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筆箱の中身すべて万年筆化計画 【ペリカン クラシック M205 シャイニー イエロー デモンストレーター レビュー】

2024年9月29日

皆さんは普段どんなシーンで万年筆を使っているでしょうか。
 
勉強するとき、仕事をするとき、誰かに手紙を書くとき、様々あるかと思います。私は主に仕事で使うのですが、常に万年筆を使っているのではなくスピーディーな記入が求められる時などは専らボールペンがメインで、じっくり考えながら文章を起こす時に万年筆が登場します。
 
しかし、もっと万年筆を使う機会を増やしたい!という考えから、「筆箱の中身全て万年筆化計画」を打ち立てました。筆箱の中にある鉛筆以外のインクを使うペンであれば、すべてを万年筆に置き換えることができそうです。例えば赤ラッションペンや赤ボールペンなら、赤軸の万年筆に赤系のインクを入れれば代用できます。そんな筆箱の中で今まで代用しきれなかった筆記具があるのですが、今回代用となる万年筆を手に入れましたのでレポートしていきたいと思います。
 

 
その万年筆とはペリカンクラシックM205 シャイニーイエロー。インクの吸入機構が見えるデモンストレーターと呼ばれる万年筆です。
そう、筆箱の中に必ずと言っていいほど鎮座する蛍光ペンの代替万年筆なのです。蛍光ペンという筆記具の性質上、コンビニや文房具店に売っている太めの蛍光ペンに使いやすさや機動力で勝るものはないのですが、ここはあえて、勉強や仕事のモチベーションを上げるという意味でも「万年筆」を使いたいものです。
 
ハイライターインクが似合う万年筆として、このペリカンM205とラミーサファリネオンライム(2015年限定)とで迷ったのですが、普段携帯しているロールペンケースにサファリが入らないということもあり、コンパクトなペリカンM205に決定したという訳です。
それではペリカンクラシックM205 シャイニーイエローを見ていきましょう。
 

 

 

 

ペリカンM205の外観とスペック

それではお馴染み、外観とスペックを細かく見ていきます。
 

 
クラシックM205ですのでサイズはスーベレーンM400と同等。万年筆の中では非常にコンパクトで持ち運びに優れています。軸の重さもどちらも約16gと軽量。
私としては少し重さに物足りなさを感じますが、蛍光ペンなんてもともと10gほどしかないのでこんなもんでしょう。
 

 
スーベレーンM400と全く同じかというと微妙に違いもあります。それは重量の違いなのですが、M400のキャップはM205のキャップに比べて1g重くなっています。
まあ計測に使っているハカリがアナログなので正確な数値ではないのかも知れません。だから何だという数字の差なのですが、おそらく天冠の素材に由来する差ではないかと。現行のM400は金属、M205は樹脂となっています。
 

 
続いてキャップを比較してきましょう。
クラシックM205はモデル名の末尾が5ですのでシルバートリムということになります。2本のペリカンを並べてみるとハンサムなペリカンクリップの形は同じ、キャップリングがM205はシングルでM400はダブル。
キャップリングの刻印もM205は「PELIKAN GERMANY」とシンプルです。
 
透け透けのM205なのにチープな感じがしないのはペリカンのなせる業でしょう。
あなたが落としたのは金のペリカンですか?それとも銀のペリカンですか?と問われたら、銀を選んでしまうかも知れません。
 

 
胴軸を見ていきます。
ペリカンの万年筆を使うにあたり一番嬉しいのが大容量のインクタンク!ペリカーノなどのジュニア向け万年筆以外は全て吸入式のペリカン万年筆は、いずれも十分なインクを溜め込める嬉しい仕様。実際に使っていても他の万年筆とはインクの持ちが違います。

M400もインク窓はストライプで見にくいのですが、実際はたくさんのインクを溜め込んでいる事がわかります。
尻軸はピストン吸入機構が透けています。
 

 
安心感のある太めのピストンは耐久性も十分。比べてはいけませんがコンバーターのピストン機構とはまるで違いますね。M400と比べると外観に違いがあり、尻軸のノブのトリムが1本と2本。スーベレーンM400は上位モデルということもあり高級感があります。
M800以上はこのピストン機構が金属となっていて重量が増します。いつかは見てみたいですM800のデモンストレーター。

 
最後はペン先の比較です。
M205はスチールペン先、M40014金。ここは諸にグレードの違いが出ているのですが、さすがはペリカン。
M120レビューの時にも書きましたがスチールだからと言って書き心地が極端に硬くならないのは流石です。BBという字幅もあるのかもしれませんが、カリカリという感じはなくスルッと紙にインクが乗ります。
 

 
ニブの刻印もシンプルで、これぞペリカンクラシックという感じ。
嫌いじゃないですねこの刻印。
 

 

ハイライターの運用にM205とサファリどっちをとるべきか

さてM205ハイライターをしばらく使ってみて、もしこれがサファリならどうなんだろうと考えてみます。
普通の万年筆の運用とは少し異なり、文字ではなくしるしや線を引くことがメインの万年筆ということになるのですが、考えられるサファリとの違いを並べていきたいと思います。(※サファリのハイライター持ってないのであくまでイメージです)
 

