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5年振りの発売となる「カヴェコ アートスポーツ」は入手しておきたい逸品【Kaweco ART sport レビュー】

2024年9月22日

皆さんこんばんは。
 
今回は久しぶりにカヴェコの記事です。というのも、数年ぶりにカヴェコスポーツから限定モデルの「カヴェコ アートスポーツ(Kaweco ART sport)」が発売になりました。
 
たまに発売されるアートスポーツ。その前はいつだったかと確認すると、おそらく2018年が最後だったのでは?というくらい前になります。
実に5年振りなんですね。
 
アートスポーツはその名の通り、通常の親しみやすいスポーツシリーズのスペックはそのままに、軸に鮮やかなマーブルレジンを配した特別なモデル。
カヴェコスポーツ好きに止まらず、アウロラやデルタのようなイタリア系のマーブルレジンが好きな方からも注目を集めるシリーズです。
 

 
今回も4色展開となっており、その中から「ペブルブルー」をチョイス。
「ペブル(PEBBLE)」とは水辺にある小石の意味で、カヴェコアートスポーツのペブルブルーは、水によって丸く磨かれた石がまるでアクリル軸に閉じ込められたような、深いマーブルブルーの色合いをしています。
 
カラーラインナップはペブルブルーの他に、ミネラルホワイト、ヒッコリーブラウン、テラゾ。
どの色も良くて迷いますが、ペブルブルーを持ってみて他の色への興味も俄然湧いてきています。
(特に、ヒッコリーブラウンが気になりますね~)
 

 
とりあえず地元に取り扱い店舗がないため、今回はebayを使って海外から取り寄せという形となりました。
いつものスポーツ用カヴェコ缶に収められたアートスポーツ。
 
12月9日に落札して、手元に届いたのが12月19日。ドイツから海を渡って10日ほどでの到着。
毎回、この缶を開けるときは胸が高鳴ります。
 

 
非常に表面が滑らかでよく磨かれており、美しいアートスポーツのペブルブルー。
ブラック×パールブルーレジンのコンビは、使う者に落ち着いた大人の印象を与えてくれます。
 
ペブルブルーを選んだ理由の一つに、クリップとロゴのカラーがシルバーだからという事があります。ゴールドトリムよりもシルバートリムに惹かれるのは、男性がビジネスシーンでも使いたい!という思いから。
これはゴールドトリムはビジネスシーンで使えないという事ではなく、より自然にビジネス環境に溶け込むから、という意味で。
 

 

そういうことで言うと、今回のカラーラインナップは(というかカヴェコスポーツ自体がそうですが)どのカラーも女性の手や雰囲気にとてもよく馴染むように作られていると感心します。
女性がアートスポーツを仕事や勉強の場でしれっと使っていたら格好良いな、と思うのです。
 

 
ロゴの刻印もしっかりと深く、アクリル軸の良さを感じる造り。
 
キャップが八角軸+胴軸が丸軸という、カヴェコスポーツ独特のフォルムもこのアートスポーツというマーブルカラーのコンセプトともよくマッチしているかと。
表面の滑らかさを色んな形状で楽しめる軸だと言えます。
 

 
ペブルブルーのマーブル部分を拡大すると、パールブルーのレジンがキラキラと輝いていることが分かります。おそらく、ミネラルホワイトとヒッコリーブラウンもこのような感じだと思われます。
テラゾはホワイトのレジンをベースに、ペブルブルーとヒッコリーブラウンの両方のカラーのレジンを散りばめた仕様ではないかと推測します。
 

 
このコンパクトさがカヴェコスポーツ最大の魅力と言って良いでしょう。アートスポーツは、わずか100mm強の全長にパールレジンがぎゅっと凝縮された「密度感」を感じる仕上がり。通常のスポーツとカラーが違うだけで、こうも所有満足感が高まるものです。
マーブルレジンのため1本1本で柄が異なるというのも、アートスポーツの特別感がなせる業ですね。
 

 
手元にある2003年発売の「サンバ」を横に。
私が勝手に「サツマイモキンツバ」と呼んでいるアートスポーツです。
 
並べてみて分かるのですが、今回のアートスポーツは少し小さめに設計されているようです。
と言ってもその差は1mmくらいなので個体差というやつかも知れませんが…。
 
ペブルブルー(2023年):全長105mm
サンバ(2003年):全長106mm
 
うーむ、20年前のアートスポーツと並べることになるとは感慨深い。
今回より(?)アートスポーツにはクリップが標準で付いていて、これは賛否両論ありそうですが、言うなれば先に発売されているカヴェコオリジナル(Kaweco Original)や、後で並べますがカヴェコルックス(Kaweco sport Luxe)と同じような仕様です。
 

 
20年前のアートスポーツとはロゴの刻印も違っていて、2023年のものはシンプルな彫り込みとなります。
サンバの方は少し刻印としては薄めのため、陰影が浮き出るような感じではありません。
 
