に伴う握ったときのフィット感、樹脂軸特有のグリップ感が書きやすさに直結しています。人の指先の形にピッタリと寄り添い筆記をサポートしてくれているように感じるのです。

                     

                    次に胴軸とキャップを詳しく見ていきましょう。

                     

                     

                    特徴的な胴軸のリングには「WATERMAN FRANCE」の文字。字体がまた珍しいです。リングの上下には凹が二本ずつ入っており、これまた珍しいデザインをしています。軸径は12mmなのですが、樽型形状のおかげで12mm以上の太軸を握っているような感覚に陥ります。12mmの軸径だけでいうとエキスパートエッセンシャルと同じなのですが、握った感じが全く違います。

                     

                     

                    キャップリングはシンプルなシングルリング。天冠にはウォーターマンのロゴが入り、ロゴから流れるようにそのままクリップへとつながっています。

                     

                     

                    キャップを上から見ると、どこかカランダッシュのような佇まい。

                     

                    しかしキャップに気になる点が…。私が持っている個体だけなのかも知れませんが、キャップに分割線があり若干目立ちます(笑)プラモデルでは無いのですが分割線あり。

                     

                     

                    少し見にくいかも知れませんが矢印の部分がそれです。クリップの真下と、その反対側に確認できます。製造過程でできるものであれば、手作業でレジンを削り出して磨くといった製法ではないようですね。見慣れてくれば気にならなくなるのかも知れませんが。

                     

                    ペンの繰り出し感覚は程よい重さ。繰り出すときの抵抗は、モンブランマイスターシュテュック(重ため)とアウロラ88(軽め)の中間くらい。重さの順でいくと、カスタム74>マイスターシュテュック>チャールストン>アウロラ88 でしょうか。

                     

                     

                    繰り出し後はカチッと小気味よくペン先がロックされます。

                     

                     

                    【チャールストンとエキスパートエッセンシャル比較】

                    チャールストン(上)とエキスパートエッセンシャル(下)の軸の形を比べてみます。

                    チャールストンは樽型軸に樽型キャップ。キャップにある程度の太さがあることで、握ったとき親指と一差し指の間に程よい太さのキャップが収まり、筆記の安定につながります。エキスパートエッセンシャルはオーソドックスな先細りタイプの軸ですが、軸の一番太い部分の軸径が13mmと少し太めにできていてどっしりした印象。

                     

                     

                    それぞれの胴軸の形を比較してみます。チャールストンの方がかなりデコられていますねー。軸のシルエットを見比べてみると全く違うことが分かります。

                     

                     

                    続いてキャップです。こちらもチャールストンがマッシブな樽型に対して、エキスパートエッセンシャルはスタイリッシュな先細りタイプです。チャールストンが胴軸が長くキャップが短い構成、エキスパートエッセンシャルが胴軸が短くキャップが長い構成だということも分かります。二本の素材は、チャールストンが胴軸・キャップ共に樹脂。エキスパートエッセンシャルが胴軸が真鍮・キャップが樹脂です。そのため、エキスパートエッセンシャルはチャールストンより10g重く、ややフロントヘビーでずっしりした感触。チャールストンはキャップと胴軸のリングのちょうど間に重心がありバランスのよい軽やかな筆記が楽しめます。

                     

                    どちらもクリップやペン先、内部の芯繰り出し機構は金属製です。

                     

                     

                    ウォーターマンのボールペンは書き味も良好。字幅Fは一般的なパーカータイプのFのリフィルよりも細めで日本語向きといえます。

                    ちなみに、リフィルはウォーターマン専用で他のメーカーのボールペンとは互換性がありませんので注意です。

                     

                     

                    リフィルの交換は他の回転繰り出し式ボールペンと同様に、キャップを反時計回りに回して行います。チャールストンとエキスパートエッセンシャルどちらもですが、キャップの方のネジがプラスチック製です。個人的にこれはマイナス点ですね…。

                     

                     

                    ネジは他メーカーのように両方金属にして精密度を上げて欲しかった。気分的な問題かもしれませんがちょっとチープにも感じますし…。しかしそれを踏まえても、チャールストンの書き味と持ちやすさは、私が持っているボールペンの中でも上位に位置します。

                    エキスパートエッセンシャルとチャールストンでは、デザインの好みこそあるでしょうが断然チャールストンがお勧めです。

                     

                     

