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KOKUYO WP 2024限定オールブラック レビュー【コクヨ WP】

2024年の11月、電撃的に登場したコクヨ「WP」の限定モデル。
手にされた筆記具ファン、コクヨファンも多いのではないでしょうか。
 
前々回の記事で、第一弾のWP限定モデル「木軸/ウワミズザクラ」のレポートをお届けしました。
胴軸には天然素材である「ウワミズザクラ」を使い、切削は最近筆記具業界とのコラボが盛んなカリモク家具。
一番の売りであるコクヨオリジナルリフィルの「ファインライター」は、万年筆好きも唸るなめらかな書き心地とブルーブラックなど馴染みのあるカラーラインナップで、今まで高級筆記具メーカーとしてコクヨに注目してこなかったユーザーの心をも掴んだと言えるでしょう。
 
300本限定だった第一弾の発売は盛況に終わり、続いて息つく間もなく発表された第二弾。
第二弾オールブラックはECサイトにて発売日翌日には一旦売り切れとなったものの、当記事執筆中の2024年12月22日現在で在庫が復活していましたので、発売日に手に入れられなかったという方は再度訪れてみてはいかがでしょう。
 
そして、第一弾の「木軸/ウワミズザクラ」の記事をまだ読んでいないよ という方は、記事末に前々回の記事へのリンクも貼ってありますので、ぜひチェックしてみて下さい。
 

 
今回は、そのWP限定モデルの第二弾である「金属軸/オールブラック」について書いていきたいと思います。
 
私も過去に何本かのオールブラック軸についてレポートをしてきましたが、漆黒の筆記具というのは一番スタンダードなカラーでありながら特別感があり、ビジネスシーンにもしっかりと馴染む印象が強いです。
 
むしろ馴染むと言うよりも、使う人の気持ちをキリッと引き締めてくれるような。
そんな魅力がオールブラック(フルブラック)の筆記具にはあるように感じてなりません。
 

 
オールブラックモデルにも第一弾のウワミズザクラと同様にレザー製のペンシースが付属しますが、面白いことに4色の中からランダムでパッケージ封入されているとのこと。
 
私のパッケージにはブルー(ネイビー)のペンシースが入っていましたが、他にもホワイト・ブラック・ベージュがあり、いずれのペンシースも漆黒のペンとの色合わせが絶妙。
 

 
付属のペンシースに入れて持ち運んでも良し、お気に入りのペンケースに入れて持ち運ぶも良し。
柔らかなレザーの感触とは対象的な、冬に扱う金属軸の ひんやりとした手触りがたまりません。
 
それではまず、第一弾のウワミズザクラとの比較から行ってきましょう。
 

▲左が第一弾のウワミズザクラ、右が第二弾のオールブラック
 
ウワミズザクラと同じく、シェーパーカットのキャップにランダムパターン切削の胴軸という組み合わせ。
温かみのある木軸に対して、ソリッドで無機質な金属軸。
胴軸側の表情はよりエッジが立ち、よりその立体的な陰影が楽しめます。
 

 
キャップを外して首軸とペン先を見てみると、こちらは2本とも共通のものだということが分かります。
むしろ、2本ともというよりはWPシリーズ共通の首軸です。
 
ウワミズザクラはこれでマッチしていていいと思うのですが、オールブラックのペン先はブラックじゃないのか…という率直な感想。
まあでもそれをやっていると生産コストが爆上がり(=価格もさらに高くなる)なので、これはやむなしというところでしょう。
 

 
首軸はクリアなレジンで中のリフィルの種類が一目で確認できるようになっています。
左のウワミズザクラにはブルーブラックのファインライター、オールブラックにはブルーブラックのローラーボールリフィルが入っています。
 
リフィルの柄について、ファインライターは「鱗」でローラーボールは「市松模様」と、さり気なく和柄を組み込んでいる点がまたお洒落。
日本のメーカーだけに和のデザインを取り入れているというところに好感が持てます。
 

 
キャップを比較すると表面処理の違いが顕著です。
シェーパーカットはプログラム的に不規則なラインを出した加工ですが、これは一本一本のラインの入り方が違うという事ではなく、そこは共通です。
 
ウワミズザクラはガンメタルっぽいグレー、オールブラックは触り心地もマットな漆黒仕様。
 

 
胴軸の加工が非常に面白く、そのデザインがさらに引き立っているのがWP オールブラック。
まるで手作業で削り出したようなランダムなラインに光が当たると、陰影によるグラデーションが現れる。
さしずめ現代アートを掌に持ち運ぶような、そんな感覚にさせてくれます。
 

