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瓶底のインクを一滴も無駄にしない方法!ピナイダー スノーケル インク吸入器 レビュー

2021年9月11日

最近一気に秋めいてきましたね。

読書やスポーツなど集中する趣味において、暑くないだけでこれほど捗る季節はないです。

 

さて、最近は万年筆やインクを楽しむ人同士で交流の場があったり、インク交換を行う機会があったりと俄然衰えることを知らない筆記具界隈(私は田舎暮らしなので参加できてないですが…)。

 

特にインクはミクサブルインクを合わせると文字通り星の数ほどとなり、万年筆人口も増える中で様々な楽しみ方が模索され、もはや筆記具は単なる文字を書くためのツールではなくなってきています。

 

純粋に書く(描く)ことを楽しみ、インクの色を自由に楽しみ、そして筆箱の中を好きな色の筆記具で揃えたり、それを写真に撮って楽しんだり…。

 

色々な楽しみがある中で、万年筆の一番シンプルかつ奥深い楽しみ方「インク交換をしてまだ知らない様々な色に出逢う」ことを一番の楽みとしている方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

そんなときに使われるのが「タミヤ瓶」と呼ばれる小瓶。

もとはプラモデルの塗料の容器として世に出ていたタミヤ瓶でしたが、今は万年筆用のインク交換やインクの保管にまでその用途は広がりを見せています。

 

しかし皆さん、そのタミヤ瓶で交換した(頂いた)インク、最後の一滴まで使えていますか?

 

私もタミヤ瓶でインクを頂いたことがあるのですが、「最後の一滴」というより最後の5分の1程のインクが使えずにいました。

 

万年筆はインクを吸入する際、ペン先のハート穴もしくは首軸までインクに浸けて吸い出す必要があります。

 

タミヤ瓶は小さいです。角張ってます。

構造上最後まで吸えないのです!

 

というか、タミヤ瓶でなくても普通の瓶でも最後まで吸えないのです!

インクが…!!

 

 

と、嘆いている方もおられるかも知れません。

私もそうでした。

 

さっきまでは。

 

 

ついに(既知の方も多く今更感もあるかも知れませんが)インク吸入器というものを手に入れたことでその悩みは一気に解消。

最後の一滴まで大好きな色のインクを楽しむことができたのです!

 

ということで、今回は「ピナイダー」万年筆スノーケル(インク吸入器)をレビューしていきます。

 

 

 

 

 

 

【対応コンバーターの多さが魅力!「ピナイダー スノーケル」とは】

まず、ピナイダー スノーケルとは何をするためのものか。ここからいきたいと思います。

と、その前に素晴らしいパッケージの開封からお伝えしていきましょう。

 

 

このようなお洒落な紙のパッケージに入った状態で届きます(ネットで買いました)。

パッケージには「万年筆用吸入器」「簡単できれいに最後の一滴まで」「多くのコンバーターに適合」といった文言が書かれています。

 

 

開けるとさらに本体が包まれたパッケージに対応するコンバーターの種類と位置が記されています。

中世ヨーロッパのようなこの挿絵もいい味出してますね。

 

 

開けると銀色に輝くスノーケル本体が、まるで一輪の花のように綴じられています。

右にはイタリア語で商品の説明が書かれているようです。

 

説明をサクッとまとめると「スノーケルは様々な形のコンバーターに対応して、インク瓶底の最後の一滴まできれいに吸い上げるための画期的なインク吸入器具」ということです。

すなわちインク瓶の中のインクを一滴も残さないための吸入器。

 

ピナイダー スノーケルを使う前提として、カートリッジ/コンバーター式の万年筆が手元にあること。

当然ですが吸入式の万年筆には使えません。コンバーター専用の器具です。

 

インク吸入器と言えば、Pentの「ハミングバード」が有名です。

ハミングバードがコンバーターのタイプに合わせてラインナップされているのに対して、スノーケルは説明文にもあるように1本で様々な種類のコンバーターに対応するのが最大の売り。

 

価格はハミングバード2640円に対して、スノーケルが約4800円ほど。

これを高いと感じるか安いと感じるかですが、各社のコンバーター対応ということで 私は使い分けの面倒がない分安いかな、と感じました。

 

 

 

本体には「Pineider」のレーザー刻印。プリントでないことからもピナイダーの気合いと自信がうかがえます。造りも精密で好感が持てます。

 

 

全長は71mm。これだけあればまずどんなインク瓶にも対応できそうです。

 

このピナイダー スノーケルを実際に使ってみて、様々な事が分かりました。

それを次の項から分けて書いていこうと思います。

 

 

 

【ピナイダー+国際規格に適合するコンバーター】

 

スノーケルの一番上の小さな接続部は、ピナイダーのコンバーターおよび国際規格のコンバーター向けの接続部です。

 

国際規格というとボールペンのリフィルでもあるようにパーカーをイメージするのですが、実際はそうではないようです。(パーカーコンバーターは次の項の「その他規格」に対応)

 

 

手元にあるものではコンバーターの形状から、モンブラン、ペリカン、カヴェコ、シェーファー、デルタが適合しそうです。(すいません、肝心のピナイダーの万年筆とコンバーターを持ってません…)