                    【エキスパートエッセンシャル新旧比較】

                    最後に、エキスパートエッセンシャルの新旧モデルの違いに軽く触れていきたいと思います。旧型が黒金の方で、現行品が黒銀の方です。

                     

                    ‥郡

                     

                     

                    旧型は金属のプレート埋め込み、現行品は樹脂製でウォーターマンのロゴ。世間的には旧型の金属プレート埋め込みの方が人気があるようです。私個人としては樹脂好きなので現行品の樹脂でロゴ入りの方が好みです。斜めカットの角度はどちらも同じ。

                     

                     

                    ▲ャップリング

                     

                     

                    旧型は上下リングの間にロゴプリント、現行品は太めのリングにロゴ刻印。旧型の方が高級感がありますが、プリントという仕様が時代を感じさせますね。

                     

                     

                    現行品は刻印のためメーカー名は目立たなくなり、トリムがクロームということもありスタイリッシュな印象を受けます。

                     

                     

                    軸内部の素材

                     

                     

                    旧型はカーボンスチールのような金属、現行品は真鍮素材。触った感じも素材は違うように思いますが、ペン全体の重さは新旧変わらず。通常ペンの内部機構に使われるのは真鍮が一般的ですが、この旧型のカーボンのような素材は珍しいです。

                     

                    さて、今回は初めてウォーターマンを取りあげてみました。チャールストンについては樹脂軸+樽型で非常に持ちやすい&書きやすいペンに仕上がっていると感じました。お気に入りの一軍ペンケース行き確定です。チャールストンはマイスターシュテュックやアウロラのボールペンが好きな方にはピタリとハマるのではないでしょうか。一方、エキスパートエッセンシャルは重量からくる筆記の安定感や高級感があります。ペンに任せて文字を走らせる方や筆圧が弱めの方にお勧めです。

                    それではまた。


                    2018.06.22 Friday

                    梅雨時期に気分を上げる筆記具 【ビスコンティ/ヴァンゴッホ グリーン】

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                      みなさんこんにちは。今日も素敵な文房具で素敵な仕事やプライベートの時間をお過ごしでしょうか。梅雨に入りじめじめとしてきて憂鬱な気分になりがちですが、本日もお気に入りの筆記具一本を手に気持ちを上げていきましょう!

                      そんな気分転換にピッタリな筆記具を今回もレポートしていきます。

                       

                      気分が上がる筆記具とはなんでしょう。いつも使っている筆記具もいいですが、華やかな軸の筆記具で気分転換もいいですね。華やかな筆記具といえば、イタリアの筆記具があります。アウロラやデルタのペンに見られるように綺麗なマーブル軸は、ポケットから取り出すときの高揚感と軸を握って書くときのわくわく感がなんとも言えません。

                       

                       

                      同じイタリアのメーカーで、以前も紹介した「ビスコンティ」のヴァンゴッホシリーズ。前回のブラウンマーブル軸に続き、今回はグリーンマーブルのボールペンを入手しましたのでレポートしていきたいと思います。ビスコンティといえば職人が作り出す、複雑なマーブル模様の美しいセルロイド軸が醍醐味。ボールペンの軸も万年筆と同様に唯一無二の美しい模様を見せてくれます。

                       

                      それでは見ていきましょう。

                       

                       

                       

                       

                      【グリーンマーブルの軸】

                      まずは、その軸を詳しく見ていきます。

                       

                       

                      グリーンとブラウンのアースカラーが複雑に混ざり合い、鮮やかでありながらもどちらかというと落ち着いたペンに仕上がっています。

                       

                       

                      よく見てみるとクリアブラウンの軸をベースに、濃緑〜黄緑の豊かな階調のグリーンが混ぜてあることが分かります。まさにヴァンゴッホの繊細なタッチを表現しているといえますね。軸全体はマーブル軸を締めるシルバーのペン先、キャップリング、クリップで構成されています。ビスコンティはゴールドコーティングやバーメイルの金具をあまり見たことがない気がしますね。たいていがシルバーです。(なかにはゴールドの金具を使ったモデルもあるかも知れませんが…)

                      そこがまたビジネスライクな、洗練された印象を与えてくれます。

                       

                      軸を握るとセルロイド特有のしっとりとした手触りを楽しめます。セルロイドは人によっては滑りやすいと感じる人もいるかも知れませんが、一般的なゴムやプラスチックのグリップとは違う、ビスコンティのペンの個性を感じることができるのではないでしょうか。