ちなみに通常のスポーツシリーズはトリムのカラーに応じた箔押しとなります。
 

 
クリップについてはアンティークカヴェコの鰻クリップ(私が勝手に呼んでいるだけです)を踏襲したものが標準装備。
 
左から、Kaddet、sportLuxe、ARTsportとなっています。
クリップを付けずに使いたい人にはあまり嬉しくない仕様かも知れませんが、あのゴツい後付けクリップを付けることを思うと非常にスマートなのではないでしょうか。
 

 
デザイン的にカヴェコスポーツ ルックスとよく馴染みます。
ルックスがエッジを丸めてあるのに対して、通常のスポーツシリーズをベースとしたアートスポーツはエッジが立っているという対比が面白い。
(天冠の部分が分かりやすいかと思います)
 
アートスポーツやルックスには是非とも金ペンを装備してあげたいと思うのですが、なかなか計画だけで進んでいきません 笑
 

 


 
多様性のあるカヴェコスポーツシリーズ。
左から、ブラススポーツ(BRASS sport)、アートスポーツ(2023年)、スカイラインスポーツ(Choice Choice!仕様)、スポーツルックス(Sport Luxe)、アートスポーツ(2003年)、アルスポーツ(ペトロールブルー)。
 
並べてみると、やはり今年のアートスポーツは背が低め。これ、キャップをポストすると更に顕著に違いが分かるようになります。
 

 
キャップを尻軸に最大まで差し込んだ状態。一番全長が長くなるのが2003年のアートスポーツ。
次いで、通常のスポーツ(クラシックやスカイライン)とルックスは同じ全長。そして、金属系のスポーツ(写真両端)は同じ長さとなります。
 
左から2番目のアートスポーツ(2023年)はさらに短く、この状態で124mm。
キャップをポストした際に、今回はやけに奥まで差し込めるなー、と感覚的に思いましたが やっぱり奥まで差し込めていました。
 
これが個体差なのか、仕様なのか。
皆さんの手元の2023年アートスポーツはいかがでしょうか?
 

 
ついでに尻軸のカタチの違いについても言及しておきましょう。
2023年のアートスポーツ(もしくは2018年も同様かも)は、尻軸のデザインはアルスポーツのものと同じです。
 
左側の3本を見て頂くと、尻軸の真ん中に凹み。
通常のスポーツは、さらにローレットが付いています。
スポーツルックスは凹み無し。
2003年のアートスポーツは凹みや尖りはなく、丸形。
 
という違いとなっています。
2023年のアートスポーツは「金属系のスポーツと尻軸のデザインが同じ」。
 

 
キャップをポストした状態でもコンパクト。
どちらかというとアンティークカヴェコの仕様やデザインに回帰しているようにも感じる、今回のアートスポーツ。
 
うーむ、非常に格好良い。
もう一本欲しい…笑
 

 
ペン先は優秀なカヴェコのスチールペン先が付属。
先に書いたように、金ペンに変換する事も可能です。
バイカラーの金ペン先が付いた姿に憧れますなぁ。
 
いや、でも金ペンにする必要もないくらい書きやすいカヴェコのスチールペン先ですので、このまま使うのももちろん有りです。
毎度の事ながら、カヴェコロゴが入ったペン芯が可愛い。
 

 
アートスポーツですので、もちろん金ペン先への変更や「ミニコンバーター」にも対応します。
このコンパクトでフットワークの軽い万年筆に、カラフルなインクを入れて使う。
 
小さなインク瓶から小さなコンバーターでチュッとインクを吸う。
最近はエルバンのインクにハマっています。
 
これぞカヴェコスポーツの醍醐味!
たまりませんな。
 

 
字幅はM(中字)をチョイスしましたが、やっぱり良い感じです。
改まって書くのも良いですが、ラフにペン先を走らせるスタイルが カヴェコスポーツの軽快さとも合っているように思います。
 
エルバンのインク「ムーンシャドウ」は黒に近い紫。
漆黒に浮かぶ月明かりのような、深いパープルです。
 

 

さて、今回は5年振りに発売された「カヴェコ アートスポーツ」カラーはペブルブルーをレポートしました。
 
この軸の質感と、スチールペン先ながら非常に書きやすいペン先。値段は実売価格で19,800円とコスパは高いのではないかと思います。(もしかすると私の金銭感覚がすでに麻痺している可能性もありますが…)
同じく最近発売されたカヴェコスポーツの記念モデル「エボナイトスポーツ(実売価格:55,000円程)」や、他のイタリア製マーブルレジン軸の万年筆に比べると、質感の割にとてもリーズナブルだと思うのです。
 
2023年12月に発売されたばかりのアートスポーツですので、数があるうちにカヴェコファンの方はもちろんのこと、万年筆ファンの方も押さえておきたいモデルではないかと思います。
(毎回数量限定ですので限定モデルだと思われますが、実はその辺ハッキリしていません)
 

 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございます。
 
また、今年も一年当ブログをご愛読いただきありがとうございました。
2023年の記事はカヴェコで締めくくりとなります。
来年はどんな筆記具との出会いがあるのか。皆様と一緒に楽しんでいきたいと思います。
 
それではまた来年お会いしましょう。

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