▲下はラミーサファリのぺトロール
 
①キャップがスクリュー式か嵌合式か
蛍光マーカーとしての役割から、ある程度の機動力(キャップを外して素早くラインを引く)は必要なのかと感じます。ペリカンM205の場合、キャップはスクリュー式なのでどうしても優雅な動作になることから、ラインを引きたいという感情から反射反応で線を引くなら、嵌合式のサファリの方が向いていそうです。
 
 
②インク容量をとるなら?
ペリカンのアドバンテージとして大容量のインクタンクがあります。仕事柄、蛍光マーカーで線を引くことが多いのでM205をスーツの胸ポケットに挿して、サッと取り出し線を引くという動作が一日に何回もあります。
そういうシチュエーションで助かるのが大容量のインクタンクと目視しやすいインク残量です。サファリはコンバーター式ですのでインク補充の頻度は増えるでしょうし、これはペリカンで正解かなと感じる部分です。
 
 
③大きさは?
サファリは手が出しやすい値段ということもあり誰にでも馴染み深い万年筆ではないでしょうか。だた、M205と比べると意外と大きな万年筆だということが分かります。私のロールペンケースにキャップ部分が太くて入らないというのも頷けます。
大きさは機動力にも直結するのですが、サッと出して使うことが前提と言うこともあり、蛍光万年筆の居場所はスーツの胸ポケットがメインです。また、サファリはその大きさと比例する分厚い樹脂軸から耐久性もあり。そのようなことから、この「大きさ」という項目についてはどちらでも良かったかなと思います。
でも、やっぱり胸ポケットからはハンサムなペリカンを覗かせたい。
 

 

他のハイライター筆記具と比較

この項では一般的に使われる蛍光マーカー達と、私の筆箱からその居場所を奪った蛍光万年筆(すなわちM205)とのマーカーとしての役割の比較をしていきます。
 

 
M205を使い始めるまで使っていたのがスタビロボスのマーカー。カラーは蛍光イエローにとどまらずブルーやピンクやオレンジなど様々なカラーがラインナップされています。スタビロボスの使いやすさはその独特で持ちやすいフォルムと太めのマーキングにあります。(背を使えば細い線も引けます)
 
比較に使うもう1本は爆発的な人気を誇る三菱nuiのプロパスウインドウ蛍光マーカー。太い方と細い方を使い分けることができ、太い方は線を引いている最中も文字が見えるようにペン先の真ん中がクリアになっているというアイデア商品。
 

 
3本のハイライターのラインを比較してみます。
上からペリカンM205、プロパスウインドウ、スタビロボス。大きさの比較はこのようになっています。見た目を比較するのも何ですが、ペリカンは万年筆なので素晴らしく格好良いですね。
M205の軸色は蛍光イエローのマーカー達と比べるとオレンジっぽく見えますが実際はもっとイエローです。
 

 
ラインを比べてみました。
ペリカンM205は字幅がBBなのですがそれほど太い感じがしません。もう少し太い方が使い勝手はいいかなと感じましたが、強調したラインを引くなら二重にしたりすることで解決できます。
ペリカンのハイライターインクですがインク瓶の中のインクを見るとオレンジっぽいのですが、紙に乗ったインクは明るめのクッキリした蛍光イエロー。
 

 
プロパスウインドウは若干薄めの色合い。細い方で線を引くとかなり薄く見えます。まあ数百円のマーカーですのでインクにそこまでの高性能を求めてはなりませんが、プロパスウインドウの売りはそのペン先に設置された透明の窓ですので、マーカーの視認性より使いやすさを重視する方にはいいでしょう。
 

 
スタビロボスがこの3本の中では一番マーカーらしい仕事をしています。線は太く幅が5mm
マーカーの背を使うと2mmほどの線を引くことができます。文字全体塗ってを強調したい場合は間違いなく使いやすいマーカーです。しかもインクの色も明るいため非常に目立ちます。軸も平たい形をしていて持ちやすいため万人にお勧めできるのがスタビロボス。
 

 

ペリカンM205イエローまとめ

ハイライターとしての役割をM205に乗せて色々レビューしてきましたが、結論から言うと蛍光マーカーを引く時も万年筆を使っている時の気分の高揚が得られることから、「筆箱の中身すべて万年筆化」は間違いではなかったと言えます。
 

 
軸について何も黄色い透明でなくてもスーベレーンM400(似合うとしたらホワイトトートイス?)に蛍光イエローのインクを入れればいいのでは?という声も聞こえてきそうですが、そういうことではなくて、やはりこのクリアイエローの軸に蛍光イエローのインクだからいいのではないか、ということなのです。
要はすべてモチベーションの問題で、「筆箱の中見を役割ごとの万年筆で満たす」ということの最たるがペリカンクラシックM205シャイニーイエローであり、この万年筆のレーゾンデートルではないでしょうか。
 
勉強や仕事への原動力はそれに向かうモチベーションが大半を占めています。そんなモチベーションを爆上げしてくれる筆記具のひとつがペリカンクラシック M205 シャイニーイエローではないでしょうか。万年筆好きな方にはぜひ試して頂きたい1本です。
 
それではまた。

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