 
オールブラックのキャップと胴軸の表面処理の違い。
塗装はおそらく共通のブラッククロームのようですが、軸のデザインが異なるだけでこうまで雰囲気が変わるものかと感心します。
 
個人的には胴軸側のデザインとカラーがドストライク。
 

 
マットブラックのボディから出る異素材で艶やかなレジンの首軸。
クリアレジンの首軸は中のリフィルのタイプとカラーを確認できる「窓」である他に、素材柄グリップ感も担保されているという嬉しい仕様。
 
前々回の記事でも大きく触れましたが、この半三角の首軸がたまらなく握りやすいのです。
 

 
首軸を外すと中に真鍮のネジ切りが見えます。
ウワミズザクラはここに「***/300」のシリアルナンバーが刻印されていましたが、オールブラックはシリアルナンバーの刻印はありません。(700本限定のはず)
 
パッケージにもシリアルナンバーのリーレットがありませんでしたので、こういう仕様かと思われます。
こっちもシリアルナンバーを付けてほしかったな、と思うのは私だけでしょうか。
 

 

さて、このままだとただの限定モデル軸比較となるのですが、それではあまりにも面白くないので巷でも絶賛されている「ファインライター」のカラー比較を行っていきたいと思います。
 
WPシリーズが発売されて1年となりますが、現在のところファインライターのリフィルは下記3色となっています。
 
・ブルーブラック(WP-R100DB)
・ブラック(WP-R100D)
・ダークグリーン(WP-R100DG)
 
現在はブラック基調の3色だけですが、今後はレッド系にも期待したいところ。しかし、色のラインナップは絶妙で、万年筆好きにはなじみ深いカラーが並んでいます。
 

 
ブルーブラックはデフォルトで付属していますので、今回はオプションのブラックとダークグリーンを追加で購入し、色味を比較してきたいと思います。
 
ちなみに、同時にラインナップされているローラーボール用のリフィルも同じカラーラインナップとなっています。
 

 
サクッと書き比べてみました。
赤ライン上の「KOKUYO WP リフィル比較」のみローラーボールのブルーブラックで筆記、それ以外はファインライターで書いたもの。
 
皆さんはどの色がお好みでしょうか。
 
ブラックは普通のブラックですが、ファインライターはローラーボールに比べてペン先の構造上インク量が調整されるため滲みがほぼ無く、よりハッキリした線が書けるように感じました。
 
特筆すべきはブルーブラックとダークグリーンの色の良さ。
どちらも私が大好物の「少し枯れた色合い」となっています。
 
例えるなら、1970年代の油性ボールペンのような渋い色合いのインク。
一時期、各メーカーの油性のブルーインクを片っ端から使っていましたが、その中でも青々としていないモンブランやカランダッシュのブルーインクのような枯れた色合い。これが字を読む側からしても読みやすいのです。
 
普段使い、特に黒の代わりに使うといった場面でも通用する落ち着いた色となっています。
オリーブグリーン、良い色です!
 

 
コクヨのオリーブグリーンとエルバンのエンパイアグリーン(万年筆インク)の書き比べ、コクヨのブラックとパーカーのブラック(万年筆インク)を書き比べてみました。
 
フィンライターはインク量のコントロールにより、万年筆のインクに比べ一定の濃さの文字が書けるという特長があるように思います。
一方、万年筆のインクはその濃度とペン先の特性から濃淡が分かれた文字が書けます。
 
ブラックについては、コクヨのファインライターは純粋な黒という感じで、黒の中に黄色や紫がかすかに調合される万年筆のインクとはまた違った風合いとなります。
 
総じて、ファインライターは渋い色合いのインクを均一の濃度で出すことができるリフィルだと言えます。
そのため、万年筆との役割の違いと言いますか、棲み分けが明確であると感じます。
 
レッド系のインクや、派生カラーで考えるなら蛍光インクでマーカーっぽく使うようなシーンでも活躍できそうなリフィルです。
ますます他の色のラインナップが楽しみなファインライター。
 

 
とりあえず、軸がオールブラックなのでブラックのファインライターを装填して使うことにします。
首軸の黒い鱗柄と漆黒のボディがよく似合う。仕事で活躍してくれそうです。
 

 
手元にオールブラックの筆記具が徐々に増えてきました。
ビジネスシーンで活躍すること間違いなしの漆黒の筆記具達。皆さんのペンケースにも一本忍ばせてみてはいかがでしょう。
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 
 
前々回のWP限定軸第一弾「木軸/ウワミズザクラ」の記事はこちらです。
是非、合わせてお読み頂ければと思います。

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