                       

                       

                      モンブランやアウロラのようなペン先にかけて胴軸が徐々に細くなるスタイルではなく、まっすぐな胴軸で、グリップポイントからペン先にかけてキュッと絞ってあるような印象です。※上がビスコンティ、下がモンブラン

                      ヴァンゴッホシリーズはクリップリングがありません。キャップリングから天冠まで一体型のつるんとしたデザイン。先ほどのペン先形状もキャップのデザインとマッチしており、実に計算されたデザインといえます。

                       

                       

                      ヴァンゴッホ ブラウン(万年筆)と並べてみるとこの通り。万年筆はマキシサイズのため1cmほどボールペンより大きいです。ブラウンの方は透明な樹脂のため軸の中も透け透け。一方、グリーンは透明のブラウンにグリーンのスモークがかかったような軸色です。

                       

                       

                      【特徴的なキャップ部】

                      先ほどもお伝えしたとおり、クリップリングが無いつるんとした形状のキャップ。クリップはヴァンゴッホシリーズでお馴染み、ポンテ・ヴェッキオ橋を象ったアーチ型のクリップです。

                       

                       

                       

                      クリップ強度はマイナスドライバーで調整可能。クリップはバネ式で、かなり厚い生地にも挟み込むことができるようになっています。

                       

                       

                      このヴァンゴッホシリーズの天冠が個人的にはかなりお気に入り。グリーンマーブル軸でも宇宙に浮かぶ銀河か星雲のような、複雑な模様を楽しめます。

                       

                       

                      ペンケースに差したときにこの美しいつむじ部分が覗く様がたまりません!

                       

                       

                      太めのキャップリングにはお馴染みの彫刻が施されています。「VISCONTI VAN GOGH」の文字とVマーク。重厚なキャップリングです。

                       

                       

                      キャップからはクリアブラウンのベース軸を通して中の芯繰り出しユニットが見て取れます。

                       

                       

                      【筆記感〜リフィル交換方法】

                      筆記システムは回転繰り出し式。しっかりとしたバネが仕込んであり、回転は重めで芯を出し切った時にクッ!とペン先がロックされます。デフォルトで装填してあるリフィルはなんとゲルインク。海外メーカーの回転繰り出し式のペンの場合、たいていは油性インクが装填されていますが、こちらはゲルインク。書き始めにかすれることは無く、ヌラヌラとペンを走らせることができます。

                       

                      ちなみに職場の後輩に何本か海外メーカーのボールペンを試筆してもらったところ、このビスコンティの書き味が一番好評でした。やはり最近はジェットストリームのような書き味のライトなペンが主流なため、油性インクのねっとりとした書き味を好まない人も増えてきているのでしょうか。

                       

                       

                       

                      キャップリングを持ち、キャップを時計回りに回転させるとキャップを外すことができます。胴軸の中には金属の軸が入れてあり、かなりしっかりとした作り。

                       

                       

                       

                      おや?ねじ切りが無い?

                       

                       

                      と思ったら金属軸の内側にありました…!海外メーカーとしては、なかなかに珍しい構造をしています。

                       

                       

                      リフィルは一般的なパーカーリフィル互換。ゲルインクの初期リフィルにはビスコンティのVマーク模様が施され、これが胴軸から若干透けて見えるというニクい演出となっています。パーカータイプのリフィルを持っていれば、油性インクも楽しめて一粒で二度おいしいボールペンといえましょう。

                       

                       

                      【まとめ】

                      さて、今回は雨でどんよりした気分を晴れ晴れさせてくれる、ビスコンティのボールペンをレポートしました。軸はセルロイドのしっとりとした質感。イタリアの筆記具ですがシルバートリムとアースカラーという抑えめの色合いで、派手派手というわけでもなく、美しいながら洗練されたボールペンでした。インクもゲルインクということでサラサラと書き進めることができます。(個人的にはサラサラ系だと文字が走っちゃうので油性インクの方が好みですが‥)

                       

                      やはりイタリアメーカーの軸の美しさは特筆すべき点がありますね。特にビスコンティ ヴァンゴッホシリーズの、小宇宙や琥珀や翡翠のような天冠の美しさがお勧めのポイントです。

                      じめじめした日は続きますが、そんな時こそ晴れやかな軸のボールペンでモチベーションアップを図ってみてはいかがでしょうか。

                      それではまた。

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