それでは一つずつ試していきます。

 

 

マイスターシュテュック#1441に付属していたモンブランのコンバーター(旧型)を差してみるとピタリと嵌まりました。緩くも無く固くも無くちょうど良い感じです。

現行のモンブランコンバーターも問題なく使えそうです。

 

 

モンブランのコンバーター以上にモンブランの万年筆でお世話になっているペリカンのコンバーター。

こちらも問題なく差せました。

まあ、国際規格と言うからにはモンブランとペリカンが差せなければクレームが来るでしょう。

 

 

続いてカヴェコのミニコンバーター2。

こちらは固めで奥まで差し込むのが少しはばかれます。

真ん中くらいまで差し込んだ状態でしっかりと固定されてしっかりとインクも吸入しますので、無理に奥まで差すことはないかと思います。

 

カヴェコのコンバーター2は特に小さいので、この先スノーケルを重宝することになりそうです。

 

 

次にシェーファーを試します。

コンバーターの径が太いため他の万年筆に差すことができないシェーファーのコンバーターも、万年筆に差すような手応えでしっかりと差し込んで固定することができました。

 

 

それにしてもこのインク残量が分かりづらいスモークの窓はどうにかならないのでしょうか。

 

 

 

 

最後に今は無きデルタのコンバーター。

これが残念なことに差しても固定されません…!

 

 

デルタはほとんどがカートリッジ/コンバーター両様式なのでこれは素直に残念です。

マスキングテープで繋ぐこともできそうですが、吸入時のインク漏れが心配です。

 

 

 

【その他規格に適合するコンバーター】

次に「その他規格」に適合するコンバーターを試していきます。

 

▲写真の部分までをコンバーターに差し込みます。

 

手元にあるコンバーターでは、パーカー、ラミー、Penbbsが合いそうです。

 

 

 

先陣を切ってドイツのラミーから。コンバーターがお洒落です!

 

 

ラミーのコンバーターは接続部に黒い樹脂があり、スノーケルがしっかりとホールドされます。

インク吸入も快適そのもの。これで限定インクも余すこと無く吸い出せますね。

 

 

 

 

続いては世界三大万年筆メーカーのパーカーです。

今回はパーカー75に付属する「中押し式コンバーター」と現行の「コンバーターD型」を試しました。

どちらもしっかりと固定されていて合格!

インク瓶底のインクは見る見る無くなっていくので、中押し式コンバーターでもちゃんと吸っている感があります。

 

 

 

この項の最後は新星Penbbsのコンバーター。

 

 

こちらは残念ながら固定されませんでした。ただこれはマスキングテープでまだ何とかなりそうな気がします。おそらくインクで手が汚れるのを覚悟しないといけませんが…。

 

ちなみに台湾の万年筆メーカー「 TWSBI(ツイスビー)」はペリカンコンバーターに対応しているためスノーケル利用可能です。

 

手元にある「その他規格」対応の3社ではPenbbs以外はしっかりとした吸入動作を確認できました。

 

 

 

【日本規格に適合するコンバーター】

 

最後の項では気になる方も多いであろう日本規格に適合するコンバーターを見ていきます。

試すのはパイロット、セーラー、プラチナの3社です。

 

 

 

まずはセーラーから試します。

 

 

もっともポピュラーな「14-0506」ですが、残念ながらコンバーターの穴がOリングに対して小さく嵌まりません。

まだコンバーター側が大きすぎるわけではないので、写真のようにマスキングテープで固定すれば吸入可能でした。うーむ…残念。

 

 

気を取り直してプラチナです。

 

 

 

なんと、こちらも適合せず!

セーラーと同じくコンバーター側の穴が小さくOリングに嵌まりません。

しかし、こちらもセーラーのようにOリングの腹に付けるようにしてマスキングテープで固定すれば利用可能です。

 

 

ということで、ピナイダーの言う「日本規格」とはパイロットのことでした!

 

 

画像では「CON-50」を接続していますがこちらがピッタリ。

大容量コンバーターの「CON-70」も同様に接続可能ですが、CON-50よりも若干固めです。ただインク吸入は全く問題なし!

 

ああよかった…!

ちゃんと日本規格(パイロット)のコンバーターが使えました。

 

 

 

とうことで、今回はインク瓶の底にある最後の一滴まで吸い出すための吸入器「ピナイダー スノーケル」をレビューしてきました。

 

最後に今回の結果をまとめてみると次のようになります。

 

 

確かに対応コンバーターは多いですが、中には残念ながら非対応のコンバーターも。

特に日本のコンバーターはパイロットのみの対応ですので注意が必要です。

 

ただ、このサイズで全ての形に適応することは不可能に近いので、適応外のコンバーターはマスキングテープを活用して使っていきたいと思います。

 

今回見てきたコンバーターが世の中にある全てのコンバーターではないため、この記事にない種類のコンバーターはぜひそれぞれで試して頂きたいと思います。

 

 

 

スノーケルを使ってインクを吸入する時は、タミヤ瓶が倒れないように注意して、瓶底から吸われていく「ひとしずくのインク」を楽しもうではありませんか。

 

今回もお読み頂きありがとうございました。

それではまた。

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