日本製万年筆への誘い 【セーラー/プロフィット21】

2017.05.11 Thursday

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    今回は日本製の万年筆について書いていこうと思います。
    仕事でも万年筆を使うことがあるのですが、200文字程度のコメントや署名を書く際、一番書きやすく出番が多い万年筆がセーラー万年筆のプロフィット21です。


    万年筆を使い始めてからはもっぱら欧州メーカーの万年筆ばかりを買っていたわけですが、ある日ふと、日本製の万年筆が欲しいと感じることがありました。
    それはになにかというと、ペン先の太さです。
    欧州メーカーの万年筆は軸が美しいものばかりで所有時の満足度は高いのですが、実際に書いてみると「ちょっと太いなー」と感じてしまうのです。そう感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    ペン先を裏返して書くという方法もありますが、力加減によってはペン先を傷める可能性もあるため、あまりその方法は使いたくありません。
    私は自分が普段書く文字のサイズから、ペン先はFを選んで買っています。
    画数の多い文字を書く際、ペン先が太いとどうも時がつぶれてしまい釈然としません。
    一度デルタのペン先Mを買ったことがあるのですが、自分には太すぎてすぐに使わなくなってしまいました。

    そのため、日本語を書くために生まれてきた日本の万年筆を試さないわけにはあるまい。と思った次第です。
    いつもなら欲しいと感じた瞬間ポチってしまう性分なのですが、季刊誌「趣味の文具箱」やネットで調べるにつれじわじわと購入意欲が沸いてきて買うに至るという、9割方が衝動買いの自分にしては珍しいパターンでの入手でした(笑)
    日本製万年筆の地味な(控え目な?)見た目に警戒したのか、初めてとなるオール黒軸の荘厳な雰囲気に呑まれたのか…。

    ペン先の話が出たついでに、まずはニブを見ていきたいと思います。
    【ニブ】


    飾り模様に1911、セーラーの碇、14K、585にSAILORと続きます。大きめのしっかりしたニブです。
    1911はセーラーが創業した年。そう思うと、もう創業から100年以上経っているわけですね。

    サイドにはペン先の太さを表すH-F(ハード・ファイン)
    この細さが日本語、特に漢字を書くのに適していて、画数の多い漢字や、止めはらいが目立つ漢字でも綺麗に書くことができます。
     
    【ナノインク】

    セーラー万年筆を使う上で忘れてならないのが「ナノインク」です。
    ナノインクはセーラー万年筆専用のインクで、粒子が細かく、耐水性に優れているのが特徴です。
    色はブルーブラックともいうべき「青墨」と漆黒の「極黒」を使っています。

    耐水性の比較。上がナノインク、下が一般的なインクです。
    私は亀仙流ではないのですが、「亀」という字を書いてみました。もちろん鶴仙流でもありません。
    水を文字に落とした後、1分待ってから拭き取っています。
    このように、万が一 水がはねたとしてもナノインクで書いた文字に滲みはありません。
    まあ、紙の方が痛んじゃいますけどね。

    インクタンクはコンバーターとカートリッジの両様式。私はナノインクを吸うためにコンバーターをセットしています。コンバーターの操作性は回転がやや固めで正直使いにくいです。指先に力を入れるあまり多少手がプルプルしてしまいます(笑)

    次に軸を見ていきましょう。
    【キャップ〜軸】

    これぞ万年筆!といった姿です。感触もなめらか。樹脂軸ですが、色は艶やかで所有感を満たしてくれます。
    キャップの先とペン尻はゆるやかに細くなっていて、とてもスタイリッシュ。
    そして、黒とシルバーのコントラストが美しくビジネス向けとも言えます。


    キャップリングにはSAILOR JAPAN FOUNDED 1911の刻印。
    タブルリングが高級感を演出しています。クリップも嫌みのないスタンダードな形状。
    キャップはねじ式で機密性が高く、今のところ使っていてインクが乾いたことがありません。
    仕事で出すとモンブラン?と聞かれることもありますが、確かに似ています。
    似てるといえばプラチナの万年筆にも似てますね。この辺は他社の万年筆にインスピレーションを受けてデザインされているのかもしれません。
    以上、プロフィット21のレポートでした。
    総じて、見た目・書きやすさともに日本の底力を感じる完成度の高い万年筆です。
    【比較/プロフィット21と四季彩・茜空】
    こちらはプロフィット21の書きやすさに感銘を受けて買った、色彩シリーズの茜空(あかねぞら)。
    私はわかりやすく赤インク専用万年筆として使っています。

    この軸の色がまた絶妙で赤というよりは朱色に近い、北斎の赤富士を彷彿とさせる色合いなのです。
    プロフィット21とは軸の長さ・軸径ともに同じ万年筆なのですが、所々が違う仕様となっているので簡単に比較していきます。


    プロフィット21に比べるとニブがほっそりとしていますね。刻印もいたってシンプル。
    ニブの素材はステンレスで筆記感は若干固め。Fというペン先の細さと相まってサリサリとした書き心地です。

    クリップ形状は同じ。キャップの文字も同じですが、プロフィット21がダブルリングに対して四季彩がシングルです。
    尻軸のリングは四季彩にはありません。
    二本を比べると、14Kのペン先による書き味と軸の高級感はさすがプロフィット21といえます。

    さて、いかがでしたでしょうか。
    日本語が書きやすい万年筆。普段日本語を書くからこそこだわりたい万年筆でした。

    セーラーの書きやすさを体験してしまったものですから、まずいことにプラチナとパイロットの万年筆も試したくなってしまいました!
    またいつか入手したらお知らせしたいと思います。
    セーラープロフィット21と四季彩・茜空のレポートでした。
    ではまた。